- SE(システムエンジニア)に英語力が必要といわれる3つの理由
- SE(システムエンジニア)の仕事に役立つ英語力の基準
- 英語力が高いSE(システムエンジニア)になるメリット
- 英語力に自信がなくてもSE(システムエンジニア)として活躍する方法
- SE(システムエンジニア)の英語力に関するよくある質問
- まとめ
SE(システムエンジニア)に英語力が必要といわれる3つの理由
システムエンジニアに英語力は必要だといわれる主な理由は以下の3つです。
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理由1. 海外のデータや論文から情報収集するため
理由2. 選考基準に英語力が含まれる場合があるため
理由3. 社内公用語が英語の企業があるため
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
理由1. 海外のデータや論文から情報収集するため
システムエンジニアの業務では、英語を原文とした著書やインターネット上の情報を収集することがあります。IT業界では、新しい技術やツールが日々生まれており、その多くは英語で発信されています。
たとえば、海外発信のプログラミング言語のアップデート情報や、新しいフレームワークの使用方法などは、まず英語で公開されることが一般的です。日本語版が出るまでには数週間から数ヶ月かかることがあり、英語が読めないと最新の技術動向についていけない可能性があります。
また、GitHubなどの技術系プラットフォームでは、英語でのやり取りが多いです。エラーの解決方法を探す場合や、オープンソースプロジェクトに参加する場合には、英語での情報収集が必要になることも少なくありません。
このように、IT業界の情報収集には英語が必要である場合が多いことが、システムエンジニアには英語が必要といわれてる理由の1つです。
理由2. 選考基準に英語力が含まれる場合があるため
IT企業では、採用時の選考基準として英語力を重視している企業があります。特に、グローバル展開している企業や、海外クライアントと取引のある企業では、英語力は重要な採用要件となっています。
必須条件に英語力が指定されている求人例は、以下のとおりです。
(※2025年2月時点でレバテックキャリアに掲載中の求人から抜粋)
【職種】
組込・制御エンジニア
【業務内容】
組込みソフトウェア(車載ECU)開発の上流工程と管理が主な業務です。
TeamsなどでWebミーティングを駆使し、海外拠点と連携することも多い作業環境での業務となります。
(下流:コーディング以降の作業は基本的にありません。)
【必須条件】
・システム開発(特に上流工程)のご経験
・英語力(TOEIC 500点以上)
・C言語(読む可能性はありますが、コーディング作業はありません)
【歓迎要件】
・組込み開発経験(車載ECU、モデルベース開発経験)
・小規模から中規模程度のプロジェクトのリーダー/マネジメントのご経験をお持ちの方
・お客様と密に連携し製品開発に粘り強くご対応できる方
・お客様の求める製品開発を粘り強く本気で対応できる方
・自身のキャリアをより高めるために挑戦できる方
・海外の方々との作業に興味のある方
【業務内容】
・セキュリティインシデントの検知、対応、分析、および報告
・セキュリティ関連のイベントやアラートの監視
・フォレンジック調査および証拠の収集、解析
・セキュリティインシデントの根本原因分析および再発防止策の提案
・内部および外部のセキュリティ関連トレーニングおよび教育の実施
・セキュリティポリシーや手順の策定/更新
・他セキュリティチームや関連部門との連携
・最新のセキュリティ脅威およびトレンドに関する調査および適応
・幅広い脅威情報や脆弱性情報を分析し、関係各所に展開・対応を行うインテリジェンス業務
・セキュリティオペレーション センター(SOC)におけるセキュリティ監視の企画/運用業
・セキュリティに関する各種ツール(防御、検知、分析など)の企画、導入、運用業務
【必須条件】
・情報セキュリティ分野での実務のご経験(3年程度)
・脆弱性評価およびペネトレーションテストのご経験
・ネットワーク、システム、アプリケーションセキュリティに関する知見のある方
・セキュリティインシデント対応のご経験、およびフォレンジックスキルのある方
・セキュリティ関連する資格(CISSP、CISM、GIAC、情報処理安全確保支援士など)をお持ちの方
・英語を利用した業務経験のある方(TOEIC700点程度を想定)
このように、職種や企業によっては、選考基準に具体的なTOEICのスコアや英語の実務経験が設定されています。そのため、システムエンジニアには英語力が必要といわれています。
関連記事:
ITエンジニアに英語力は必要?習得するメリットや勉強法を解説
組み込みエンジニアが英語を使えることで得られるメリット
理由3. 社内公用語が英語の企業があるため
グローバル化に伴い、社内公用語として英語を採用する企業が出てきています。このような企業では、日常的な業務コミュニケーションから会議まで、すべて英語で行われることがあります。
社内公用語が英語に設定されている企業の例は以下のとおりです。
社内公用語が英語の企業 | 説明 |
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楽天グループ株式会社 | 2010年に社内公用語の英語化を宣言、2012年から本格導入。 オフィシャルな会議や資料作成は英語で実施。 |
HENNGE株式会社 | 2013年に社内公用語の英語化を宣言、2016年から施行。 外国籍社員がいる会議や社内チャットは英語で実施。 社内の英語学習支援制度や英語手当あり。 |
株式会社マネーフォワード | 一部部署で英語を公用語として採用。 2024年度中を目途にエンジニア組織の 完全英語化に向けて取り組み中。 |
※最新の情報については、直接ご確認ください
このような企業では、細かな使用範囲は企業により異なりますが、仕事上のコミュニケーションでは英語が必須です。
社内公用語を英語に設定している企業やIT部門があることも、システムエンジニアに英語が必要とされる理由の1つといえます。
SE(システムエンジニア)の仕事に役立つ英語力の基準
システムエンジニアに仕事に役立てられる英語力の目安は、職種やキャリアにより異なりますが、TOEIC700点が一般的だといわれています。TOEIC700点は、グローバル企業で必要な英語力の基準であり、ビジネスにおける日常的なコミュニケーションがある程度可能なレベルを示しています。
翻訳ツールを使用しながら技術文書の読解やメールのやりとりを行うのであれば、TOEIC500点程度の英語力で対応可能な場合が多いです。しかし、以下のようなキャリアを目指す場合は、TOEIC700点レベルの英語力を身につけることがおすすめです。
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・社内公用語が英語の企業での就職を考えている
・海外のエンジニアと直接コミュニケーションを取りたい
・将来的に外資系企業や海外企業での就職を検討している
・グローバルなプロジェクトでリーダーシップを発揮したい
このレベルの英語力があれば、海外の技術カンファレンスへの参加や、英語での技術プレゼンテーションにも対応しやすくなります。そのため、TOEIC700点は、英語力を活かして活躍するITエンジニアに必要な基準の1つといえます。
英語力が高いSE(システムエンジニア)になるメリット
システムエンジニアが英語力を身につけると、以下のようなさまざまなメリットがあります。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
海外のエンジニアと一緒に仕事ができる
システムエンジニアが高い英語力を身につけることで、海外のエンジニアと一緒に仕事をしやすくなります。グローバルなIT企業では、海外の企業と協働して開発プロジェクトを進めています。このような環境では、英語でのコミュニケーションが必須の場合も少なくありません。
翻訳ツールは進化していますが、即時的なコミュニケーションには英語力が必要だからです。たとえば、打ち合わせやチームレビューでは、リアルタイムでの意見交換が重要です。また、細かいニュアンスの伝達が求められます。
英語でのコミュニケーション能力があれば、海外のチームメンバーと円滑に協働でき、プロジェクトの成功に貢献できます。
関連記事:ブリッジSEに必要な英語力は?求められるスキルも解説
社内の英語話者とコミュニケーションをとりやすい
社内の英語話者との日常的なコミュニケーションがスムーズになることが、システムエンジニアが英語力を身につけるメリットの1つです。これは、チーム内の連携強化につながります。
たとえば、英語ができれば、カジュアルな雑談や社内イベントで英語話者と容易にコミュニケーションをとることが可能です。自然な会話ができると、信頼関係を築きやすくなり、チーム内に良好な雰囲気が生まれます。
