- SESエンジニアはスキル不足で退場させられる?
- SESエンジニアが客先・派遣先から退場させられる4つの理由
- SESエンジニアとして退場させられないための5つの対策
- SES業界をスキル不足で辞めたい場合の対処法
- まとめ
SESエンジニアはスキル不足で退場させられる?
SESエンジニアはスキル不足を理由に退場させられるのか? について解説する前に、「退場」の定義について整理しましょう。退場させられるとは、次のようなことを意味します。
「退場させられる」の 本当の意味 |
・客先・派遣先を辞めさせられる ・客先・派遣先を交代させられる |
「退場させられる」の 間違った意味 |
・SES企業から契約を切られる (会社をクビになる) |
SESエンジニアは派遣先の期待に応えられない場合でも、SES企業から契約を切られる(会社をクビになる)ことはほぼありません。ただし、派遣先を辞めさせられる、つまり派遣先から退場となる可能性はあります。SES企業にもよりますが、派遣したエンジニアの働きぶりが良くない場合に、代替のエンジニアをすぐに紹介できるように準備している場合もあります。
退場まではいかなくとも、派遣先で簡単な仕事しか任せてもらえなくなる場合や、スキルアップが難しくなったり、業務のやりがいを感じられなくなってしまったりする場合もあります。
また、倒産などの理由でSES企業を辞めることになった場合、スキルが低いと次の就職先を探すのが困難になることも考えられます。SESエンジニアにはこのようなリスクがあることを肝に命じ、日々スキルアップなどに励む必要があるのです。
関連記事:SESの客先常駐はどんな仕事?メリット・デメリットやSIerとの違い
SESエンジニアが客先・派遣先から退場させられる4つの理由
続いて、SESエンジニアが客先・派遣先から退場させられる理由を解説します。理由を知ることで、「退場させられないためには何をすれば良いのか」「客先・派遣先はSESエンジニアに何を求めているのか」が見えてきます。
派遣先成果が出せていない
スキル・経験が不足している、仕事内容が合わないなどの理由で、派遣先が期待するほどの成果を出せない場合、退場させられてしまう可能性があります。
SESは準委任契約であり、成果物ではなく働く時間に対して報酬を支払うことになります。そのため、期待通りの成果物が作成できなかった場合、派遣先の企業側が損をしてしまいます。例えば、「PHPのスペシャリストでWebアプリ開発が得意」だと聞いていたのに、実際はPHPの経験が浅く、Webアプリ開発の最初の段階で躓いている、などの場合は退場させられてしまう恐れがあります。
マニュアルの理解や業務スピードが遅い
業務スピードが遅い場合も、退場させられてしまうことがあります。1人の業務スピードが遅いと、そこでプロジェクトが止まってしまい、他の人が円滑に作業をこなせなくなるためです。
特にSESエンジニアの場合、派遣先によってマニュアルの内容や業務手順が異なるため、各派遣先に合わせて柔軟に仕事のやり方を変えていく必要があります。柔軟性に欠けていると、エンジニアとしての能力が高くても評価が下がり、退場させられてしまう可能性があります。
派遣先の環境になじめない
派遣先の環境になじめないのも、退場させられてしまう原因になります。SESエンジニアは派遣先が変わるたびに新しい人間関係を構築する必要があります。人間関係を構築するのが苦手で派遣先の環境になじむのに時間がかかる場合、他の人との連携が上手くいかなくなってしまうでしょう。
例えば、仕事でトラブルが発生した際に他のエンジニアに助けてもらえず、一人で解決しないといけなくなり、その結果解決に時間がかかって評価を下げてしまう、といったことがあります。
また、派遣先の環境になじめないとストレスが溜まるため、エンジニアとしてのパフォーマンスも下がってしまい、その結果評価を下げてしまう可能性もあります。
勤務態度に問題があると判断された
勤務態度に問題があると判断され、派遣先を退場させられてしまう場合もあります。社会人としての基礎が身についていない人は、エンジニアとしての能力も低いと考えられるためです。
例えば、遅刻・欠勤が多いという方は注意が必要です。勤務態度に関しては一度注意された段階で、問題がないように改善することが重要です。
SESエンジニアとして退場させられないための5つの対策
続いて、SESエンジニアとして退場させられないための具体的な対策について解説します。これらの取り組みを積極的に実施することは、エンジニアとしての評価を高められるという意義もあります。
取り組み | 概要 |
---|---|
自己学習を行う | ・オンラインの学習サイトやセミナーを活用する (Progate、paizaラーニングなど) ・一人で成果物を作成する ・副業を通じてスキルを磨く |
コミュニケーション能力 を身につける |
・配属先で良好な人間関係を築く ・コミュニケーションセミナーを活用する |
新しい業務にも積極的に 取り組む |
・現状のスキルレベルを把握する ・自分のレベルよりも少し難しい仕事に取り組む |
先輩や同僚に対処法を 聞いてみる |
・SESエンジニアの先輩に質問してみる ・エンジニアコミュニティ(Qiita、teratailなど) で悩みを相談する |
チーム内での自分の役割に ついて提案する |
・自分のスキルを洗い出し、どのような業務なら よりよい成果を出せるかを提案してみる |
自己学習を行う
まず、自己学習を行うことが必要です。プログラミングやサーバー・ネットワークなどエンジニアに求められる基礎スキルを身につけることで、派遣先の業務をスムーズにこなせるようになります。例えば、Progate、paizaラーニングなどのオンラインの学習サイトやセミナーを活用するのがおすすめです。
また、WebサイトやWebアプリなどを自分一人で作成することで、実践的なスキルを身につけることができ、業務でつまずいた際も素早く解決方法を導き出せるようになります。更に、クラウドソーシングなどで副業を行うことで、本業では得られないスキルを身につけられるでしょう。
