ブロックチェーンが登場して10年が経ったが【翻訳記事】誰もブロックチェーンの使用方法を思い付いていない件について

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Kai Stinchcombe氏がブログで投稿した記事「Ten years in, nobody has come up with a use for blockchain (Posted Dec 22, 2017)」を翻訳してご紹介しています。
なお、この記事は原著者の許諾を得て翻訳・掲載しています。

ビットコインといったクリプトカレンシー(暗号通貨)を支える技術であるブロックチェーンが、「すべて」を変えようとしていると誰もが主張しています。しかし、何年ものたゆまぬ努力と数十億ドルの投資を経ても、誰も通貨投機や違法取引以外にブロックチェーンの使用方法を思い付いていないのが現状です。

決済から法的文書、エスクローから投票システムといった趣旨の使用事例は、(実際には必要のない)分散化および暗号化された匿名台帳の使い道をひねり出したものでしかありません。もしも分散型台帳が実際に何の使い道がなかったとしたらどうしましょう?ブロックチェーンが発明されてから10年が経ちますが、大規模な分散型台帳が一向に採用されないのは、誰もそれを望んでいないからだったとしたらどうしましょう?

決済および銀行業務

ブロックチェーンの当初の意図は、ビットコインのような通貨を動かすこと(他の通貨と同じように価値を保存して交換すること)でした。ブロックチェーンの登場により、仲介人が上前をはねることなく価値を無料で瞬時に交換することができるようになったため、VisaとMasterCardは巨大で扱いにくい時代遅れなものだと誰もが宣言しました。銀行業界の革命は始まりに過ぎず、個々の市民が国家制度の外で自由に取引できるようになるため、もはや専断で通貨を発行することができない政府は二番手に甘んじるだろうと思われていました。

目玉機能:自分のお金を取り戻せることを知っていること

その夢が崩壊するのにはそれほど時間はかかりませんでした。一つの理由としては、仲介人がいなくても価値を無料で瞬時に交換する方法が既にあったからです。それは、現金です。ビットコインはドルの代わりになるものですが、実際にドルベースの銀行取引の上に鎮座しているのは、銀行が不正行為の紛争を追跡することができ、買い手と売り手の身元を確認できるような一連の付加価値サービスを提供しているVisaとMasterCardです。新しい決済システムについて商品を支払う人が重要視する特徴は、商品が記載どおりでなかった場合にお金を取り戻すことができるという確信です(PayPalの初期段階を思い出してください)。そして、決済を受ける人が重要視する特徴は、顧客がそれを所有しており、使用したいと思ってくれることです。ユナイテッド航空のフライトでポイント、クレジットライン、無料受託手荷物を追加すると、消費者が選択して売り手が受け入れる項目があるでしょう。誰も実際にビットコインで支払うことを望んでいるわけではありません。それこそが、ビットコインがうまくいっていない理由です。

『新しい決済システムの重要な特徴は、商品が記載どおりでなかった場合にお金を取り戻すことができるという確信です(PayPalの初期段階を思い出してください)。』

Visaをブロックチェーンで実行するには、5,000台の原子炉が必要です。

さらに、それは実際には優れた決済システムというわけではありません。Visaは1秒間に6万件の取引を処理できますが、ビットコインのこれまでの処理速度は1秒間に7件ほどです。ビットコインの効率を向上させるために技術的な改良が行われていますが、そもそも現在機能しているシステムの0.01%の能力しかありません。(また、注目すべき点は、1秒7件の取引でさえも、ビットコインは既にVisaの35倍のエネルギーを消費すると推定されていることです。ビットコインの取引量をVisaに引き上げた場合、全世界の国々をすべて合わせた電力を使用することになります。)

政府の監督なしに取引する自由

多くの国では(多くの場合自国では)、当局から情報を隠しておく能力が少しあるだけで、世界がより良い場所になるでしょう。キューバやベネズエラのような場所では、多くの人がドルで取引することを好みますが、ビットコインも理論的には同様の機能を果たすことができます。しかし、これが想定どおりの万能薬ではない理由が2つあります。それは、個人に対する政府の優位性と、社会に対する政府の優位性です。

