インフラエンジニアとは
そもそもインフラエンジニアとは、ITインフラの設計・構築・運用・保守を手掛けるエンジニアの総称です。企業や組織のITシステムの基盤となる部分を担当し、安定したシステム運用を支える重要な職種です。
インフラエンジニアの仕事は多岐にわたり、サーバーやネットワークなど、インフラの一部分を専門で担うエンジニアもいれば、インフラ全体を担当するエンジニアも存在します。具体的には、以下のような職種が含まれます。
職種 | 説明 |
---|---|
インフラエンジニア | ITインフラ全般を担当 |
サーバーエンジニア | サーバーの設計・構築・ 運用を専門とする |
ネットワークエンジニア | ネットワークの設計・構築・ 運用を専門とする |
セキュリティエンジニア | システムのセキュリティ対策を担当 |
クラウドエンジニア | クラウド環境の設計・構築・ 運用を専門とする |
このように、インフラエンジニアの仕事は幅広く、専門性も高いため、自分の興味や適性に合った分野を見つけることが重要です。
インフラエンジニアの詳しい仕事内容や必要なスキル、年収などについてはインフラエンジニアとは?仕事内容や年収、必要なスキルを解説で詳しく解説しています。
インフラエンジニアが「きつい」といわれる6つの理由
インフラエンジニアの仕事が「きつい」といわれる主な理由として、以下の6つが挙げられます。
・トラブル発生時にすぐ対応しなければならない
・単調な業務が続くことがある
・担当業務によっては勤務形態が不規則になる可能性がある
・ミスが許されない
・最新の技術を学び続けなければならない
・作業場所が寒く乾燥している場合がある
以下では、それぞれ詳しく解説します。
トラブル発生時にすぐ対応しなければならない
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる1つ目の理由は、トラブル発生時に即座の対応が求められることです。運用保守工程の業務では、システムに問題が発生した際、迅速な対応が不可欠です。
たとえば、業務中にアラートが上がった際には、即座に状況を確認し、適切な対処を行う必要があります。さらに、夜間に発生したトラブルでも、現場に駆けつけて復旧作業を行わなければならないことがあります。場合によっては、復旧作業が長時間に及ぶこともあり、これが「激務」といわれる原因の1つといえるでしょう。
緊急時の対応は、インフラエンジニアの重要な役割ですが、予定外の作業が発生することを負担に感じる場合があります。
インフラエンジニアの運用・保守業務ついてはインフラエンジニアの運用・保守業務とは?詳しい仕事内容を紹介で詳しく解説していますので、参考にしてください。
単調な業務が続くことがある
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる2つ目の理由は、単調な業務が続くことがある点です。特に、下流工程の作業では、マニュアル化された単純作業が多くなる傾向があります。
たとえば、システム監視中にアラートが発生した場合でも、頻発するアラートに対しては対処法がマニュアル化されていることが多いです。そのため、決められた手順に従って淡々と対応するだけになることもあります。また、定期的なバックアップやログ確認などの作業も、同じ手順を繰り返し行うことになります。
このような単調さから、仕事の充実感や自分の成長を感じられず、人によってはモチベーションが低下してしまうことがあるようです。
担当業務によっては勤務形態が不規則になる可能性がある
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる3つ目の理由は、担当業務によっては勤務形態が不規則になる可能性があることです。特にシステム運用では、24時間365日のサービス提供が求められるため、休日や夜間にも監視業務が発生します。
たとえば、夜勤と日勤が交互に組まれるシフト制の場合、生活リズムが安定せず、心身の健康に影響を及ぼす可能性があります。
また、休日出勤や深夜の緊急対応が頻繁に発生すると、プライベートの時間の確保が難しくなり、ワークライフバランスが崩れてしまうことも1つの懸念です。
インフラエンジニアの夜勤についての詳細はインフラエンジニアに夜勤がある理由とは?回避方法も解説で解説しています。
ミスが許されない
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる4つ目の理由は、ミスが許されないことです。ITインフラは企業のシステム基盤であるため、システムダウンが業務停止に直結する場合があります。1つのミスが甚大な被害を生んでしまう可能性があり、プレッシャーに感じてしまう人もいるでしょう。
一般的に、業務システムなどを導入する際には、顧客とのあいだにSLA(Service Level Agreement)を締結します。SLAとは、サービスの品質レベルを定義し、それを保証する契約のことです。たとえば、システムの稼働率や障害件数、障害発生時の対応時間などが含まれます。
