- SESの待機期間は「次の案件が決まるまでの待機期間」のこと
- 待機期間中も給与は支払われる
- 待機期間の長さを理由にクビにはならない
- SESの待機期間が発生する原因と対策
- 待機期間を発生させないための企業選びのポイント
- SESの待期期間で仕事がなくて悩んでいる場合の対処法
- まとめ
SESの待機期間は「次の案件が決まるまでの待機期間」のこと

SESの待機期間とは、次の案件先が決まるまで、自社または自宅で待機する期間のことです。この期間は、現在の契約が終了した時点や、さまざまな要因で次の案件が決まらない場合に発生します。
待機期間が生じる理由はいくつかありますが、主な要因として以下が挙げられます。
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・エンジニアのスキルレベルと案件の要件とのあいだにずれがある場合
・SES企業自体が新規案件を獲得できていない場合
・プロジェクトの縮小や急な打ち切りになる場合
・入社直後で参画する案件が決まらない場合
SES企業の営業力不足や市場の需給バランスなども、新規案件が獲得できない要因です。営業担当者の経験不足や、企業が保有する案件の技術分野の偏りは、エンジニアの待機期間を長期化させるリスクがあります。
待機期間中も給与は支払われる
SESの待機期間中であっても、基本的に給与は支払われます。ただし、給与規定についてはSES企業によって異なる点に注意が必要です。
よくあるケースとしては、以下のとおりです。
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・全額支給される
・休業扱いとして休業手当が支給される
全額支給の場合、賞与で調整される可能性もあるため注意が必要です。たとえば、待機期間中は基本給を満額支給するものの、賞与の算定時に待機期間分を考慮して減額するといったケースがあります。
自宅待機で休業扱いとなる場合、労働基準法第26条に基づいて平均賃金の60%以上の休業手当が支払われます。SESの待機期間は会社都合による休業に該当するため、この規定が適用されます。
待機期間中の給与規定は企業ごとに異なるため、入社時に契約書や就業規則をしっかりと確認しておくことが重要です。
待機期間の長さを理由にクビにはならない
SESの待機期間が長期化しても、それだけを理由に解雇されることは基本的にありません。
労働契約法第16条では、使用者が労働者を解雇する場合、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが必要とされています。待機期間の発生は、会社側の営業力不足や市場環境の変化など、エンジニア個人の責任ではない要因があります。そのため、待機期間が長いだけでは、客観的に合理的な解雇理由として認められにくいでしょう。
ただし、エンジニア側に明らかな問題行動がある場合や、会社の経営状況が著しく悪化した場合などは、別の解雇理由を検討される可能性があります。そのため、待機期間中であってもスキルアップに努めたり、積極的に案件探しに協力したりする姿勢が大切です。
SESの待機期間が発生する原因と対策
SESの待機期間が発生する原因と対策は以下のとおりです。
それぞれの原因と具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
スキルが不足している
エンジニアのスキル不足は、SESの待機期間が発生する原因の1つです。市場で求められる技術スキルを持っていない場合、案件とのマッチングが難しくなることが理由に挙げられます。
この問題を解決するためには、興味のある分野や市場ニーズの高い技術を積極的に学習することが効果的です。たとえば、プログラミング言語であれば、Java、Python、JavaScriptなどの案件数が多い傾向にあります。
新しいスキルを習得することで、面談時のアピールポイントが増え、待機期間の短縮につながります。ただし、学ぶ技術は将来のキャリアプランと整合性のあるものを選択することが重要です。
求人数の多いプログラミング言語が気になる方は「【2024年更新】プログラミング言語別求人案件数ランキング」を参考にしてください。
面談の準備が不足している
顧客企業との顔合わせ面談の際に準備が不足していることも、待機期間が長引く原因の1つです。面談で、自分のスキルや経験を適切にアピールできないと不採用となってしまい、新しい案件を探すために待機期間が延びてしまいます。
この場合の対策として、自身のスキルをまとめたスキルシートが有効です。このスキルシートを定期的に更新して想定質問への回答や逆質問の準備を行いましょう。経験やスキルを整理し適切にアピールできれば、「一緒に働きたい」と思ってもらえる可能性が高まります。具体的には、これまでの開発経験を詳細に記載し、使用した技術や担当した役割、プロジェクトの成果などを明確にまとめましょう。
また、面談では技術的な質問だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークについても評価対象となります。そのため、過去の経験を通じてどのような貢献ができるかを具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。
スキルシートの書き方や逆質問の具体例が気になる方は「SESの職務経歴書の書き方・例文を紹介!フォーマットや記載注意点を紹介」「SES面談でするべき逆質問7選!具体例やコツも詳しく解説」を参考にしてください。
連続して案件を断っている
