- プログラマーとシステムエンジニアの3つの要素から見た違い
- プログラマーからシステムエンジニアになるには?
- プログラマーからSEへの転職で大事なポイント4つ
- プログラマーからシステムエンジニアになるのに必要な期間
- プログラマーからシステムエンジニアへの転職に関するよくある質問
- まとめ
プログラマーとシステムエンジニアの3つの要素から見た違い
プログラマーからシステムエンジニアへの転職を考える際、まずはそれぞれの職種の違いを理解することが重要です。ここでは、以下の3つの観点からプログラマーとシステムエンジニアの違いを解説します。
転職の準備をより効果的に進めるための参考にしてください。
仕事内容の違い
プログラマーとシステムエンジニアは、担当する業務の範囲が異なります。この違いを理解することで、転職後の業務内容をイメージしやすくなり、必要なスキルの習得にも役立ちます。
プログラマーは、開発プロセスの下流工程がメインの職種です。主な業務は、設計書に基づいてプログラミングを行うことや、テスト仕様書に沿ってテストを実施することです。つまり、与えられた仕様に従った作業が中心となります。
一方、システムエンジニアは、開発プロセスの要件定義や設計など、上流工程がメインの職種です。顧客のニーズを把握し、システムの全体像を設計する役割を担います。ただし、プロジェクトの規模や部隊の人数によっては、開発やテストも実施する場合があります。システムエンジニアは、プロジェクト全体を見渡し、各工程を管理・フォローする立場にあるため、より広範囲な知識とスキルが必要です。
関連記事:
プログラマー(PG)とは?仕事内容や給料・スキルを分かりやすく解説
SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説
平均年収の違い
プログラマーとシステムエンジニアでは、年収にも違いがあります。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、それぞれの平均年収は以下のとおりです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
プログラマー | 557.6万円 |
システムエンジニア | 684.9万円 |
出典:
プログラマー 職業詳細|job tag
システムエンジニア(基盤システム) 職業詳細|job tag
平均年収の差は、担当する業務の範囲や責任の違いによるものと考えられます。システムエンジニアは、要件定義や設計など上流工程というシステムの根幹に関わる責任がある仕事であるため、より高度な判断力や調整力が必要です。そのため、プログラマーよりも高い年収となる傾向があります。ただし、これはあくまで平均値であり、個人のスキルや経験、勤務する企業により年収は前後します。年収アップを目指すのであれば、エンジニアとしてのスキルアップや経験の蓄積が重要です。
関連記事:
プログラマーのやりがいとは?キャリアパスや年収も解説
システムエンジニア(SE)の平均年収は?1000万円を目指す方法も紹介
必要なスキルの違い
プログラマーとシステムエンジニアでは、仕事内容が異なるため、必要とされるスキルにも違いがあります。この違いを理解し、不足しているスキルを補うことで、転職活動がスムーズに進むでしょう。
詳細は企業や担当する案件により異なりますが、一般的に以下のようなスキルの違いがあります。
プログラマーに 必要なスキル |
システムエンジニアに 必要なスキル |
---|---|
読解力 プログラミングスキル コミュニケーションスキル |
読解力 プログラミングスキル コミュニケーションスキル ドキュメンテーションスキル 要件分析・仕様作成能力 マネジメントスキル |
システムエンジニアは主に要件定義や設計などの上流工程を担当するため、要件分析・仕様作成能力や、要件や設計内容を文章化するドキュメンテーションスキルが必要です。さらに、プロジェクト全体を管理するためのマネジメントスキルも求められます。
関連記事:
プログラマーに必要なスキル・知識とは?資格や学習方法も紹介
システムエンジニアに向いている人の特徴は?必要なスキルや学習方法も解説
プログラマーからシステムエンジニアになるには?