コミュニケーション能力を身につける
SESエンジニアにはコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力があれば、新しい派遣先でもいち早く人間関係を構築できます。慣れない配属先でも積極的に周囲の人と話し、積極的にコミュニケーション能力を取ることが重要です。
コミュニケーションが苦手な方は外部セミナーを活用し、コミュニケーションのコツや報告・連絡・相談などの基礎を身につけることをおすすめします。
新しい業務にも積極的に取り組む
新しい業務に積極的に取り組む姿勢も大切です。難しい仕事で成果を出せれば、よりレベルの高い仕事を回してもらえるようになり、さらなるスキルアップが見込めます。
まずは自己学習や副業などを通じて自分のスキルを把握し、どのレベルの仕事ならこなせるのかを検討します。その上で現状の自分のレベルよりも少し難しい仕事に取り組むことで、スキルを高めていきましょう。
先輩や同僚に対処法を聞いてみる
SESエンジニアの先輩や上司、友人などに対処法について質問してみるのもおすすめです。
他の人に質問することで、問題解決のヒントを得られます。例えば「派遣先についていけないと感じたとき、先輩はどのように乗り越えましたか? 」と聞いてみると良いでしょう。
また、Qiita、teratailなどのエンジニアコミュニティに加入すれば、同じSESエンジニアとして働いている仲間を作ることができ、仕事のこなし方やスキルアップ方法について相談できます。
チーム内での自分の役割について提案する
自分のスキルを洗い出し、どのような業務ならより成果を出せるのか、派遣先のプロジェクトマネージャーなどに提案してみるという手もあります。例えば、過去にMySQLなどのデータベース管理システムを使ったデータベース開発を行った経験があるなら、データベースに関連する業務を回してもらえないか聞いてみる、などです。
ただし、こちらから提案したからには、派遣先に貢献できるような成果をしっかり出す必要がある点には注意が必要です。
SES業界をスキル不足で辞めたい場合の対処法
スキル不足が原因で、SES業界を辞めたいという方もいるのではないでしょうか。そこで、SES業界をスキル不足で辞めたい場合の対処法について解説します。
関連記事:SESを辞めたい時の対処法と転職するタイミング!1ヶ月前で辞められる?
スキル不足の原因を分析する
まずはスキル不足と感じる原因を分析します。原因を明確にすることで、何を重点的に補強すべきかがわかります。例えば、分析によって次のような問題が見えてくるでしょう。
-
・最新技術に関する知識不足
・プロジェクトの複雑さに対する経験不足
・業務で必要とされるコミュニケーション能力の欠如
・自分のスキルセットと案件内容のミスマッチ
問題が見えたら、オンラインの学習サイトやセミナーを活用してスキルアップに励むなど、対策方法を検討して、実際に取り組みます。
派遣先や自己学習でスキルを高める
転職したいと感じたら、派遣先や自己学習でスキルを高めましょう。あらかじめスキルを高めておき、転職したいと思ったタイミングで動けるようにすることが重要です。
具体的には、資格取得や新しい業務に積極的に取り組むことで、スキルの幅を広げていきます。
キャリアプランを練り直す
キャリアプランの練り直しも必要です。5年後、10年後にどんな仕事をするか決めることで、その仕事につくために必要なスキルを考えられます。
例えば、「5年後にはプロジェクトリーダー、10年後にはプロジェクトマネージャーまで昇格したい」場合、セミナーや自己学習などを通じてマネジメントスキルを磨いておく必要があることがわかります。
また、キャリアプランに関する質問は中途採用の面接でも多いです。キャリアプランがしっかり固まっている候補者は、将来のことまで見据えた上で転職活動していると評価されます。
自分のスキル・成果を洗い出す
スキル・成果を洗い出すことで、本当に転職は可能なのか、転職によって給料がどの程度までアップするか、などを考えることができます。
また中途採用の場合、前職のスキル・成果は合否を決める大きなポイントになります。前職で大きな成果を出せた候補者ほど、面接で有利になり、給料アップもしやすくなります。アピールできるスキル・成果が少ない場合は、今の派遣先で大きいプロジェクトに積極的に参加するなどして、今からでも成果を作る必要があります。
転職を検討する
SES業界を辞めたいと感じるなら、スキルを身につけた上で転職を検討するのも選択肢の1つです。SESからの転職先の例は下記のとおりです。
-
・社内SE:客先常駐がない、仕事量が比較的安定している
・SIer:上流工程から携われる
・フリーランス:自分の得意分野を活かし、柔軟な働き方が可能
転職活動を始めるなら、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントでは、自分のスキルレベルに合った企業を紹介してもらえます。レバテックキャリアはIT業界に特化しており、各企業の現状を把握した担当者が求人紹介を行うため、転職成功率を高められます。
関連記事:【例文あり】SES企業への転職での志望動機の書き方は?ポイントを解説
まとめ
SESエンジニアは、スキル不足が原因でSES企業から契約を切られることはありませんが、派遣先から退場させられてしまう可能性はあります。退場させられないためには、自己学習を行ったり、コミュニケーション能力を高めたりといった自己鍛錬を行うことが重要です。
SES業界を辞めたいと感じる場合も、すぐに辞めるのではなく、まずは派遣先でスキルを高めて成果を出す必要があります。またキャリアプランを考え直し、5年後、10年後にどういった仕事をしたいかを決めることも重要です。
転職を検討する際は、レバテックキャリアの活用がおすすめです。レバテックキャリアなら、自分のスキルに合った求人をIT業界を熟知したプロが紹介してくれます。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて