LPICの難易度一覧

はじめにLPICの難易度を、経済産業省のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が定めるITSS(ITスキル標準)に基づいて整理します。ITSSは、ITエンジニアのスキルレベルを客観的に示すものであり、レベル1(初級)からレベル7(高度専門職・戦略担当)まで段階的に設定されているのが特徴です。
各資格がどのレベルに相当するかを知ることで、今の自分に合った目標設定がしやすくなります。
| 科目名 | 特徴 | ITSS レベル |
|---|---|---|
| LPIC-1 | Linuxの基本的な知識と操作スキル | レベル1 |
| LPIC-2 | LPIC-1に加えてより高度なLinuxシステム 管理およびネットワーク設定などが必要 |
レベル2 |
| LPIC-3 混在環境 |
WindowsとLinuxの異種混在環境での連携 が中心でありLPIC-3の登竜門 |
レベル3 |
| LPIC-3 セキュリティ |
暗号化、アクセス制御、セキュリティ方針 設計などセキュリティのプロフェッショナル向け |
レベル3 |
| LPIC-3 仮想化 とコンテナ化 |
仮想化やコンテナに関する技術 | レベル3 |
| LPIC-3 High Availability and Storage Clusters |
クラスタリング/高可用性構成/ 分散ストレージに関する設計と運用 |
レベル3 |
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【レベル別】LPICの試験概要
LPICは、カナダに拠点を置く非営利団体、Linux Professional Institute(LPI)が提供するLinux技術者向けの世界共通資格です。日本国内のLPICは、当初、LPI-Japanが担当していましたが、2018年8月にLPI日本支部が設立されて以来、LPI日本支部が運営しています。
LPICは特定企業に依存しない資格として広く認知されており、インフラエンジニアやサーバー管理者の登竜門として評価されているのが特徴です。現在は180ヵ国以上で開催されており、これまでに35万人以上の認定資格保有者が誕生しています。
なお、以下はLPICの全レベルにわたる共通点です。
| 出題 形式 |
CBT方式 (コンピュータを使った試験) |
| 試験 時間 |
90分※1科目 |
| 出題数 | 各試験60問 |
| 開催 時期 |
随時 |
| 受験でき る場所 |
VUEテストセンター またはオンライン |
| 有効 期間 |
再受験またはより高いレベルを 達成しない限り5年 ※LPIC-3のみ5年 |
LPIC-1
LPIC-1はLPICの入門レベルであり、Linux環境のセットアップ・管理・保守など、インフラエンジニアとしての基礎力を身に付けているかを問われる資格です。
| 受験 資格 |
特になし |
| 対象 試験 |
101:インストール〜基本操作 102:運用管理・セキュリティ・ ネットワーク ※101試験と102試験の両方に 合格することで認定 |
| 受験 費用 |
15,000円/科目 |
| URL | LPIC-1公式 |
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LPIC-2
LPIC-2は、LPIC-1の知識をもとにより高度なLinuxシステム管理・ネットワーク設定を扱っています。複数台サーバーの運用や高度なネットワークサービスの設定など、エンジニアとして一歩踏み込んだスキルを証明できるのが特徴です。
| 受験 資格 |
有効なLPIC-1認定を取得していること |
| 対象 試験 |
201:OSレベルの高度な構築・チューニング・ ストレージ・ネットワーク設定 202:ワークサービス(DNS、Web、メール、 共有サービスなど)の実務構築スキル ※201試験と202試験の両方に合格することで認定 |
| 受験 費用 |
18,000円/科目 |
| URL | LPIC-2公式 |
LPIC-3
LPIC-3は、Linux技術者として最上位レベルの資格であり、4つの専門分野で構成されています。LPIC-2までの知識に加えて、専門分野に関する高度な知識やスキルを問われるため、いずれも難易度が高い点が特徴です。なお、他レベルとは異なり、単一科目の合格で認定取得が可能です。
| 受験 資格 |
有効なLPIC-2認定を取得していること |
| 対象 試験 |
300:Linux+Windows連携 303:セキュリティ設計・暗号化 305:仮想化・コンテナ技術 306:HA構成・クラスタ運用 ※各試験に合格で認定 |
| 受験 費用 |
18,000円/科目 |
| URL | LPIC-3 混在環境 LPIC-3 セキュリティ LPIC-3 仮想化とコンテナ化 LPIC-3 High Availability and Storage Clusters |
LPIC-3 混在環境(300)は、比較的取り組みやすい資格です。LPIC-3 仮想化とコンテナ化(305)は、仮想環境やコンテナに関する知識が必要となるため、やや難易度は上がります。
また、LPIC-3 High Availability and Storage Clusters(306)は、障害復旧や冗長構成を問われるため、実務経験がないとイメージしづらく難易度は高めです。LPIC-3 セキュリティ(303)は、暗号理論やアクセス制御に関する深い知識が求められるため、最難関といわれています。
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LPICと他IT資格の難易度は?