プログラマーからシステムエンジニアへのキャリアアップする代表的な方法として、以下の2つが挙げられます。
-
・現在勤めている企業内でシステムエンジニアへとキャリアアップする
・ほかのシステム開発会社やWebサイト開発会社のシステムエンジニア職へ転職する
より好条件でのキャリアアップを目指す場合や、自分の現在の就労条件や環境などに不満がある場合は、自分の希望に沿う求人があるか一度探してみると良いです。
しかし、数多くの企業の中から、自分の希望に合った企業を働きながら見つけるのは大変ですよね。そこで、ITエンジニアの転職に特化した転職支援サービスを利用するのも1つの選択肢です。レバテックキャリアでは、専門のキャリアアドバイザーが、希望の就労条件や年収などをヒアリングし、あなたの希望にぴったりの求人を紹介します。まずはお気軽にご相談ください。
利用の流れや登録方法などは次の記事「レバテックキャリアのカウンセリングの流れやメリット・登録方法を紹介」で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
プログラマーからSEへの転職で大事なポイント4つ
プログラマーからシステムエンジニアへの転職を成功させるためには準備が必要です。ここでは、転職活動を成功させるためのポイントとして、以下の4つを紹介します。
それぞれ詳しく解説していくので、参考にしてください。
必要なスキルを身につける
プログラマーからシステムエンジニアになるには、求められるスキルを身につけておくと良いです。特に、開発プロセス全体を俯瞰して業務に取り組む能力が必要です。主に上流工程を担当するほか、下流工程を担当するほかのエンジニアへの指示やフォローなども行うためです。
そのためには、以下のようなアクションを通じて、プログラマーの業務に取り組みながら必要なスキルを伸ばしていくと良いでしょう。
業務内容 | スキルを身につけるためのアクション |
---|---|
要件定義 | ・顧客との打ち合わせへ参加する ・要件定義書の作成補助をする |
設計 | ・設計書のレビューへ参加する ・小規模な機能の設計を担当する |
テスト | ・テストケースを作成する ・テストの実施と結果分析をする |
プロジェクト管理 | ・プロジェクト進捗会議へ参加する ・小規模なタスクのリーダーを経験する ・プロジェクト管理ツールの使用方法を学ぶ |
各業務で必要なスキルを意識的に磨くことで、システムエンジニアの能力を段階的に身につけることができます。また、現在の職場で上司や先輩に相談し、これらのスキルを伸ばす機会を積極的に求めることも重要です。
資格を取得しておく
プログラマーからシステムエンジニアになるには、資格取得に挑戦するのがおすすめです。資格を取得することでスキルや知識を客観的に証明できるため、転職活動で有利に働く場合があるためです。
厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagでは、システムエンジニアの関連資格として、「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」を紹介しています。これらの資格を取得するメリットは、以下のとおりです。
基本情報 技術者試験 |
応用情報 技術者試験 |
---|---|
・ITの基礎知識と実践的な 活用能力が幅広く身につく ・システムエンジニアとしての 基本的なスキルを証明できる |
・基本情報技術者試験の上位資格 であり、ITの技術から管理、経営まで、 幅広い知識と応用力が身につく ・システムエンジニアとしての キャリアアップに役立つ |
これらの資格の取得を通して、システムエンジニアとして必要な知識を体系的に学ぶことができ、転職活動の際にも自信をもってアピールが可能になります。
そのほか、システムエンジニアのスキルアップやキャリアアップに役立つ資格については、システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介で詳しく解説しています。自分のキャリアプランに合わせて、適切な資格取得を検討しましょう。
志望動機を明確化する
志望動機を明確化しておくことは、転職活動を成功させるために重要です。採用担当者は志望動機で、なぜ自社を選んだのか、入社の意欲はあるのか、貢献できるのかなどを確認しています。そのため、プログラマーからシステムエンジニアへの転職は、年収アップが高いなどの待遇面を志望理由にするのは避けたほうが良いです。
志望動機を作成する際のポイントは以下のとおりです。
ポイント | 詳細 |
---|---|
自己分析 | ・自分の強みや弱み、興味関心を整理する ・プログラマーとしての経験をどのように活かせるか考える |
企業研究 | ・志望企業の理念や文化、事業内容を理解する ・自分のスキルや経験がどのように企業に貢献できるかを考える |