SLAを満たせない場合、返金などの対応が必要になることもあります。そのため、インフラエンジニアは作業ミスで業務が停止しないよう、細心の注意を払わなければなりません。
このような責任の重さやプレッシャーが「つらい」と感じる原因の1つとなっています。
最新の技術を学び続けなければならない
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる5つ目の理由は、常に最新の技術を学び続けなければならないことです。IT業界は技術の進歩が速いです。たとえば、クラウドや仮想化技術、セキュリティ対策など、新しい技術やトレンドが次々と現れます。これらの技術を理解し、適切に活用できるようになるには、継続的な学習が欠かせません。
仕事をしながら新しい技術を学び続けることは、時間的にも精神的にも負担が大きく「辛い」と感じることがあります。特に、経験の浅いエンジニアにとっては、最新の技術に追いつくのに苦労する場合もあるでしょう。
作業場所が寒く乾燥している場合がある
インフラエンジニアの仕事を「きつい」と感じる6つ目の理由は、作業環境が快適ではない場合があることです。
特に、構築・運用・保守工程の業務では、サーバー室で作業する機会が比較的多いです。サーバー室は、サーバーやネットワーク機器などのIT機器の安定稼働を最優先に設計されています。そのため、機器の発熱を抑えるために室温が低く設定されており、人間にとっては寒く感じる環境になっていることがあります。また、結露によるサビやショートを防ぐために湿度も厳密に管理されており、乾燥を感じる場合もあるでしょう。
サーバー室での長時間の作業は、寒さや乾燥による体調不良につながる場合があるため、「きつい」と感じる原因の1つとなっています。
インフラエンジニアが「楽すぎ」といわれる3つの理由
インフラエンジニアの仕事が「楽すぎ」といわれる代表的な理由は、以下の3つです。
・難しいスキルが不要な場合がある
・シフト制の場合は残業が比較的少ない
・IaCの活用により効率の良い構築が可能
これらの理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
難しいスキルが不要な場合がある
インフラエンジニアの仕事が「楽すぎ」といわれる1つ目の理由は、難しいスキルが不要な場合があることです。特に下流工程では、マニュアルに沿った作業が多く、高度な技術力や判断力を必要としない業務もあります。
たとえば、定期的なバックアップ作業やログの確認、マニュアル化された障害対応などは、手順に従って実行すれば完了する場合が多いです。このような業務は、比較的短期間の研修で習得可能です。
そのため、インフラエンジニアは未経験でも目指しやすいエンジニア職の1つとして挙げられます。キャリアチェンジを考えている人や、IT業界に興味はあるもののプログラミングには苦手意識がある人にとっては、魅力的な選択肢となっています。
シフト制の場合は残業が比較的少ない
インフラエンジニアの仕事が「楽すぎ」といわれる2つ目の理由は、残業が比較的少ないことです。
運用・保守業務では、24時間365日のシステム監視が必要なため、日勤と夜勤のシフト制で勤務することが多いです。このシフト制の特徴として、時間が来たら次のシフトの担当者に引き継いで交代するため、基本的に残業が発生しにくい傾向があります。
たとえば、9時から18時までの日勤シフトであれば、18時になると夜勤シフトの担当者に業務を引き継ぎ、帰宅できます。緊急対応が必要な場合を除いて、定時で帰れることが一般的です。
この点は、ワークライフバランスを重視する人にとっては魅力的な特徴といえます。ただし、シフト制特有の生活リズムの乱れや、休日出勤の可能性があることには注意が必要です。
IaCの活用により効率の良い構築が可能
インフラエンジニアの仕事が「楽すぎ」といわれる3つ目の理由は、IaC(Infrastructure as Code)の活用により、効率の良いインフラ構築が可能になったことです。
IaCとは、コードを用いてインフラ構築を行う技術のことです。主に、以下のようなメリットがあります。
-
・手作業による人為的なミスを削減できる
・作業時間を大幅に短縮できる
・環境の複製が容易になる
IaCにより作業負担が軽減されたことが、インフラエンジニアの仕事が「楽すぎ」といわれる要因の1つです。
IaCなどのクラウド時代のインフラエンジニアに必要なスキルはクラウド時代のインフラエンジニアに求められるスキルや資格で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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インフラエンジニアに向いている人の特徴5選
インフラエンジニアの仕事は多岐にわたるため、さまざまな資質が活かせます。ここでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴を5つ紹介します。
・ルーティンワークが好き
・IT機器に触れるのが好き
・コミュニケーション能力が高い
・作業を効率化するのが得意
