ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになることは可能?

最終更新日:2025年1月31日

ネットワークエンジニアからキャリアアップしてクラウドエンジニアになることは可能でしょうか?

ITインフラ分野の技術進展は著しく、オンプレミスからクラウドに主流の技術が移り変わろうとしています。ネットワークの構築についても、クラウド上へ構築するケースが増加しており、ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアへキャリアチェンジを検討しているエンジニアもいるでしょう。

本記事では、ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアへの転職を検討するエンジニアを対象に、その可否や各職の仕事内容、必要となる知識や役立つスキルの違い、なり方について解説します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになることは可能で、ネットワークの基礎に関してはそのまま役立てることができる
  • クラウドエンジニアになるには、必要なスキルの検討・補強を行い、クラウドエンジニア向けの求人を探す
  • クラウドエンジニアの平均年収は約729万円で必要な知識やスキルが多い分、高年収が望める
  • クラウドの活用は今後も拡大すると想定されるため、クラウドエンジニアの将来性は高い

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ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアは目指すことは可能

ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアを目指すことは可能です。理由はクラウド環境でもネットワークの構築・運用は不可欠であり、そのスキルを持つエンジニアの需要が高まっているからです。

ここでは、ネットワークエンジニアがクラウドエンジニアを目指すメリットについて、次の観点から解説します。

従来型のネットワークの知識・スキルはクラウドエンジニアにとっても基礎

クラウド上のネットワーク構築にも、従来のネットワークに関する知識やスキルが重要になります。オンプレミス環境で培ったネットワーク設計、構築、運用の経験は、クラウド環境でも活かせるのです。

たとえば、サブネット設計やルーティングプロトコルに関する知識は、クラウドの仮想ネットワークでも必要となります。また、ネットワーク機器の選定や構成管理の経験も、クラウド環境のネットワーク設計に役立ちます。さらに、オンプレミス環境からクラウド環境への移行案件では、従来のネットワーク知識とクラウドの知識の両方が求められるため、ネットワークエンジニアとしての経験が大きな強みになります。

このように、従来のネットワークスキルはクラウドエンジニアにとっても基礎となるため、スムーズにクラウド分野へ移行できる可能性が高いです。

クラウド上のネットワーク構築では仮想化技術の知識・スキルが役立つ

クラウド環境では、物理的なネットワーク機器の代わりに、仮想化技術を用いてネットワークを構築します。そのため、クラウドエンジニアを目指すなら、仮想化技術に関する知識・スキルは必須です。

クラウドのネットワーク構築で主に用いられる仮想化技術として、SDN(Software Defined Network)とNFV(Network Function Virtualization)があります。SDNは、ソフトウェアによってネットワーク機器の制御機能を集中管理する技術です。

たとえば、ネットワーク構成の変更をソフトウェアで一括制御することで、作業効率を向上させることができます。
一方、NFVは、ルーターやファイアウォールなどのネットワーク機器の機能を仮想化ソフトウェアで実現する技術です。たとえば、物理的な機器を導入する代わりに、仮想アプライアンスをデプロイすることで、コスト削減や柔軟な運用が可能になります。

これらの技術を理解し、活用できることはクラウドエンジニアにとって大きなメリットとなります。

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ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになる方法

ネットワークエンジニアがクラウドエンジニアになるには、スキルを獲得してクラウドエンジニアの募集に応募することになります。

ネットワークエンジニアがクラウドエンジニアになるための方法をステップに分けると、下記となります。


1つずつ説明します。

現状の技術力と必要となるスキルの棚卸をする

まずはネットワークエンジニアとして獲得してきたスキルと知識を洗い出して整理してみましょう。これまでの業務経歴や、利用したことのある技術、担当範囲などを時系列に沿って整理し、それに付随してスキルもあげていくとやりやすいです。

以下は、スキルの状況をまとめた例です。あくまでも例なので、これを参考に自分のスキルをまとめやすい形に変更するのも1つの手です。

  保有スキル クラウドエンジニア
に必要なスキル
ITに関する基礎的な知識
ネットワークに関する基礎知識
(TCP/IP
OSI参照モデル
プロトコルなど)
ネットワーク型仮想
サーバ利用スキル
サーバOSの操作スキル
ネットワーク構築に関する知識
ネットワークの設計
ネットワーク仮想化
ネットワークセキュリティ
に関する知識
要件定義
プロジェクトマネジメント
クラウド概要
クラウドサービスの利用スキル
(AWS)
クラウドサービスの利用スキル
(Google)
クラウドサービスの利用スキル
(Microsoft Azure)
クラウドインフラ
全般に関する知識
クラウド上での
ネットワークの概要
ネットワーク設計
(AWS)
ネットワーク設計
(Google Cloud)
ネットワーク設計
(Microsoft Azure)

関連記事:ネットワークエンジニアに必要なスキルとは?スキルアップ方法も解説

クラウド上へのネットワーク構築スキルの獲得

スキルの棚卸ができたら、不足するスキルの獲得を行います

ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアを目指す場合、不足するスキルとなるのはクラウド上へのネットワーク構築に関する知識が一般的です。

これらに関する学習については、各クラウドベンダーが提供する学習コンテンツや無料で利用できる領域を活用するとよいでしょう。知識だけでなく、実際にクラウドサービス上にインフラを構築してスキルを獲得することが重要です。

例えば、AWSではクラウド上へのネットワーク構築を学習するためのハンズオンを提供しています。

志望動機や自己PRを作成するために自己分析をする

スキルが獲得できたら、クラウドエンジニアに転職するための準備として、自己分析を行います。スキル面だけでなく、自身の志向やキャリアパスにも目を向けておきましょう。なぜクラウドエンジニアになりたいかを明らかにし、転職時の志望動機や自己PRにつなげます。