職種研究 | ・さまざまなITエンジニアの職種の中からなぜシステムエンジニアを選ぶのかを明確化する |
キャリアプランの設定 | ・システムエンジニアになった後の短期、長期的な目標をイメージしておく |
これらのポイントを押さえて志望動機を整理することで、面接時に説得力のある回答ができるようになります。また、転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
関連記事:システムエンジニア(SE)の志望動機の例文や書き方!未経験・経験別に紹介
ポートフォリオを作成しておく
これまでプログラマーとして培った実績やスキルを証明するために、事前にポートフォリオを作成しておくのがおすすめです。ITエンジニアにとってのポートフォリオとは、自分のスキルや実績をアピールするためのツールのことです。具体的には、過去の成果物やスキルを記載したWebサイトやGitHubなどが挙げられます。
ポートフォリオの作成は、自分のスキルや実績を客観的に見直す良い機会にもなります。また、作成過程で不足しているスキルや経験が明確になり、今後の学習計画を立てる際の参考にもなるでしょう。
レバテックキャリアでは、ITエンジニアの転職に精通したキャリアアドバイザーがポートフォリオの添削を行っています。ポートフォリオの作成で悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
関連記事:
ITエンジニアのポートフォリオとは?作り方や参考例を紹介
プログラマーのポートフォリオの作り方は?見本になる作成例も紹介
プログラマーからシステムエンジニアになるのに必要な期間
プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップするのに、長期間は要しないと考えられています。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、システムエンジニアの入職前の訓練期間は「特に必要ない」が27.3%で1番割合が高く、次点で「1ヶ月超〜6ヶ月以下」が22.7%となっています。ただし、個人のスキルや経験、入職までに確保できる学習時間などによって異なるため、プログラマーとして働くあいだにスキルを磨いておくことが重要です。
それでも転職後の実務についていけるか不安がある人は、OJTなどの研修制度が充実している企業を探すのがおすすめです。
「研修制度・勉強会充実」のシステムエンジニアの求人・転職情報>
プログラマーからシステムエンジニアへの転職に関するよくある質問
システムエンジニアへのキャリアアップは、プログラマーにとって一般的な選択肢です。しかし、担当業務や責任範囲が異なるため、どちらの職種のほうが自分により向いているのか気になる人も多いようです。プログラマーからシステムエンジニアへの転職を考える際によくある質問と回答を把握してから、検討を始めましょう。
Q1. プログラマーとシステムエンジニアはどちらが上ですか?
年収という観点では、一般的にシステムエンジニアのほうが高い傾向にあります。これは、システムエンジニアが要件定義などの上流工程に関わり、より広範囲な責任を負うことが多いためです。ただし、「上」という表現は適切ではありません。プログラマーとシステムエンジニアは異なる役割を持ち、どちらも重要な職種です。
Q2. プログラマーとシステムエンジニアはどちらが良いですか?
一概にどちらが良いとはいえません。プログラマーとシステムエンジニアでは担当業務が異なるため、自分の適性や興味に合う職種に就くことが重要です。キャリアパスとしては、プログラマーからシステムエンジニアへステップアップすることが一般的ですが、高度な専門性をもつプログラマーとして活躍する道もあります。
まとめ
プログラマーからシステムエンジニアへの転職は、キャリアアップの1つの選択肢として魅力的です。2つの職種の違いを理解し、必要なスキルを習得することで、転職活動を順調に進められ、転職後のミスマッチも防げるでしょう。
転職を成功させるためには、転職活動を始める前の準備に加えて、自分に合った企業を見つけることが重要です。転職活動の準備や企業探しが大変だと感じる場合は、IT業界に精通した転職支援サービスを利用するのがおすすめです。レバテックキャリアでは、専門のキャリアアドバイザーが、希望条件のヒアリングから求人紹介、面接対策や内定後の調整まで、あなたの転職活動を一貫してサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は2024年12月時点の情報を基に執筆しております
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
転職支援サービスに申し込む
また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
「個別相談会」に申し込む
レバテックキャリアのサービスについて