・ストレス耐性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ルーティンワークが好き
ルーティンワークが好きな人はインフラエンジニアに向いているといえるでしょう。なぜなら、ITインフラにおける運用・保守工程の作業では、マニュアルに沿った単調な作業が多くなるからです。
たとえば、定期的なバックアップ作業、ログの確認、システムの監視など、日々同じような作業を繰り返し行うことがあります。これらの作業は、システムの安定稼働を維持するために欠かせない重要な業務ですが、同じ作業の繰り返しに抵抗がある人にとっては退屈に感じる可能性があります。
一方で、ルーティンワークが好きな人は、これらの作業に対して安心感や充実感を得ることができるでしょう。完璧に同じことを繰り返し行う定型業務ではありませんが、ルーティンワークが好きな人にとって、インフラエンジニアの運用・保守工程は能力を発揮しやすい環境です。
IT機器に触れるのが好き
IT機器に触れるのが好きな人は、自分の強みをインフラエンジニアの業務の中で活かしやすいです。インフラエンジニアの作業では、サーバーやネットワーク機器、配線などに囲まれて作業することが多いです。
構築工程では、機器を自分で設定し、運用・保守工程では機器の保守ランプやインジケーターなどを確認します。物理的なIT機器を扱うことが多いため、普段からIT機器を触るのが好きな人は、この仕事に向いているといえます。
たとえば、自宅でパソコンを組み立てたり、ネットワーク環境を構築したりすることが趣味という人は、インフラエンジニアの仕事に親和性が高いです。IT機器への興味や関心が高ければ、新しい技術や製品にも積極的に取り組むことができ、スキルアップにもつながるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
インフラエンジニアに向いている人の特徴として、コミュニケーション能力が高い人が挙げられます。インフラエンジニアの業務では、技術的なスキルだけでなく、他者とのコミュニケーションも重要だからです。
インフラの構築作業には予期せぬトラブルがつきものです。特に、新製品を採用した構築作業では、問題の解決方法がまだまとめられていないことも多く、開発元のヘルプデスクと忍耐強く問題解決をしなければならないことがあります。
また、プロジェクトマネージャーやほかの部署の担当者など、さまざまな関係者と作業の進捗状況や問題点を共有しなくてはなりません。そのため、自分の考えを明確に伝え、他者の意見を適切に理解する能力が必要です。
他者と積極的にコミュニケーションがとれる人は、これらの状況でも心労を感じづらく、スムーズに業務を進められるでしょう。
作業を効率化するのが得意
作業を効率化するのが得意な人は、インフラエンジニアの適性があります。インフラの構築作業では、案件によっては何台もの機器を同時に設定・構築しなければならないことがあります。
また、作業が長時間に及ぶ場合も多いため、効率化のスキルが重要です。具体的には、以下のような能力が重宝されます。
-
・作業手順の最適化
・自動化スクリプトの作成
・ツールの活用
これらの能力を活用すれば、作業時間を短縮し、ミスを減らすことが可能です。また、効率化によって生まれた時間を、新しい技術の学習や、より高度な業務に充てることができるため、キャリアアップにもつながるでしょう。
ストレス耐性がある
ストレス耐性があることは、インフラエンジニアに向いている人の特徴といえます。インフラエンジニアの仕事では、正確でミスのない作業が常に必要です。また、障害発生時には、業務の迅速な復旧のために、正確さに加えてスピードも求められます。
このような状況下では、対応の重大さを考えると冷静さを失ってしまい、さらなるミスを引き起こす可能性があります。そのため、精神的負担が大きい状況下でも冷静に判断し、適切に行動できる能力が重要です。
インフラエンジニアの適性についてより詳しく知りたい方はインフラエンジニアに向いている人とは?適性と仕事内容・職種などを解説もご覧ください。
まとめ
この記事では、インフラエンジニアが「きつい」「楽すぎ」といわれる理由を詳しく解説しました。インフラエンジニアの仕事は、担当する業務や分野による違いが大きいため「きつい」と「楽すぎ」という正反対の評価が生まれています。そのため、インフラエンジニアへの転職を考える際には、自分の適性や希望する働き方を明確にして、自分に合った求人を探すことが重要です。
しかし、さまざまな職種や業務内容がある中から、自分にぴったりの求人を見つけるのは大変です。レバテックキャリアでは、豊富なIT業界の求人情報と経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの希望や適性に合った求人を見つけるサポートをしています。インフラエンジニアとしてのキャリアを考える際には、ぜひレバテックキャリアのサービスを活用してみてください。
※本記事は2024年12月時点の情報を基に執筆しております
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