- データで見るITエンジニアの転職市場
- ITエンジニアの売り手市場が続いている3つの理由
- エンジニアが売り手市場のタイミングで転職するメリット
- ITが進化し続ける限りITエンジニアの売り手市場は続く
- まとめ
データで見るITエンジニアの転職市場
ITエンジニアの転職市場に関するデータは次のとおりです。
具体的な内容を確認していきましょう。
IT人材の転職求人倍率は11.6倍
レバテックのIT人材の正社員転職/フリーランス市場動向 12月によると、2024年12月時点でのIT人材の転職求人倍率(※)は11.6倍です。また、同調査によると正社員求人数は前年同月比130%で、過去最高値を更新しました。

引用:「セキュリティ」が転職求人倍率1位に、50倍超えの高需要|レバテック
このことから、企業が積極的にITエンジニアの採用を進めており、売り手市場であることが分かります。
ただし、求人倍率はあくまで市場全体の傾向を示すものであり、希望する職種や地域によって状況は異なります。
※求人倍率の定義
【算出式】求人倍率=求人数÷転職希望者数
【求人数】レバテックのエージェントサービスで募集中の中途採用求人数
【転職希望者数】レバテックのエージェントサービスで正社員転職を希望している利用者数
他職種との比較
厚生労働省の一般職業紹介状況(令和7年7月分)によると、有効求人倍率(パート除く常用)は次のとおりです。
| 職種 | 倍率 |
|---|---|
| 職業計 | 1.19倍 |
| 情報処理・通信技術者 | 1.63倍 |
数値を比較すると、情報処理および通信技術者の有効求人倍率は、職種計の有効求人倍率を上回っていることが分かります。
転職特に需要の高い職種とスキル
レバテックのIT人材の正社員転職/フリーランス市場動向 12月によると、転職求人倍率が高いスキル・職種は「セキュリティ」で54.0倍となっています。次いで「コンサル」が41.8倍、「PM」が24.6倍となっており、これらの職種も高い需要があります。

引用:「セキュリティ」が転職求人倍率1位に、50倍超えの高需要|レバテック
これらの職種またはスキルを持つITエンジニアは、転職市場において有利な立場にあると言えます。
ITエンジニアの売り手市場が続いている3つの理由
ITエンジニアの売り手市場が続いている主な理由は、次の3つです。
以下で、詳しい内容を確認していきましょう。
慢性的な人材不足
ITエンジニアの売り手市場が続いている理由の1つ目は、慢性的な人材不足です。経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、2030年には最大で約79万人ものIT人材が不足すると予測されています。

※経済産業省のIT人材需給に関する調査を基に当社で作成
これは、IT需要の急速な拡大にITエンジニアの供給が追いついていないためです。慢性的な人材不足は、ITエンジニアの売り手市場を長期化させる要因の一つと言えます。
DXの推進によるIT人材ニーズの拡大
ITエンジニアの売り手市場が続いている理由の2つ目は、DXの推進によるIT人材ニーズの拡大です。多くの企業が、競争力強化や業務効率化のためにDXを推進しており、その過程でIT人材の需要が急速に拡大しています。
しかし、DXを推進できるIT人材は限られており、需要に対して供給が追いついていない状況です。そのため、DX関連のスキルを持つITエンジニア以外にも採用ターゲットを広げる企業が増えてきているのです。
レバテックのIT人材白書2025によると、エンジニア採用において、企業が最も注力している採用ターゲットは、「新卒採用」38.5%と「ミドルシニア層(45歳~64歳)」35.9%となっています。

