SESエンジニアが現場を変えたいと感じる4つの理由
SESエンジニアが現場を変えたいと感じる理由には、主に以下の4つが挙げられます。
これらの理由について、詳しく解説していきます。
スキルのミスマッチ
現場を変えたいと感じる1つ目の理由は、スキルのミスマッチです。自身の保有スキルと案件で求められるスキルのあいだにギャップがある場合、業務を円滑に進めることが難しくなります。
たとえば、未経験なのに難易度の高い技術判断が伴う作業を一人で担当するケースや、これまで小規模なプロジェクトしか経験していないのにいきなり大規模プロジェクトのリーダーを任されるようなケースです。
このようなミスマッチは、日々の業務でのストレスや不安を引き起こし、結果として現場を変えたいという気持ちにつながります。
常駐先の人間関係や環境が合わない
2つ目の理由は、常駐先での人間関係や環境が合わないことです。職場での良好な人間関係や環境は、仕事のパフォーマンスや心理的な安定に影響を与える重要な要素です。
人間関係や環境が合っていない具体的な例としては、以下のような状況が該当します。
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・常駐先の社員とのコミュニケーションが円滑でない
・チーム内での情報共有が不足している
・慢性的な長時間残業や休憩時間の取りづらさがある
これらの問題は、単なる一時的な不快感だけでなく、長期的なメンタルヘルスにも影響を及ぼす可能性があります。特にSESエンジニアは、常駐先の文化や慣習に適応しながら業務を進める必要があるため、環境との不適合をストレスに感じる場合も多いです。
そのため、常駐先の人間関係や環境が合わないことも、SESエンジニアが現場を変えたいと感じる理由の1つといえます。
技術的・キャリア的な不満がある
3つ目の理由は、技術的およびキャリア的な不満です。IT業界では技術の進歩が速く、常に新しいスキルの習得が求められます。しかし、現場での業務内容が単調で成長機会が限られている場合、キャリアの停滞を感じることがあります。
技術的・キャリア的な不満につながる代表的なケースは以下の4つです。
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・下流工程の単純な作業が中心で新しい技術に触れる機会がない
・マニュアルに沿った同じような作業の繰り返しで、スキルアップの実感が得られない
・将来的なキャリアパスが見えない
・興味のある技術分野と異なる案件に配属されている
このような状況が続くと、エンジニアとしての市場価値の低下や将来的なキャリアへの不安を感じ、より成長機会の多い現場への異動を考えるようになる場合もあります。
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少人数での客先常駐がつらい
4つ目の理由は、少人数での客先常駐による孤立感です。SESエンジニアの多くは、1人または少人数で客先に常駐することが多く、以下のような問題に直面することがあります。
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・自社の同僚との交流機会が限られる
・技術的な相談相手が身近にいない
・所属企業への帰属意識が薄れていく
これらの問題は、職場での孤独感や疎外感を生み出すため、結果としてモチベーションの低下につながることが少なくありません。特に、経験の浅いエンジニアにとって、技術的なサポートを受けにくい環境は大きな不安要素となります。
そのため、客先への少人数での常駐のつらさが、SESエンジニアが現場を変えたいと感じる原因になりえます。
SESの現場を変える方法・手順
SESの現場を変えるためには、以下の手順で対応を進めることが重要です。
それぞれの手順について、具体的な進め方を解説していきます。
1. 上司に相談する
現場を変えたいと感じたら、まずは自社の上司に相談することがおすすめです。上司は案件の状況や会社の体制を把握しているため、適切なアドバイスや対応策を提示してくれます。
相談する際のポイントは、以下のとおりです。
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・現状の課題や不安を具体的に説明する
・感情的にならず、客観的な事実を伝える
・自身の希望する条件や方向性もあわせて伝える
・対面での相談が難しい場合は、メールでの相談も検討する