マウントゴックスは顧客のお金をすべて失いました

政府が支援する銀行システムは、FDIC(米連邦預金保険公社)の保証、ACH(小口決済システム)の可逆性、身元確認、監査基準、物事がうまくいかない際の調査システムを提供します。設計上、ビットコインにこれらのものはありません。私は、電子メールがハッキングされ、パスワードが盗まれたためにビットコインのアカウントがすっからかんになったという人の驚くべきメッセージスレッドを見たことがあります。彼らは、頼みの綱が何もなくて唖然としていました!この事実は個人に収まるものではありませんでした。2014年には、当時世界一のビットコイン交換所であったマウントゴックスが、セキュリティ障害によって4億ドルもの投資家の資金を失いました。その後世界一となったビットコイン交換所Bitfinexも、顧客の資金を失った後にシャットダウンしました。多くの銀行が顧客の資金を使い切ってしまった場合の世界を想像してみてください。ビットコインは、中世の銀行業のようなものです。「ここはリバタリアンの楽園です。良い一日を。」

BitFinexは顧客のお金をすべて失いました

『ビットコインは、中世の銀行業のようなものです。「ここはリバタリアンの楽園です。良い一日を。」』

【これは、私にとって身近で非常に大切な問題です。なぜなら、私の会社であるTrue Linkは、被害に遭いやすい高齢者を支援する会社だからです。高齢者は、電話口で自分のクレジットカード番号を伝えてしまったり、胡散臭い宝くじに参加したり、胡散臭い慈善団体に寄付したり、詐欺投資に参加したり、パスワードを盗むマルウェアをインストールしたりする可能性が高いです。高齢者は、銀行や決済のセキュリティ強化を最も必要とする人々として既存の保護手段に大きく依存しており、提案されている変更(秘密鍵で認証された、即時の、不可逆的な送金)によって確実に被害を受けます。銀行のセキュリティに関する視点を持った誰かが、現在傷付いている人と、彼らを助けることができる方法を検討して、ブロックチェーンとはまったく異なるものを思い付くかもしれません!】

モンゴルの銀行は、ロシアに対する新たな制裁措置により+ 400%の取引量を経験しました。新しいスローガンは、「ビットコインはモンゴルより警官が少ない」です。

第二に、政府の政策は、テロリストの資金調達や組織犯罪を崩壊させ、盗難されたクレジットカード番号や児童ポルノなどの違法商品の流通を阻止するように設計されています。人々が好むのは、取引を非公開にするものの、令状の下で発見できることです。「政府は、あなたがお金を払った人全員のリストを持っているべきだと思いますか?」と尋ねると、ほとんどの人は「いいえ」と答えるでしょう。しかし、「政府は、令状の下で、児童ポルノコレクターがお金を払った人全員のリストを取得できるべきだと思いますか?」と尋ねると、ほとんどの人は「はい」と答えるでしょう。ビットコインによって、私たちの政府が違法と定義している商品やサービスの総流通量が100倍になることを望んでいる人は誰もいません。あるビットコイン信奉者が私に指摘したように、「現金が今発明されたとすれば、それも違法になるでしょう。」

マイクロペイメントおよび銀行間振替

注目に値するのは、人々が特にブロックチェーンベースの通貨に興奮している、2つの決済における使用事例です。それは、マイクロペイメントと銀行間振替です。マイクロペイメントの観点から見ると、人々はビットコインの取引が自由で瞬間的であることに熱狂しています。実際には、清算に約8分かかり、処理に約4セントかかっているのですが。人々は、マイクロペイメントにビットコインを使用することを提案しました。例えば、インターネットで曲を聴くためにミュージシャンに2セント支払ったり、新聞記事を読むために4セント支払ったりということです。しかし、これを行うためのインフラ(例:クリックした記事を読むのに8分も待たずに済むように資金源の事前承認を行うこと)は、ビットコインの必要性を実際に排除します。記事に4セント、または2セント支払っても良い場合は、銀行口座から毎月1回引き落とされるように設定すれば、存分に読むことができるのですから。そして、実際に、人々はマイクロペイメントに対するサブスクリプション(定期購入)サービスを好みます。

