「VBAはやめとけ」という声がある理由
「VBAはやめとけ」という声がある理由として、以下が挙げられます。
それぞれ解説します。
Excel依存のスキルで汎用性が低い
VBAはExcelをはじめとするMicrosoft Office製品の操作を自動化するための言語であり、Web開発やアプリ開発といった分野には基本的に対応していません。PythonやJavaScriptのような汎用プログラミング言語と比較すると、活用できる場面が限られているのが実情です。
そのため、ITエンジニアとして幅広いキャリアを目指したい人には、スキルの広がりが感じられないケースもあります。
将来性を不安視する人がいる
VBAは1990年代から使われてきた言語であり、長年にわたって大きな機能追加やアップデートがほとんど行われていません。近年MicrosoftはPower AutomateやPower Appsなどのローコードツールを積極的に推進しており、業務自動化の主役が移行しつつあるとも言われています。
こうした背景から、VBAは将来的に使われなくなるのではないかと不安視する声が一部で上がっているのも事実です。
関連記事:VBAの将来性は?概要やマクロとの違い・仕事での活用法も解説
Pythonなどの代替手段が増えている
かつてはVBAが担っていたExcel操作やデータ処理の自動化を、今ではPythonでも実現できるようになっています。PythonはAI・機械学習・データ分析・Web開発と応用範囲が広く、一つのスキルで多様なキャリアパスにつながります。
将来性を重視してPythonを選ぶ人が増えているため、相対的にVBAの優先度が下がっていると感じる人が多くなっているのも事実です。
関連記事:VBAは難しい?苦手意識を克服する方法を紹介!
それでもVBAが現場で使われ続けている理由

それでもVBAが現場で使われ続けている理由として、以下が挙げられます。
一つずつ解説します。
Excelさえあればすぐに使える
VBAはExcelに標準搭載されているため、別途ソフトをインストールしたり開発環境を構築したりする必要がありません。セキュリティポリシーが厳しく、社員が外部ツールを自由に導入できない企業でも、Excelがあればすぐにマクロを動かせます。
この導入ゼロという手軽さが、現場での根強い支持につながっているのです。
Excel業務の自動化に強い
日本の多くの企業では、今もExcelを使った集計・帳票作成・データ管理が日常的に行われています。VBAを使えば、これらの定型業務を自動化し、これまで数時間かかっていた作業を数秒〜数分で完了させることも可能です。
業務フローに直接組み込めるため、現場レベルでの即効性が高く、導入しやすいという強みがあります。
非エンジニアでも習得しやすい
VBAはExcel操作の延長線上で学べるため、プログラミングの経験がない人でも比較的取り組みやすい言語です。マクロの記録機能を使えばコードの基本形を自動生成できるため、まず動くものを作りながら理解を深められます。
営業職や経理職など、IT部門以外のビジネス職でもVBAを習得している人が多い点が特徴です。
社内で重宝されることが多い
実際にVBAを使いこなせる人材は、思っているよりも社内に少ないケースがほとんどです。業務を自動化・効率化できる人材は評価されやすく、「あの人に頼めばExcelを何とかしてくれる」という存在になれることもあります。
社内ツールの作成を任されたり、部署の業務改善をリードする役割を担ったりと、IT部門以外でも活躍の場が生まれやすいスキルです。
VBAを覚えると年収は上がるのか
VBAを覚えることで、年収アップを実現できるのかについて、以下の観点で解説します。
それぞれ紹介します。
VBA単体で大きな年収アップは難しい
VBAを専門スキルとして求める高年収の求人は、市場全体から見ると多くありません。ITエンジニアの採用では、PythonやJavaといった汎用言語のスキルが優先されることが多く、VBAだけでは市場価値を高めにくいのが現状です。
転職や昇給を狙うのであれば、VBAをベースにしながら他のスキルと組み合わせる戦略を意識することが重要です。
業務改善スキルとして評価されることはある
一方で、VBAを活用して社内業務を効率化した実績は、職場での評価に直結しやすいという側面があります。「月30時間分の作業を自動化した」「ミスゼロの帳票システムを構築した」といった具体的な成果は、数字で示せるため上司や人事に伝わりやすいです。
社内DX推進の担い手として活躍することで、評価アップにつながる可能性は十分あります。
VBAとPythonはどっちを学ぶべきか
ここまでの内容から、VBAとPythonはどっちを学ぶべきか迷っている方は少なくないはずです。
そこで、以下の観点からどちらを学ぶべきか解説します。
それぞれ解説します。
Excel自動化だけならVBAでも十分
担当業務がExcelを中心とした集計・レポート作成・データ整理に限られているなら、VBAはおすすめの選択肢の一つです。ExcelとのネイティブなAPI連携はVBAが得意とするところであり、インストール不要で即戦力になれます。
社内での業務改善という明確な目的があるなら、VBAから始めることで早期に成果を出しやすいです。
汎用性や将来性を重視するならPython
エンジニアとしてのキャリアアップ、AI・データ分析といった成長分野への参入を視野に入れているなら、Pythonを選ぶほうが長期的なメリットがあります。Pythonは世界中で広く使われており、学習リソースも豊富です。
Excel操作もopenpyxlなどのライブラリで対応できるため、VBAの代替としても機能します。
VBAが向いている人
VBAが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
Excel業務を効率化したい人
毎日大量のデータ入力や集計作業に追われており、「この繰り返し作業を何とかしたい」と感じている方には、VBAが武器になります。定型業務の自動化によって作業時間を大幅に短縮でき、本来注力すべき業務に時間を使えるようになります。
今の仕事環境をすぐに改善したいという方に、VBAは即効性の高いスキルです。
プログラミング初心者
「プログラミングは難しそう」と感じている方でも、VBAはExcelという身近なツールを入り口にして学べるため、抵抗感が少ないのが特徴です。マクロの自動記録機能を活用すれば、コードを一から書かなくても動くプログラムを作れるため、学習の最初のハードルが低く設定されています。
初めてのプログラミング体験として取り組みやすい言語です。
社内DXや業務改善をしたい人
IT部門ではないけれど、部署の業務効率を上げたい・ツールを自作したいという方にもVBAは向いています。専門的なプログラミング知識がなくても業務に直結したツールを作れるため、現場主導のDX推進に役立ちます。
「自分の部署を変えたい」という意欲がある方にとって、VBAは手が届きやすい手段です。
関連記事:VBAの勉強方法は?おすすめの本やサイト、学習手順も紹介
まとめ
VBAに対して「やめとけ」という声があるのは、汎用性の低さや将来性への不安、Pythonなどの代替手段の台頭が主な理由です。しかし一方で、Excelさえあれば環境構築不要で使える手軽さや非エンジニアでも習得しやすい点から、現場では今もVBAが幅広く使われています。
また、VBAかPythonかの選択は、目的によって異なります。Excel業務の効率化が目標であればVBAで十分ですが、キャリアの幅を広げたい・AIやデータ分析に携わりたいのであればPythonが有利です。
そのため、「やめとけ」という意見を鵜呑みにせず、自分の仕事環境やキャリアの目標に合わせて判断することが大切です。まずは自分が何を自動化・効率化したいのかを明確にしたうえで、VBAの習得を検討してみてください。
※本記事は2026年3月時点の情報を基に執筆しております