このように、社内の英語話者とコミュニケーションをとりやすくなり、チーム内の人間関係を良好にできることも、システムエンジニアが英語を身につけるメリットの1つです。
海外の企業で働ける
英語ができるシステムエンジニアは、海外の企業で働くチャンスをつかみやすいです。リモートワークの普及により、日本に住みながら海外企業で働くことが容易になりました。
英語力があれば、世界中の企業の求人に応募できるため、より良い待遇や興味深いプロジェクトに携わるチャンスが広がります。
そのため、グローバルに活躍したいシステムエンジニアは、英語力を磨くとメリットを感じやすいです。
転職時に選べる企業の幅が広がる
英語ができるシステムエンジニアは、キャリアの選択肢が豊富です。英語を活かせる職種や企業が多いため、転職市場での競争力も高まります。
たとえば、高い英語力が必要な職種だけでなく、グローバル企業や海外拠点に常駐するITエンジニアにまで活躍のチャンスが増えます。
このように、職種やキャリアの選択肢が大きく広がることも、システムエンジニアが英語を身につけるメリットの1つです。
英語力に自信がなくてもSE(システムエンジニア)として活躍する方法
英語力に自信がなくても、システムエンジニアとして十分に活躍できる方法があります。ここでは、以下の2つの方法を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
英語の活用場面が少ない職場を選ぶ
日本語だけで十分に活躍できる職場を選ぶことは、英語力に自信のないシステムエンジニアが活躍するための現実的な選択肢です。IT業界全体では英語の必要性が高まっているものの、実際には日本語のみで業務が完結する職場も数多く存在します。
たとえば、国内向けの業務システムを担当するSEは、日本語だけでも十分に業務をこなせる傾向があります。
このような職場では、英語力に自信がなくても業務で活躍しやすいです。そのため、英語力に自信がない場合は、英語の活用場面が少ない企業や職種を選ぶことが重要です。
レバテックキャリアに相談する
英語力に不安がある方や日本語環境で実力を発揮したい方は、レバテックキャリアにご相談ください。レバテックキャリアは、IT業界に特化した転職エージェントです。年間累計7,000回以上、企業に足を運んでヒアリングを実施しているため、企業の文化や実際の業務環境について詳しい情報を持っています。英語の活用機会が少ない現場の情報も所有しているので、英語力に自信がない方は、お気軽にご相談ください。
SE(システムエンジニア)の英語力に関するよくある質問
システムエンジニアの英語力について、求職者からよく寄せられる質問に回答します。
それぞれ詳しく回答していきます。
Q1. SEは英語を喋れると年収は上がりますか?
システムエンジニアが英語力を身につけると、年収アップにつながる可能性があります。たとえば、TOEICスコアに応じて手当を支給する企業や、海外プロジェクトへの参画時に報酬が発生する制度を設けている企業が存在します。ただし、これは企業によって異なるため、応募前に待遇について確認することがおすすめです。
Q2. SEで英語必須の求人はありますか?
IT業界では英語力を必須とする求人が存在します。英語を必須とする主な職種には、ブリッジSEやローカライズエンジニアなどがあります。このような職種では、「TOEIC800点以上」や「英語での実務経験2年以上」など、具体的な英語力の要件が設定されていることも少なくありません。
まとめ
この記事では、システムエンジニアに求められる英語力について詳しく解説しました。英語力が必要とされる理由として、海外のデータや論文からの情報収集、採用時の選考基準、社内公用語としての活用などがあることを説明しました。
英語力の基準としては、TOEIC700点が一般的な目安となっています。また、英語力が高いシステムエンジニアになることで、海外のエンジニアとの協働、グローバルな環境での活躍、転職時の選択肢の拡大といったメリットが得られます。
一方で、英語に自信がない場合でも、日本語中心の職場を選択することで、十分にシステムエンジニアとして活躍できることも紹介しました。
システムエンジニアの世界では、技術力と英語力の両方を磨くことで、さらなるキャリアの可能性が広がります。まずは自身のキャリアプランに合わせて、できることから始めていくことをおすすめします。
※本記事は2025年2月時点の情報を基に執筆しております