リップルの登場から3年経ちましたが、SWIFTに対するリップルは、米国のGDPに対する爪楊枝の売上のようなものです。

銀行間決済に関しては、多くの人が銀行間で金銭を振り替える有望な方法としてリップルを挙げます。銀行がリップルと世界の上位通貨の90%を取引できるようになってから3年が経過しましたが、リップルが過去30日間に処理できたのは20億ドル相当(記事執筆時点)の銀行間取引と対人取引であり、これはSWIFT銀行間ネットワークにおいて約40秒分のボリュームです。これは、米国のGDPに対する爪楊枝の売上の割合と同じくらいです。なぜ銀行はこの新技術を好まなかったのでしょうか?その答えは、リップルのゲートウェイを設定することは既存のアカウント対応システムを使用することと実際に大きく異なるわけではないからです。しかし、大きな違いとして、パスワードやセキュリティトークンを紛失すると、はるかに大きな瞬間的な損失をもたらす可能性があります。注釈として述べると、このことはそれを防止しようとしていた交換所ではなく、多くの大手ビットコイン交換所で起きました。エンドユーザーにとって銀行システムをより魅力的にする機能は、銀行にとっても魅力的です。銀行は既に台帳を持っており、それらを配布し、匿名化し、暗号化し、公開し、不可逆的にする必要はありません。

「スマート」コントラクト

「スマート」コントラクトは、法的文書として執筆されたものではなく、ソフトウェアとして書かれた契約です。これは、ブロックチェーン上で直接エンコードすることができるため、関連した当事者の暗号法の同意に直接基づいて価値を移転することができます。言い換えれば、これは「自動実行」するということです。理論的には、ソフトウェアで書かれた契約のオペレーションは文字通り数学的で自動であり、他に解釈のしようがないため、翻訳するのも安価です。つまり、高額な法廷闘争は必要ありません。

DAOは顧客のお金をすべて失いました

それでも、現実世界における例は、これが問題であることを示しています。今までで最も傑出した最大のスマートコントラクトである自律分散型組織(DAO)と呼ばれる投資会社のメンバーは、秘密の暗号鍵を使って投資を行う対象について投票を行うことができます。弁護士、管理手数料、不透明な立会場が不要なDAOは、「取締役やファンドマネージャーの誤った指示によって投資家の資金を浪費することを排除しています。」しかし、ソフトウェアのバグのせいで、DAOは、残高更新中に再帰呼び出しが可能となる問題を認識していた非常に賢いプログラマーが管理する会社に、メンバーが所有している総額の3分の1に上る5000万ドルを「投資」することに「投票」してしまいました。一部の人は、ソフトウェアが意図したとおりに機能しなかったので、この事件はハッキングまたは脆弱性の悪用であると述べており、他の人は、この事件はハッキングではないと述べています。要点は、ソフトウェアが自律的に決定を下し、他に解釈のしようがないため、ソフトウェアの仕組みが理解できない場合は参加してはならないということです。結局、全員が集まってソフトウェアコントラクトを遡及的に修正し、元の所有者に資金を戻すよう投票しました。この事件から導き出される教訓は何でしょう?それは、最も頑固なブロックチェーン信奉者でさえ、ソフトウェアを自動実行させるのではなく、実際にコントラクトの背後にある根本的な意図について人間が集まって議論することが必要なのです。結局のところ、「愚かな」やり方が最もスマートなのでしょうか?