相談時は、「このような案件で経験を積みたい」「このようなスキルを伸ばしていきたい」といった建設的な提案を含めることで、上司も前向きに検討しやすくなります。また、帰社のタイミングがなく対面での相談が難しい場合は、要点をまとめてメールで相談すると良いです。
SESの現場を変えたいと感じたら、まずは上司に相談し、現場の変更について検討してもらいましょう。
2. 更新のタイミングで抜けられるように話をする
上司へ相談しても、すぐに現場を変更することが難しいと言われた場合は、契約更新のタイミングでの異動を希望すると良いでしょう。SES契約は、契約期間が明示されていることが一般的であり、更新のタイミングは予想できます。そのため、更新のタイミングでの現場変更は、現場やクライアントの負担を最小限に抑えられ、調整がしやすいです。
たとえば、SES案件は3ヶ月や6ヶ月単位での契約更新があることが多いので、このタイミングが現場を変える好機となります。
早急に現場を変えることが難しい場合は、次の契約更新のタイミングで現場を変えられるよう、上司に相談しましょう。
3. 業務の引継ぎを行う
現場変更が決まったら、次の担当者への引継ぎを丁寧に行うことが必要です。適切な引継ぎは、プロジェクトの継続性を保ち、自身の評価にも影響する重要なプロセスです。
適切な引継ぎのためには、以下の点に注意を払いましょう。
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・進行中の案件の状況説明
・担当している業務の詳細な手順やマニュアルの説明
・システムやツールの利用方法の説明
・顧客との連絡方法や報告ルールの共有など
引継ぎ期間中は、後任者からの質問にも丁寧に対応し、スムーズな業務移管を心がけましょう。
4. 転職先を探す
現状の改善が見込めず、会社内での案件変更も難しい場合は、転職も視野に入れましょう。とはいえ、自力で転職活動を進めるのは難しい上に、時間がかかります。そのため、上記の対応と並行して、転職エージェントを活用した転職活動を進めるのがおすすめです。
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関連記事:SESを辞めたい時の対処法と転職するタイミング!1ヶ月前で辞められる?
SESの現場を変えるときに考えるべき3つのポイント
SESの現場を変えるには、現在のSES企業に所属したまま、別のプロジェクトに変わる方法と別のSES企業に転職する方法があります。
この選択を適切に行うために、以下の3つの重要なポイントについて検討しましょう。
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
現場を変えたい理由の明確化
現場を変える際の第一のポイントは、変更を希望する理由を明確にすることです。不満や課題の本質を理解することで、最適な選択肢が見えてきます。
現場を変えたいと思う理由の例は、以下のとおりです。
現場特有の問題 | 会社全体に関わる問題 |
---|---|
・特定のプロジェクトでの人間関係の課題 ・現社の案件での技術スタックとのミスマッチ ・常駐先の労働環境や通勤の問題 →案件変更を検討 |
・給与や評価制度への不満 ・案件の選抜関与が限られている ・社内のキャリアサポート体制が不十分 →転職を検討 |
現在の不満が現場特有の問題である場合は、同じSES企業内での案件変更を検討すると良いです。一方、会社全体に関わる問題の場合は、別のSES企業への転職を検討する必要があります。
自身の不満や課題を書き出し、それが案件を変えて解決するものかどうかを見極めることが重要です。
自身のキャリアビジョンや働き方
第二のポイントは、自身のキャリアビジョンと理想の働き方を明確にすることです。将来的なキャリアの希望と現在の環境を照らし合わせ、現在のSES企業での目標達成の可能性を判断する必要があります。
たとえば、以下のような観点で評価すると良いです。
-
・定期的なキャリア面談が実施されているか
・充実した研修制度やスキルアップ支援があるか
・明確なキャリアパスの提示があるか
現在のSES企業で上記の環境や制度が整っている場合は、社内での案件変更が望ましいです。反対に、このような環境や制度が整っていない場合は、転職を検討する価値があります。
現在のSES企業で自身のキャリアアップや理想の働き方を実現できるかどうかを慎重に検討しましょう。
現在のSES企業でのプロジェクト選択の自由度
第三のポイントは、現在のSES企業がどの程度エンジニアの希望を尊重してくれるかという点です。プロジェクト選択の自由度は、ITエンジニアとしてのキャリア形成やモチベーション、ワークライフバランスなどに大きな影響を与えます。そのため、現在のSES企業が自分の希望に沿った案件を提供してくれるかどうかは、理想的な働き方を実現するための重要な判断基準です。
