なぜWebエンジニアはオワコンと言われるのか
Webエンジニアがオワコンと言われている理由として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
AIにより代替される業務が一定数ある
Webエンジニアがオワコンと言われる理由は、AIにより代替される業務が一定数あるためです。OECDの調査によれば、加盟国平均で労働者の27%がAIによる自動化リスクのある仕事に従事しています。
また、大和総研によると、日本では生成AIの影響を受ける可能性がある就業者は全体の約80%を占め、そのうち約40%は仕事の半分以上が自動化可能と推計されています。
Webエンジニアも例外ではなく、実際にChatGPTやGitHub Copilotなどの生成AIツールが普及し、コードの自動生成や簡単なプログラムの作成が可能になりました。こうした調査結果や予測、実情を背景に、「Web制作はすべてAIでできるようになるのでは」と感じる人が増えており、オワコンと言われているのです。
ノーコードツールの普及でWebエンジニアの需要が減った
Webエンジニアがオワコンと言われる理由は、ノーコードツールの普及でWebエンジニアの需要が減ったためです。STUDIOやWebflowなどのノーコード・ローコードツールが進化し、プログラミング知識がない人でも本格的なWebサイトやアプリケーションを構築できるようになりました。
この結果、小規模なWebサイト制作や簡単なWebアプリケーション開発の案件数が減少し、該当分野を専門としていたWebエンジニアの需要が低下しています。
受託開発中心ではスキル・経験・年収が伸びにくい
Webエンジニアが「オワコン」と言われる背景には、受託開発に依存した働き方があります。受託開発では、クライアントが決めた仕様やデザインに沿って、納期までに仕上げることが最優先です。
そのため、エンジニア自身が「なぜその機能を作るのか」や「どうすれば成果につながるのか」といった上流の判断に関わる機会が少なく、経験の幅が広がりにくいのです。
さらに、案件の多くは企業サイトやEC構築などの定型的な内容が多く、スキルアップにつながる挑戦が少ない傾向があります。
一方、自社開発やプロダクト志向の環境では、ユーザー体験の設計や改善まで関われるため、上流工程のスキルも磨けます。将来的に市場価値を上げたいなら、受託中心の環境から一歩抜け出す意識が欠かせません。
関連記事:Webエンジニアはやめとけ?実態と転職成功のポイントを解説
Webエンジニアはオワコンではなく将来性のある職種
前述の理由から「Webエンジニアはオワコン」と言われていますが、実際は将来性のある職種です。その理由は、以下のとおりです。
それぞれみていきましょう。
企業のDX推進でWebサービス需要が増えている
Webエンジニアに将来性がある理由は、企業のDX推進でWebサービスの需要が増えているためです。多くの企業がDXを進めており、業務効率化や顧客体験向上を目的としたWebサービスの開発需要が急速に拡大しています。これにより、Webエンジニアの市場価値は高まり続けているのです。
また、情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024-深刻化するDXを推進する人材不足と課題」によると、DXを推進する人材について「大幅に不足している」と回答した企業の割合は62.1%でした。IPAがDX動向調査を始めた2021年度以降、初めて過半数を越えており、深刻な人材不足とWebエンジニアの市場価値の高まりがうかがえます。

引用元:情報処理推進機構「DX動向2024-深刻化するDXを推進する人材不足と課題」(2024年7月25日)
Webアプリケーション開発の重要性が高まっている
Webエンジニアに将来性がある理由は、Webアプリケーション開発の重要性が高まっているためです。スマートフォンの普及とインターネット環境の向上により、ユーザーはいつでもどこでもWebアプリケーションにアクセスできるようになりました。
この結果、企業にとってWebアプリケーションは顧客との重要な接点となっており、開発・運用を担うWebエンジニアの価値が向上しています。
たとえば、銀行のオンラインバンキングシステムや小売業の在庫管理システムなど、業界を問わずWebアプリケーションが業務の中核を担っています。また、SaaS(Software as a Service)市場の拡大により、クラウド上で動作するWebアプリケーションの需要が増加しているのもポイントです。
このような背景から、Webアプリケーション開発の可能性はさらに広がっており、Webエンジニアの活躍の場も拡大し続けています。
クラウド・AI時代でもWebエンジニアの基盤が重要
Webエンジニアに将来性がある理由は、クラウド・AI時代でもWebエンジニアの基盤技術が重要だからです。クラウドサービスやAI技術が普及しても、これらの技術を活用したシステムを構築・運用するためには、Webエンジニアが持つ基盤技術が欠かせません。
たとえば、AWSやAzureなどのクラウドサービスでWebアプリケーションを構築する際には、クラウドアーキテクチャの知識に加えて、従来のWeb開発スキルも必要です。
また、ChatGPTのようなAIサービスをWebアプリケーションに組み込む場合も、API連携やデータ処理といったWebエンジニアの専門領域が重要な役割を果たします。
このように、クラウドやAI技術の発展は、Webエンジニアの仕事を奪うのではなく、新しい技術領域への展開機会を提供しています。基盤技術をしっかりと身につけた上で、最新技術にも対応できるWebエンジニアは、今後も高い市場価値を維持できるでしょう。
関連記事:Webエンジニアの将来性は?活躍し続けるためのスキルも解説
「オワコン」にならないための具体的な技術戦略
将来性のあるWebエンジニアになるために必要な行動・メンタルは、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
1. AIやノーコードを「使う側」に回る
Webエンジニアとしてオワコンにならないためには、AIやノーコードを「使う側」に回ることが大切です。AIやノーコードは、エンジニアの仕事を奪う存在ではなく、作業効率とアウトプットの質を高めるツールです。
具体的には、単純なコーディングを自動化し、企画や設計といった「付加価値の高い仕事」に時間を割けるようになります。たとえば、ChatGPTを活用したコードレビューや、ノーコードツールでのモックアップ制作など、開発初期を高速化できるスキルは、今後の現場で重宝されます。
2. ノーコードの「限界」を超えるカスタム開発スキルを磨く
ノーコードで完結する案件は増えていますが、複雑な業務ロジックや外部システム連携など、「あと一歩」の部分は依然としてコードの力が必要です。
ノーコードが不得意とする領域を理解し、API連携やバックエンドの構築、セキュリティ設計などを自分で実装できれば、エンジニアとしての存在価値は格段に高まります。
つまり、「ノーコードで作れない部分を補完できるエンジニア」になることで、プロジェクト全体を動かせる技術力と市場価値を両立できるのです。
3. ビジネス課題を解決する「上流工程」のスキルを身につける
Webエンジニアが長期的に成長していくためには、コードを書く力だけでなく、「何を」「なぜ作るのか」を設計できるスキルが欠かせません。顧客が本当に解決したい課題は何かを定義する「要件定義」や、その課題を技術でどう解決するかを設計する「アーキテクチャ設計」といった上流工程のスキルを磨きましょう。
こうしたスキルを身につければ、単なる開発者ではなく、ビジネスを動かす技術戦略人材として活躍の場が広がります。
関連記事:Webエンジニアに向いている人や未経験から目指す方法!市場価値の高め方
まとめ
「Webエンジニアはオワコン」と言われる背景には、AIやノーコードツールの進化などがあります。しかし、実際には企業のDX推進やWebアプリケーション需要の拡大により、Webエンジニアの活躍の場は広がっています。
これから求められるのは、AIやノーコードを「使う側」に回ったり、ノーコードが不得意とする領域でも活躍できる人材です。AIやクラウドを恐れず学び、積極的に新しい技術を取り入れていく姿勢が、自分の市場価値を高める鍵です。
※本記事は2025年10月時点の情報を基に執筆しております