クリプトカレンシー(暗号通貨)信奉者でさえ、コントラクトの意図について論じたいと思っています。

DAOは示唆に富む実験でしたが、大企業での日常的な取引としてはどうでしょう?スマートコントラクトスペースの投資家とスタートアップは、ブロックチェーンが実行と決済を超高速にすることを約束します。例えば、健康管理アプリケーションでは、「請求が処理されるのを90~180日を待つ代わりに、あるいは請求を支払うために電話でやり取りする代わりに、理論上はその場で処理することができます。」しかし、これはソフトウェア対応の購入システムにも当てはまります。私の会社のAmazonサーバーは、ウェブサイトのトラフィックに基づいて自動的に計算し、使用量に応じて請求します。スマートコントラクトがこれを変えるという考え方は誤りです。法的手続がソフトウェアとしてコード化されるのか、ソフトウェアによって発効する法的手続なのかがごちゃ混ぜになっています。Amazonの利用規約はスマートコントラクトではありませんが、これらの規約を実行する請求システムは自動化されています。例えば、健康保険の請求は自動化されていません。このことに関する問題は、既存のソフトウェアが請求を提出し電子的に支払うのを処理するのに十分なほど「スマート」ではないことではなく、(偶然もしくは意図的に人間のレビューを好むため)保険会社の動きが遅いことです。

Webサイト「Amazon」。買い物カゴの画面

ビットコインはこれをさらに早くできるのでしょうか?

結局のところ、ブロックチェーン信奉者から健康保険会社に至るまで、彼らは実際に取引関係がどのようなものかを人間の言葉で論じ、それを継続的に解釈し、履行と決済を処理するソフトウェアを作成したいと考えています。それはすでに存在します。つまり「現状」です。

分散型ストレージ、コンピューティング、およびメッセージング

もう一つのもっともらしくない考え方は、ブロックチェーンを分散型ストレージメカニズムとして使用することです。ドキュメントを「ブロック」に分割し、それらを暗号化して、分散型台帳に入れることは一見理にかなっています。複数の場所にバックアップされ、起こったことをセキュアかつ簡単に追跡することができるようになります。

しかし、ファイルを分割して、暗号化して、異なる場所にある複数のストレージメディアに複製する優れた方法は他にもたくさんあります。既に、複数のユーザーのハードドライブにファイルを暗号化して保存し、ハードドライブの空き容量に少額しかかからない、安価な分散型Dropboxを名乗る企業が存在します。ブロックチェーンは、これを行うのにも非効率的で安全性の低い方法です。

ははっ!あなたのブロックチェーンはこれを行うことができますか?

ブロックチェーンが推進するアプローチには、さらに4つの問題があります。第一に、ブロックチェーンは、ツーファクタ認証、侵入検知、ボリューム制限、ファイアウォール、リモートIPトラッキング、緊急時のシステム切断機能といった洗練されたシステムではなく、シングルポイント暗号化に頼っています。第二に、価格のトレードオフは全く起こりえないことです。ビットコインブロックチェーンは、1か月10ドルのDropboxサブスクリプションで取得したデータの約6分の1に相当する量のデータをハッシュ処理するために、約10億ドル相当の電力を消費しています。第三に、長い目で見ればデータを複製する場所と量を体系的に選択できることが利点になります。データ複製におけるブロックチェーンのやり方はそれほどスマートではありません。最後に、Dropbox、Box.com、Google、Microsoft、Apple、Amazonなどが提供している貴重な機能を一から自分で構築するのは大変です。Visaの問題と同じように、問題はデータの保存ではなく、アクセス権の管理、以前共有したデータの共有解除、文書履歴の簡単な閲覧、複数のデバイスでの同期などです。

提案されている分散型コンピューティングとセキュアメッセージングアプリケーションについても、同じ議論が成立します。それを暗号化し、永久に保管し、ネットワーク全体にまたがって複製することは、実現しようとしていることに比べて一般費用がかかり過ぎます。他にもブロックチェーンベースのソリューションよりも優れているコンピューティング、メッセージング、ストレージソリューションがあります。これらは、誰もが必要とする暗号化と複製を備えている上、それ以外の素晴らしい機能も付いています。

株式発行

NASDAQが非公開株式向けに内部ブロックチェーン主導の取引を立ち上げたとき、それは大々的に発表されました。しかし、(間違っていたら教えてください)NASDAQ(またはDTCC取引清算システム)の目的は、誰がどの株式を所有しているかの台帳を持っていることではないですか?彼らは、自分たちのシステムは、ブロックチェーンがなければ、すぐに誰が何を所有しているかを把握できなくなるだろうと心配しているのでしょうか?