自己分析の方法が分からない場合は、誰かに相談したい人はレバテックキャリアの無料カウンセリングがおすすめです。

専門のアドバイザーが、ご登録いただいた内容をもとにマンツーマンでカウンセリングします。どんな小さな疑問でも回答・サポートしてもらえるので、「考えがまとまらない」といった内容でも気軽に相談できます。

クラウドエンジニアの求人へ応募する

自己分析を行い、クラウドエンジニアを志望する転職軸が作れたら、求人へ応募しましょう

ネットワークエンジニアとしてのスキルが活かせるクラウドエンジニアというある程度条件が絞られる案件を探す場合には、多くの求人の集まるエンジニア向け転職サービスの利用が効率的です。

レバテックキャリアではサイトに掲載していない非公開求人も多数保有しています。また、企業別に面接対策情報などを保有しており、内定実績も多数存在します。まずは無料で登録してご相談ください。

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クラウドエンジニアの仕事内容

クラウドエンジニアの主な仕事内容は下記の通りです。

  クラウドエンジニア ネットワークエンジニア
仕事内容 クラウドインフラの設計、構築
・ヒアリング・要件定義
・設計
・構築
・テスト
・稼働監視・運用・保守
ネットワークの設計、構築
・ヒアリング・要件定義
・設計
・構築
・テスト
・稼働監視・運用・保守
対象領域 クラウドインフラ全般
(サーバー、ネットワーク、
データベースなどを含む)
ネットワーク
(オンプレミス、クラウド含む)

インフラを提供するという軸については両職種に共通しており、その中でも対象となる技術領域が違うといえます。

関連記事:クラウドエンジニアは本当に「やめとけ」なのか?やめとけと言われる理由や仕事のメリットを紹介

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クラウドエンジニアの平均年収と将来性

クラウドエンジニアとネットワークエンジニアの平均年収と将来性を下記の表にまとめました。

平均年収は2024年12月25日時点でレバテックキャリアにて公開中の求人転職情報より算出した値です。クラウドエンジニアは職種「インフラエンジニア・ネットワークエンジニア・サーバーエンジニア」フリーワード「クラウド」に該当する30件、ネットワークエンジニアについては職種「ネットワークエンジニア」に該当する30件を抽出し、年収の最低と最高の中間値より想定される年収を算出しています。

クラウドエンジニアは需要が高まっており、必要となる知識やスキルも多いことから、ネットワークエンジニアよりも高い平均年収が望めるといえます。

  クラウドエンジニア ネットワークエンジニア
平均年収 約729万円 約598万円
将来性 ・クラウド市場は拡大傾向にあり、
クラウドエンジニアへの需要は
さらに増加する
・ネットワーク以外にもクラウドは
活用されており、技術分野を広げる
ことでさらに将来性が高まる
・需要そのものは存在し、
今後も必要とされる
・ネットワーク環境の変化に
対応できることが求められる

参考:総務省

関連記事:
クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介
クラウドエンジニアの年収は?キャリアプランや必要な知識・スキルを徹底解説

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ネットワークエンジニア・クラウドエンジニアのスキルと役立つ資格

ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアに必要となるスキルと役立つ資格を紹介します。共通するものと異なるものを押さえることで、クラウドエンジニアを目指す際に習得すべきスキル、取得する資格を知ることが可能です。キャリアアップに向けて効率的な計画を策定して、学習に取り組む参考としてください。

各職種で必要となるスキル

ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアに必要となるスキルの代表例として下記があげられます。

ネットワークエンジニアに必要なスキル クラウドエンジニアに必要なスキル
ネットワークに関する基礎知識
(TCP/IP
OSI参照モデル
プロトコルなど)
ネットワークを含めたITインフラ
全般についての基礎知識
ネットワーク監視ツール利用スキル クラウドサービスに関する基礎知識
サーバーOSの操作スキル クラウドサービスの利用スキル
(AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなど)
ネットワーク機器に関する知識 クラウドインフラ全般に関する知識
ネットワークの設計 クラウド上でのネットワークの構築
ネットワーク仮想化 クラウド上でのネットワーク
セキュリティに関する知識
ネットワークセキュリティ
に関する知識
コーディングスキル (IaCなど)

各職種に役立つ資格

ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアに役立つ資格の代表例として下記があげられます。なお、いずれの資格も両職種で役立つ知識が得られるため、より関連深い資格と考えてください。

ネットワーク
エンジニアに役立つ資格
クラウドエンジニア
に役立つ資格
シスコ技術者認定 AWS認定
ネットワークスペシャリスト試験 Google Cloud認定資格
LPIC Microsoft認定のAzure関連
LinuC  ‐
CompTIA Network+  ‐

関連記事:
ネットワークエンジニアに必要なスキルとは?スキルアップ方法も解説
ネットワークエンジニアの資格14選!難易度やおすすめの種類を紹介
クラウド時代のインフラエンジニアに求められるスキルや資格

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まとめ

ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになることは可能です。その理由として、クラウド上にネットワークを構築することに需要があること、クラウド分野は成長途上で参入の余地があること、ネットワークエンジニアの従来型のネットワークに関する知識・スキル、ネットワーク仮想化スキルはクラウドエンジニアにも必要なことがあげられます。

ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになる場合、下記のステップが有効です。


  • ・スキルの棚卸

    ・クラウド領域スキルの獲得

    ・自己分析

    ・転職サービスを利用してクラウドエンジニアの求人に応募


ネットワークエンジニアとしての知識と経験を活かせるクラウドエンジニアの仕事を探す場合、ITエンジニア向けの転職エージェントの活用がおすすめです。スキルにあった求人情報を紹介してもらえる他、クラウドエンジニアとしての転職市場状況などを知ることにも役立ちます。

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