現在のSES企業で、以下のような状況が整っている場合は、プロジェクト選択の自由度があるといえます。
-
・定期的に案件の希望についてヒアリングしてくれる
・複数の案件から選択できる
・技術スタックや働き方の希望を考慮して案件をアサインしてくれる
・案件の内容や環境について詳細な情報提供がある
プロジェクト選択の自由度がある場合は、現在の企業での案件変更を優先的に検討しましょう。逆に、プロジェクト選択の自由度がない場合は、転職を検討することをおすすめします。
これらの状況を総合的に判断し、自分にとって最適な選択をすることが重要です。
関連記事:【例文あり】SES企業への転職での志望動機の書き方は?ポイントを解説
SESの経験を活かせるおすすめの現場や転職先
SESでの経験は、さまざまな現場や企業で活かすことができます。ここでは、より良い環境で働くために知っておきたい2つの項目について説明します。
それぞれを分かりやすく表にまとめたので、参考にしてください。
おすすめの現場の条件
現場を変更する際には、良い現場の条件を把握しておくことが大切です。新しい現場の条件が悪ければ、再度現場の変更が必要となってしまう可能性があるからです。
以下のような条件を備えた現場を選ぶことをおすすめします。
おすすめの現場の条件 | 理由 |
---|---|
単独での客先常駐ではない | ・経験豊富なメンバーからの技術的サポートが得られる ・自社への帰属意識を持ちやすい |
上流工程を担当できる | ・要件定義や設計などの経験を積める ・プロジェクト全体を把握できる ・技術的な判断力が養える |
複数人での開発案件 | ・コードレビューを通じた技術力向上が見込める ・コミュニケーションスキルの向上が見込める |
自身の所有スキル・レベルと乖離がない | ・段階的なスキルアップが可能である ・成長機会の確保ができる |
特に、未経験や経験の浅いSESエンジニアの場合は、「単独の客先常駐でない」という条件を優先して希望することをおすすめします。スキルのあるメンバーとセットでアサインされることで、フォローアップしてもらいやすいためです。また、複数人での客先常駐のほうが、自社への帰属意識が比較的希薄になりづらいです。
上記を参考に、優先順位をつけながら自分が希望する現場の条件をまとめておきましょう。
おすすめの転職先
SESからの転職先の候補と特徴を把握しておくことも重要です。自分の希望やスキルに合った転職先を選ばないと、転職できたとしても長続きしないからです。
SESでの経験を活かせる主な転職先として、以下の3つの選択肢が挙げられます。
おすすめの転職先 | 理由 |
---|---|
自社開発 | ・上流工程から下流工程まで一貫した開発プロセスへの参画 ・最新技術へのキャッチアップ ・長期的な製品開発への関与 ・技術的な専門性の向上 |
Sler | ・上流工程への参画機会が比較的多い ・幅広い業界知識の習得 ・プロジェクトマネジメントスキルの向上 ・提案力や課題解決力の育成 |
社内SE | ・安定した就業環境 ・社内システムの包括的な理解 ・IT戦略スキル向上 |
自社開発やSIerはキャリアアップにつながる魅力的な選択肢です。しかし、技術的な判断力や専門性の高いスキルが必要なため、転職難易度は比較的高いということに留意しましょう。また、社内SEはSESでの経験が重宝されやすい転職先ですが、IT戦略の立案をする場合には事業領域への理解も必要です。
上記を参考に、所有するスキルやレベルも考慮した上で、自分の希望にマッチした転職先を検討しましょう。
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まとめ
この記事では、SESエンジニアが現場を変える際の判断材料や、おすすめの現場の条件と転職先について紹介しました。SESの現場を変えたいと感じたときは、まずは現場の変更について自社の上司へ相談することが重要です。その際、上司へ相談しても現場を変えるのが難しい場合や、すぐには状況が好転しない場合もあるので、並行して転職活動も行うことがおすすめです。
また、転職先としては自社開発企業、SIer、社内SEなど、SESでの経験を活かせる選択肢が複数あることを解説しました。これらの情報を参考に、自身のキャリアプランに合った現場や転職先を選択してください。
※本記事は2025年1月時点の情報を基に執筆しております
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