顧客から小売店への決済といった他の取引追跡の問題と同様に、NASDAQの台帳とブロックチェーンの台帳の違いは、ブロックチェーンが分散していることです。これは、信頼できる仲介者がいないという問題に対処しています。それでも、(法的取引については)会社自体、名義書換代理人、手形交換所、取引所はすべて信頼できる仲介者であり、多くの場合付加価値サービスも提供しています。NASDAQがブロックチェーン主導の取引に適している理由は、彼らが株式取引においてコンプライアンスとセキュリティに精通しているからです。仲介者(ここではNASDAQ自体)と政府を排除すると、最終的に選択できるのは、主流の市場に共通する法律、コンプライアンス、追跡システムを回避する企業だけです。非上場株式を取引する人々に言わせれば、これでは簡単にお金が盗まれてしまいます。

証券を発行する際に証券書類を提出する理由

そして、私たちは既にこれを目撃しています。現在、新しい会社が株式に転換可能なブロックチェーンベースの「コイン」を作り始めており、株式取引所における株式の伝統的な新規株式公開(IPO)よりも安価で柔軟な資金調達方法であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)として市場で販売しています。この狂騒がいつまで続くのかを注目するのは興味深いことです。株式に転換可能なトークンの発行は、証券の発行と見なされるため、SEC(証券取引委員会規則)が他の証券と同様にこれらの証券取引に適用されると考えられます。そのため、「コイン」は、法律や証券取引法が守ってくれるものではなく、慎重にパスワードを保管することでしか保護されない、安全性の低い電子株式証書、あるいは法律を回避する別の試みに過ぎません。

信頼性検証

もう一つのブロックチェーンのもっともらしい使用方法は、パブリックで、改変不可能で、削除不可能で、署名されたステートメントを作成したい場合、それをブロックチェーン上に「発行」することができるということです。分散型台帳を売買方法ではなく日記のように考えるということです。理論的には、これを使って投票集計を記録したり、ダイヤモンドやブランド品の起源を検証したり、身分証明を検証したり、ドメイン名の所有権を解決したり、エスクローでアイテムを保管したり、検印が付いている暫定特許を開示したり、公正証書を作成することができます。

一人一票。ビットコインのウォレットを数えるのは大変です!

それぞれの使用事例を詳しく見るまでもなく、破綻を予見することができるでしょう。投票の場合、現状は、ジャーナリストとオブザーバーが投票箱をずっと監視している中、有権者が目に見える形で紙の投票用紙を投票箱に入れ、投じられた投票の総数を記録することです。投票における難しい問題は、投票の匿名性を確保しつつ、一人一票の原則を守ることです。紙はこの面においてブロックチェーンよりもはるかに優れています。

公証人などについては、運転免許証を確認すること、または既知の証人を提示することは、盗まれたパスワードや秘密鍵で署名されていないことを意味します。しかし、パスワードや秘密鍵が適切であれば、PGP鍵で署名したものだけを公開することができます。腕時計やハンドバッグのようなブランドの商品の真正性を確立するために、またはダイヤモンドが倫理的に採掘されたものかを確認するために台帳が分散化および暗号化されても付加価値はありません。ブランドは、これまでと同様に、オンラインで確認できる証明書を発行するだけで済んでしまいます。エスクローの場合、スマートコントラクトは、第三者が資金を確認して保持する必要はなく、商品を自動的に支払うことができますが、商品が配送され、記載どおりであることを確認するには依然として信頼できる当事者が必要です。

Webサイト「twitter」。ツイート画面

現代社会で何かを知っているということを証明する

最後に、実際の知識を公に開示せずに、「Yの時点でXを知っていた」ことを明白に証明したい場合は、それを暗号化して、gmailとhotmailアドレスの自分のアドレス宛に電子メールで送ったり、bitbucketに投稿したり、それを印刷して公証したり、自分宛てに郵送して消印を付けたり、md5に変換してツイートすることができるでしょう。しかし、「実際の知識を公に開示せずに、Yの時点でXを知っていたことを明白に証明したい」というニーズがどれだけあるのでしょうか?このようなサービスを提供している有力企業や小さな企業が果たしてあるのでしょうか?

