- SESからSIerへの転職には上流工程に関する理解が重要
- SESからSIerへの転職理由
- SESとSIerの担当業務の違い
- SESからSIerへ転職する際におすすめの資格やスキル
- SESからSIerに転職するメリットと注意点
- SESからSIerへの転職活動のポイント
- まとめ
SESからSIerへの転職は上流工程に関する理解が重要
SESからSIerに転職するためには、上流工程に関する理解が重要です。SIerの業務は主に上流工程を担当するためです。
SESでは、上流工程に携われるプロジェクトもありますが基本的にはプロジェクト全体に携わることはなく、開発やテストなどの一部の工程を担当することが多いです。そのため、SESからSIerへ転職したい場合はプロジェクト全体の工程を理解しておく必要があります。ただし、SIerの種類も多いため事前に理解しておく必要があります。
また、SESからSIerへ転職したいと考えている人の多くの転職理由は下記の4つです。
-
・環境や待遇を改善したい
・上流工程に携わりたい
・キャリアアップを図りたい
・顧客折衝の仕事に携わりたい
いずれの理由も、上流工程や顧客折衝に携わり、作業担当者から環境を改善してキャリアアップしたいという点が共通しており、SIerに転職することで解決できる可能性があります。
例えば、最初は設計や要件定義を担当し、少しずつ上流工程での経験を積むことで、最終的にプロジェクトマネージャーやリーダーとしての役割を担うといったキャリアパスが考えられます。また、上流工程を理解することで、クライアントとの信頼関係を築きやすく、仕事の幅も広がるでしょう。
したがってSESからSIerへの転職を目指す際は、双方の違いを理解しつつ、上流工程に関する理解を深めることが不可欠です。これは転職後のキャリア形成やスキル向上に大きく寄与します。
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SESからSIerへの転職理由
SESからSIerに転職する理由の多くは、「上流工程に携わりたい」「キャリアアップを図りたい」などです。
SESでは経験できない業務に携わることで、さらに仕事の幅を広げられると考える人が多いようです。
具体的な理由としては、以下が挙げられています。
-
・環境や待遇を改善したい
・上流工程に携わりたい
・キャリアアップを図りたい
・顧客折衝の仕事に携わりたい
SESは下流工程が中心であるため上流工程のスキルアップは図りにくいのですが、SIerであれば要件定義や設計を中心とした業務になるため、さらなるキャリアアップを図れます。
このようにSESからSIerへ転職して仕事の幅を広げることで、キャリアパスを描きやすくなるのです。
SESとSIerの担当業務の違い
システム開発時の担当業務について、SESとSIerの役割を比較すると以下の違いがあります。
主な違いはSIerが上流工程を中心とした業務であるのに対して、SESは指示に基づき作業する点です。
SES | SIer | |
---|---|---|
要件定義 | 指示を受けて作業実施 | 作業指示 |
基本設計 | 作業指示および作業実施 | 作業指示および作業実施 |
詳細設計 | 作業指示および作業実施 | 作業指示および作業実施 |
開発 | 指示を受けて作業実施 | 作業指示および作業実施 |
テスト | 指示を受けて作業実施 | 作業指示 |
関連記事:SIとは?事業や仕事内容。工程ごとの業務をわかりやすく解説
SESからSIerへ転職する際におすすめの資格やスキル
ここでは、SESからSIerへ転職する際におすすめの資格やスキルをご紹介します。
ここまで解説してきたとおり、SESからSIerへ転職するためには技術力を証明する資格の取得と上流工程のスキルが鍵となります。
SIerへの転職におすすめの資格
SIerへの転職には、資格の取得がおすすめです。SIerは特別な資格が求められているわけではないため、資格がないからといって転職ができないということはありません。しかし、資格は一定のスキルがあることを証明できるため、転職時には有利に働きます。また、自身のスキルがSIerに転職できるくらい身についているかの確認もできます。
取得する資格は、プロジェクトマネジメントやアーキテクチャに関する知識を証明できる資格がいいでしょう。なぜならSIerは主に上流工程を担当するためです。SIerへの転職におすすめの資格は下記の通りです。
概要 | 資格を必要とする業務 | |
---|---|---|
PMP (Project Management Professional) |
プロジェクトマネジメント に関する知識全般 (マークシート形式) |
プロジェクト推進 進捗管理 リソース管理 課題管理 |
プロジェクトマネージャ試験(PM) | プロジェクトマネジメント に関する知識全般(マークシートに 加えて記述式、論述式) |
プロジェクト推進 進捗管理 リソース管理 課題管理 |
システムアーキテクト試験(SA) | ビジネス要件にもとづいた分析と ITアーキテクチャの実装方式に関する知識 |
現状分析と要件定義 要件定義に基づく システム化 計画立案 |
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SIerへの転職に必要なスキル
SIerへの転職には、SESと異なるスキルが求められます。SIerでは上流工程を担当することが多いため、マネジメントスキル、コミュニケーションスキル、設計、構築スキルを磨くことが重要です。
また、顧客の要望を形にするスキルも求められます。顧客の要望や抱えている課題を把握した上で解決策を提案する力や、要望を形にする課題解決力が必要です。
概要 | スキルを必要とする業務 | |
---|---|---|
マネジメントスキル | プロジェクトの全体管理 やチームリード |
・作業の進捗管理 ・メンバーのリソース管理 ・成果物に対するレビュー |
コミュニケーションスキル | 顧客との折衝 (提案、調整、説明) |
・顧客への提案 ・要件定義の協議 ・予算折衝の協議 |
設計スキル | システム設計 (要件定義、基本設計、 詳細設計) |
・要件定義ヒアリングと 要件定義書作成 ・基本設計書作成 |
これらのスキルは、上流工程では必須です。特にマネジメントスキル、設計スキルはSIerが担当する業務の中心になるため、システム開発全般で活かせます。
SESからSIerに転職するメリットと注意点
SESからSIerに転職するメリットと注意点として、主に以下の点が挙げられます。
-
・労働環境が改善される
・給与が上がる
・上流工程に携われためキャリアパスを描きやすくなる
・SESとSIerでは求められるスキルに違いがある
・経験年数だけではなくスキルや技術力が重視される
これらのメリットはSIerの仕事の「難しさ」があるからこそとも言えます。より多くのスキルや技術力を持ったエンジニアは、より大きいメリットを享受できます。ここではそれらのメリットや注意点などを詳しく解説します。
SIerに転職するメリット
SESと比べ、労働環境の改善、給与アップといった待遇面でのメリットのほか、上流工程の経験やキャリアパスを描きやすいといった業務に関係するメリットが挙げられます。
理由 | |
---|---|
労働環境が 改善される |
自身の裁量権が広がり、計画的に仕事を進められる ことが多くなる。結果として、ワークライフバランスを 整えやすくなる |
給与が上がる | SIerはSESと比べ給料が多い。SIerはクライアントから プライム案件を直接受注することもあるため、給与が 比較的多くなる傾向にある |
上流工程に 携われる |
企画、設計といったポジションに携われる。 課題発見能力や論理的思考力が磨かれ、 業務視野が広がる |
キャリパスを 描きやすい |
管理業務に携わることでスキルアップやキャリアパスの 拡大につながる。これによって転職市場における価値が高まり、 高収入な業務や良好な労働環境といったポジションを得やすくなる |
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SIerに転職する際の注意点
SESからSIerに転職する際には、役割や求められるスキルが異なる点に注意しましょう。
例えば、SESでは下流工程が中心である一方、SIerではマネジメントや設計といった上流工程のスキルが求められます。役割や求められるスキルが異なるため、IT業界での経験年数よりも、これまでに何をしてきたのか、どのようなスキルを持っているのかといった職務経歴や資格を重視する傾向があります。
ポイント | |
---|---|
SESとSIerの役割の 違いを認識する |
SESとSIerには、作業担当者と作業指示者という役割の 違いがある。そのため、可能な範囲で顧客との要件定義や ヒアリングに参加し実践的な経験を積む |
SES とSIerでは 求められるスキルが異なることを認識する |
SIerに転職するためには、マネジメント、コミュニケーション スキル、クライアントのビジネス要件を理解しシステムに 落とし込む能力などを磨く必要がある |
経験年数だけを 武器にSIerに転職しない |
IT業界の経験年数が多いだけでは、SIerの仕事は務まらない。 客観的にスキルを証明するための指標として、資格取得を 検討することが重要 |
SESからSIerへの転職活動のポイント
SESからSIerへの転職を考えている場合、自己PR作成や面接対策などの転職活動のポイントを踏まえておくことが重要です。SIerに転職する際には、SIerとして必要なスキルや資格がある点をアピールする必要があるためです。
例えば、以下のポイントを重視して転職活動をするとよいでしょう。
SIer入社のための自己PR作成
SIer入社のための自己PR作成のポイントは以下のとおりです。
-
・SESで業務を担当してきた中でSIerに必要なマネジメントスキルや設計スキル、プロジェクトマネージャ試験などの資格、上流工程の経験を身につけてきた点をアピールする
・強みを述べるだけでなく具体的なエピソードで裏付ける
・自己改善や成長に対する姿勢を示す
こうした点をアピールすることで、採用担当者に「SESで働いてきた経験を活かして、SIerとしても活躍できる」と印象付けられるでしょう。
SIer転職の面接対策
SIer転職の面接では、以下の点を意識するとよいでしょう。
-
・SESで経験してきたことをSIerでも活かせる点を強調する
・SESとSIerの業務・役割の違いを理解していることをアピールする
・これまでの経歴・スキルで不足している点をキャッチアップする意欲を示す
こうした点を意識して質疑応答を行うことで、SESで作業を担当してきただけではなく、高い意識を持って業務を行ってきたことをアピールできます。
転職エージェントの活用方法
SESからSIerに転職する際には、転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントはSIerの雰囲気や社風、求めるスキルなど数多くのノウハウを熟知しているためです。特にIT業界に精通しているレバテックキャリアを活用すれば、こうした点を明確にできるため、SESからSIerへの転職が成功する確率が高まります。
まとめ
SESからSIerへ転職する場合、以下の2点が重要です。
-
・SIer特有の役割とスキルを理解し、資格やスキルを事前に準備する
・転職後のキャリアパスを描き、必要なスキルや経験を段階的に積み上げていく
SIerでは顧客折衝が主な役割となるため、SESで培った実務経験をもとに、設計力やマネジメントスキル、コミュニケーション力を磨いたり、資格取得に励んだりすることが重要です。
また、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど、より広いキャリアの可能性が開けるため、SIerへ転職した後の目標を明確にして、SESで着実にスキルや経験を積んでいきましょう。
その上で、転職エージェントを利用して自分に合った転職先を見つけることが重要です。レバテックキャリアはSESで経験した業務やスキルをもとに、最適なSIerへの転職を全力でサポートします。ぜひレバテックキャリアを活用してみてください。