案件を続けて断ることも、待機期間の長期化につながる原因の1つです。厳しすぎる条件を設定していると、紹介される案件の多くが希望に合わず、断り続けることになってしまいます。また、スキルがない状態で案件を断ると、紹介できる案件がないため待機期間が長期化する可能性があります。
この問題を解決するには、希望条件の見直しやキャリアプランに合った案件に参画できるSES企業への転職を検討することが効果的です。たとえば、勤務地や給与、使用技術などの優先順位を明確にし、すべての条件を満たす案件を待つのではなく、柔軟に検討することが重要となります。
また、現在の企業で希望に合う案件が限られている場合は、幅広い案件を扱っているSES企業への転職という選択肢もあります。転職活動を自分で進めるのが難しい場合は、レバテックキャリアなどの転職エージェントを活用するのもおすすめです。
関連記事:法的措置なくSES案件を断ることは可能!辞退のデメリットや断り方も紹介
SES企業の案件数が限られている
SES企業によって、紹介できる案件数には差があります。そのため、営業力が弱い企業や取引先が限られているSES企業では、エンジニアのスキルに関係なく、振れる案件がないという理由で、待機期間が発生してしまいます。
このような状況では、個人の努力だけでは解決が困難なため、案件獲得力の高いSES企業への転職を検討する必要があるでしょう。企業選びの際は、取引先企業数や案件の種類、過去の配属実績などを確認し、安定して案件を紹介できる企業かどうかを慎重に判断することがおすすめです。
また、複数の分野や技術領域の案件を保有している企業であれば、スキルや希望に応じた柔軟な配属が期待できます。
エンジニアが参画する案件への選択権がないSESの案件ガチャについては「SESの案件ガチャって何?ハズレ案件の特徴や回避方法も解説」で紹介しているので、気になる方は参考にしてください。
待機期間を発生させないための企業選びのポイント
待機期間の発生を最小限に抑えるための、企業選びのポイントは以下のとおりです。
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
案件が豊富な企業
案件数が多い企業を選ぶことは、待機期間を短縮するためのポイントの1つです。案件数が多ければ、エンジニアのスキルや希望条件に合った案件に参画できる可能性が高くなるためです。
案件が豊富な企業の特徴として、直接取引の案件があることや自社サービスを展開していることが挙げられます。直接取引の案件は中間マージンが発生しないため、エンジニアにとって条件が良く、企業にとっても利益率が高いという特徴があります。また、自社サービスを持つ企業では、外部案件がない場合でも自社プロダクトの開発に携わることができるため、待機期間が発生しにくいです。
さらに、特定の業界に依存している企業よりも、さまざまな業界とのつながりを持つ企業のほうが、案件の安定供給が期待できる可能性があります。
待機期間中の制度や過ごし方が明確な企業
待機期間中のサポート制度が充実している企業を選ぶことも重要なポイントです。学習支援や給与保証などの制度が充実していれば、待機期間中でも安心してスキルアップに取り組むことができるためです。
具体的なサポート制度としては、以下が挙げられます。
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・技術研修の提供
・資格取得支援
・書籍購入補助
・オンライン学習プラットフォームの利用
また、待機期間中に自社開発サービスや社内業務に携わることができる企業もあり、このようなSES企業では実務経験を積みながら次の案件を待つことが可能です。
これらの制度は、エンジニアのスキル向上に貢献するため、企業選びの重要な判断基準となります。
優良SES企業の特徴は「【体験談】SESはやめとけといわれる7つの理由!未経験はよくない?」で紹介しています。あわせてご覧ください。
SESの待期期間で仕事がなくて悩んでいる場合の対処法
待機期間中に仕事がなくて悩んでいる理由として、「収入面」と「スキル面」の大きく2つに分けられるでしょう。
収入面でお悩みの方は、勤めている会社が副業OKであれば、副業をして収入を増やすのが1つの方法です。副業の選択肢としては、以下が挙げられます。
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・フリーランス案件への参画や技術指導
・技術記事の執筆
・独自のアプリ開発
これらの活動は収入を補うだけでなく、専門性の向上や実務経験の蓄積にもつながり、相乗効果が期待できます。ただし、副業を始める前には、必ず所属企業の就業規則や契約内容を確認することが必要です。
スキル面でお悩みの方は、待機期間中はスキルを身につける機会として活用する以下の方法もあります。
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・新しいプログラミング言語の習得
・フレームワークの学習
・資格取得などに取り組む
学習内容は、市場のニーズや自分のキャリアプランに合わせて選択することが重要です。
まとめ
SESの待機期間とは、次の案件が決まるまでの自社や自宅で待機する期間のことです。スキル不足や面談準備不足、企業の営業力不足などが原因で発生します。法的には待機期間中も給与は支払われ、待機期間の長さを理由とした解雇は認められていません。
待機期間を短縮するためには、スキルアップ、面談対策の実施、希望条件の見直し、企業選びが重要です。特に、案件が豊富で待機期間中のサポート制度が充実している企業を選ぶことで、空白期間を有効活用できます。
この記事を参考に、SESの待機期間を短縮するために、自分の状況に合った対策を試してみてください。
※本記事は2025年8月時点の情報を基に執筆しております