ドメインの名前解決(アドレスバーにURLを入力すると、サーバーがトラフィックを確認してリクエストに応答するかを把握するプロセス)については、スマートコントラクトの全デジタル記録が、ドメインエスクローサービスの必要性を排除することは想像に難くありません。台帳に公開されている決済の実際の行為が、ドメインの名前解決も更新するからです。しかし実際には、DAOやその他のスマートコントラクトの場合と同様に、盗難やセキュリティ問題のせいで価値の高いドメインの所有者が変わると、台帳を無効にする方法(例:裁判所の命令の結果として)が必要になります。政府や法律の支援を受けた銀行口座のように、実際の会社は、セキュリティ違反またはパスワード盗難により、第三者がbankofamerica.com、disney.com、sony.comを恒久的かつ不可避的に所有する可能性がある状況を好みません。ブロックチェーン技術を採用することで、盗難や偽装の可能性は高まります。これは、仮説的に聞こえるかもしれませんが、実際に多くの大手ビットコイン取引所がハッキングされています。これは、大手ドメイン名プロバイダーではめったに起きないことです。

そして何が残るのか?

未来の洗濯機は、自分の洗剤を自動で注文することができます

それぞれのことが些細に見えるかもしれません。そうです、誰もがオンラインで調べることができるID番号を持つ真正性証明書を備えたハンドバッグがあることを知っています。それぞれの場合において、その特定の使用事例を専門に扱う企業全体で数百万ドル、数千万ドルが費やされています。さらに難解な分野に進出することもできます。ブロックチェーン上のSecond Life、洗濯機が自分の洗剤をスマートコントラクトで補充できるようなブロックチェーン対応家電製品、監督の指示がブロックチェーンに記載されるスポーツリーグ(実際にあります!)などです。

最終的に、クレジットの不正取引で行われたステートメントを明確にするために運転免許証を使って身元を確認することから、新聞購読のためにクレジットカードに自動請求することまで、取引を取り巻く既存の人的システムとソフトウェアシステムの優位性は、取り消し不能な自動実行の意図するメリットと目に見えない費用を上回っています。ブロックチェーン信奉者は、多くの場合、AからBにお金を移したり、起こったことの記録を保持するのが難しいことのように行動します。実際には、資金を移動して取引を記録することは、はるかに複雑なシステムの中でも、安価で、簡単で、高度に自動化できる部類です。

『クレジットカードの利用者が、取引に異議を唱える能力を失うことと引き換えに、マイレージサービスもなくしてしまう意思があるかどうかについては、誰も調査などしたことはありません。』

このことは、最初に出てきた通貨投機と違法取引の話に私たちを引き戻し、教訓をもたらします。ビットコインの起業家や投資家、コンサルタントと話をしていると、現在の仕事がどのように行われているのか、あるいはエンドユーザーの価値は何かということに関する知識や関心が欠けていることが多いです。すべての資金がビットコインのレジを開発することに費やされてしまったため、クレジットカードの利用者が、取引に異議を唱える能力を失うことと引き換えに、マイレージサービスもなくしてしまう意思があるかどうかについては、誰も調査などしたことはありません。推測するに、彼らは、IPOが非常に高価である理由、またはベンチャーファンドの創設に関わる書類作成が非常に煩わしい理由は、弁護士や会計士が、紙を押して回っているだけで私腹を肥やしているからだと考えているのかもしれません……。業界経験のない20代のスマートエンジニアたちが、わずか数百万ドルのベンチャーキャピタルで、自動的に数か月で業務を遂行することができるのだと。

もちろん、そんなことできないに決まっていますよね。

俺とスマートコントラクトしないほうがいいぜ、兄弟!

Kai Stinchcombeは、高齢者向け銀行および投資サービスを提供しているTrue Link Financial社のCEO兼共同設立者です。彼は、空き時間にあれこれ空想して、シンギュラリティ後に、洗剤を配達するドローンがスマートコントラクトを自動実行しないことや、少数のビットコインと引き換えに、非構造化データのイライラするようなプールに落とされないことを望んでいます。



CREDIT:原著者の許諾のもと翻訳・掲載しています。

[原文]Ten years in, nobody has come up with a use for blockchain (Posted Dec 22, 2017) by Kai Stinchcombe
 


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