引用:IT人材白書2025|レバテック
一方で、「未経験者採用」6.0%や「外国籍人材」4.5%の採用に注力する企業も見られ、採用ターゲットが多様化していることが分かります。
クラウドやAIの普及でエンジニア需要がさらに拡大
ITエンジニアの売り手市場が続いている理由の3つ目は、クラウドサービスやAI技術の普及によるエンジニア需要の拡大です。近年、クラウドサービスやAI技術が急速に普及しており、これらの技術を活用できるITエンジニアの需要が大幅に増加しています。
また、技術トレンドは常に変化しており、新しい技術に対応できる人材は、市場価値が上昇します。特に、クラウドやAIといった分野は、技術の進化が速いため、常に学習し続ける意欲と能力が必要です。そのため、これらの分野に精通したITエンジニアは、転職市場で高い評価を得ることができます。
SEの将来性については「システムエンジニア(SE)の将来性をデータをもとに考察!今後の需要は?」で詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
エンジニアが売り手市場のタイミングで転職するメリット
エンジニアが売り手市場のタイミングで転職するメリットは次のとおりです。
具体的な内容を確認していきましょう。
求人の選択肢が広がる
売り手市場では、企業がITエンジニアの採用に積極的なため、求人数が増加しています。これにより、ITエンジニアは自身のスキルや経験、希望する条件に合った求人を見つけやすい状況です。
たとえば、より上位のポジションや、興味のある分野の企業への転職も視野に入れることができます。
ただし、自分に合った求人を見つけるためには、しっかりと情報収集を行い、自己分析をすることが重要です。
待遇面の向上が期待できる
売り手市場では、企業が優秀なITエンジニアを確保するために、給与や福利厚生などの待遇を改善する傾向があります。そのため、売り手市場のタイミングで転職することで、基本給の増額による年収アップや、より充実した資格取得支援や各種手当などの福利厚生が期待できます。
ただし、転職を検討する際は、待遇面だけでなく、企業の将来性や企業文化、仕事内容なども含めて総合的に判断することが重要です。
キャリアパスを実現しやすくなる
売り手市場では、企業が即戦力となるITエンジニアを求めているため、より上位のポジションや、新しい分野に挑戦できる機会が増えます。そのため、売り手市場のタイミングで転職することで、理想のキャリアパスを実現しやすくなるのです。
たとえば、プログラマーからシステムエンジニアへ、さらにプロジェクトマネージャーへといった段階的な成長が期待できます。また、これまで経験したことのない新しい技術や分野に挑戦できる機会が考えられます。
キャリアアップは、ITエンジニアの成長を促し、市場価値の向上につながる重要な要素です。
ただし、キャリアの実現には、自分のスキルや経験の棚卸しに加え、将来のキャリアプランを明確にし、目標とするポジションに必要なスキルを習得することが重要です。
ITが進化し続ける限りITエンジニアの売り手市場は続く
「ITエンジニアの売り手市場が続いている3つの理由」で紹介した以下の要因により、ITエンジニアの売り手市場は今後も続くと見込まれます。
-
・慢性的な人材不足
・DXの推進によるIT人材ニーズの拡大
・クラウドやAIの普及でエンジニア需要がさらに拡大
これらの課題は、短期間で解消されるものではなく、むしろ今後さらに長期化する可能性があります。特に、DXやクラウド、AIの普及により、ITの活用範囲が広がり、ITエンジニアの需要は一層増加する見込みです。
企業の競争力強化や業務効率化には、システムの導入が不可欠です。またITは「一度導入したら終わり」ではなく、常に進化し続けるものです。AIやクラウドの普及が一段落しても、次代の新しい技術が次々と登場し、新たなエンジニア需要を生み出します。
企業の競争力強化にとって、ITの活用は「手段」から「前提」となりました。ITがビジネスインフラである限り、エンジニアの需要がなくなることはないでしょう。
IT業界において需要が高い職種は「ITエンジニアには将来性がない?需要の高い分野や注目の職種も紹介」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、データに基づいてITエンジニアの転職市場が売り手市場であることについて解説しました。
ITエンジニアの転職求人倍率は依然として高く、他職種と比較しても需要が高い状況が続いています。これは、慢性的な人材不足やDXの推進、クラウドやAIの普及といった要因が複合的に影響しているためです。
売り手市場のタイミングで転職することで、求人の選択肢が広がり、待遇面の向上やキャリアパス実現の機会を得やすくなります。
この記事の内容を参考に、ご自身のキャリアプランを検討し、より良い転職を実現してください。
※本記事は2025年10月時点の情報を基に執筆しております