LPICは、同分野(Linux系)の「LinuC」やネットワーク系の「CCNA」あるいは「CCNP」と比較されやすい資格です。ここでは、それぞれの違いや難易度について解説します。
LPICとLinuC の違い
LPICは海外発の資格で設問も英語原文ベースなため、やや読解力が求められます。一方でLinuCは日本市場向けであり、日本語で学びやすいのが特徴です。
なお、各レベルの出題範囲はほぼ同等であり、下記の通り認定試験そのものの難易度は大きく変わりません。
| ITSS 難易度 |
LPIC | LinuC レベル |
|---|---|---|
| レベル4 | ー | LinuCシステム アーキテクト |
| レベル3 | LPIC-3 | LinuCレベル3 |
| レベル2 | LPIC-2 | LinuCレベル2 |
| レベル1 | LPIC-1 | LinuCレベル1 |
LPICとLinuCのどちらを取得すべきか迷っている人は、グローバルでも有効なLPICがおすすめです。
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LPICとCCNA・CCNP
CCNAとCCNPは、Cisco社が提供するネットワーク分野のベンダー資格であり、ネットワークの設定や構築など実務寄りの知識が求められます。ネットワーク未経験者にとっては、LPICよりも難しく感じるケースも少なくありません。
Linuxやサーバー管理のスキルを中心に学びたければLPIC、ネットワーク構築・Cisco機器等のスキルを身に付けたければCCNAやCCNPがおすすめです。なお、難易度はCCNAがITSSのレベル2、CCNPはレベル3相当とされています。
どちらの資格も、インフラ全体をカバーするLPICでサーバーの知識を身に付けた後に、CCNAでサーバー間の連携に対する知識を学ぶとスムーズです。
関連記事:Linuxのおすすめ資格LinuC・LPICとは?違いや難易度を解説
LPIC取得に向けたロードマップ
LPICは、レベル1から3へ段階的にステップアップするように構成されています。まずは基礎を固めるLPIC-1に着手し、その後、実務レベルのスキルを問うLPIC-2、さらに専門分野ごとの知識を深めるLPIC-3へと進むのがおすすめです。LPIC-3については、以下の順序で学ぶと効率的に合格を目指せます。
| 取得 順 |
資格 名 |
備考 レベル |
|---|---|---|
| 1 | LPIC-3 混在環境 (300) |
LPIC-2の延長線で対応できる 範囲が多い LPIC-3の基本となる位置付け |
| 2 | LPIC-3 仮想化と コンテナ化(305) |
実務でAnsibleを使っていれば、 比較的スムーズに学習可能 |
| 3 | LPIC-3 High Availability and Storage Clusters (306) |
環境構築の経験がないと 難しい 学習コストも高め |
| 4 | LPIC-3 セキュリティ(303) |
実務経験がある人やセキュリティ 分野に特化したい人向け |
なお、LPICは受験資格が設けられているため、初心者がいきなりLPIC-2やLPIC-3を受験することはできません。そのため、ここでは効率的にLPIC-1へ合格するためのロードマップを解説します。
1. 試験範囲を把握する
まずはLPI公式サイトで「試験範囲(オブジェクティブ)」を確認しましょう。出題テーマを明確にすることで学習の方向性が定まり、無理のない対策を実現できます。
2. 学習計画を立てる
試験日を目標に、1日あるいは1週間単位で無理のない学習スケジュールを立てます。初心者の場合、LPIC-1の合格に150〜200時間、IT経験者の場合は50〜100時間程度の学習が必要となるため、2〜3ヵ月(2時間/日)を目安に計画を組むことをおすすめします。
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3. 参考書などで全体像を理解する
はじめは1冊の参考書を通読し、試験の全体像をつかみましょう。細かい知識のインプットを行う前に概要や流れを理解しておくと、後の学習がスムーズになります。なお、最初から暗記するのではなく、章ごとのテーマや仕組みを「なぜそうなるか」に注目しながら読み進めることで、理解を深めることが可能です。
4. Linux環境を構築して実際にコマンド操作を行う
ある程度知識が身に付いたら、実践力を磨くことが重要です。実際に手を動かすことで、点と点だった知識が線になり定着します。「VirtualBox+Ubuntu」や「WSL(Windows Subsystem for Linux)」などでLinux環境を構築し、コマンド操作を繰り返すのが効果的です。
5. 問題集や模擬試験に取り組む
LPICの合格を目指すには、問題演習が必要不可欠です。市販の問題集やWeb上の模擬試験を活用してアウトプット力を鍛えましょう。また、実際の試験形式に慣れることで、時間配分や設問の傾向にも対応しやすくなります。
LPIC合格のメリット2つ
本章では、LPICに合格することで得られる主なメリットについて解説します。
インフラの構築・運用に必要となるLinuxの体系的知識が身に付く
LPICでは、ファイル操作やユーザー管理からサービス管理やセキュリティ設定に至るまで、Linuxを扱うために必要な知識が広範囲に問われます。そのため、Linux環境でのインフラ構築・運用に必要な「体系的な理解」を習得可能です。
また、実機演習を通じて「手を動かして覚える」ことが求められるため、机上の知識ではなく実務に即したスキルを習得できる点もメリットといえます。
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Linuxのスキルが可視化されるためキャリアアップや転職が有利になる
LPICは国際的に認知された資格であり、スキルの証明として履歴書や職務経歴書に記載可能です。特にインフラを扱う企業では、LPICを取得していることで「即戦力」としての評価を得やすくなる点がメリットです。
未経験からインフラエンジニアを目指す場合も、LPICを取得していれば基本的な知識があることをアピールでき、高評価につながります。
LPIC難易度に関するよくある質問
LPICの難易度について、受験を検討している方がよく疑問に思う点を回答します。
ぜひ参考にしてください。
Q1. 初心者でもLPICに合格できる?実務経験は必要?
初心者でもLPICは合格可能です。特にLPIC-1はユーザー管理やファイル操作など基本的な操作が中心となっているため、チャンスはあります。ただし、実践的なスキルを高めたい人は、仮想マシンやクラウド環境を活用して自分で手を動かしながら学ぶことをおすすめします。
Q2. LPICは独学でも合格を目指せるの?
LPICは独学でも合格できますが、効率を重視するなら学習サービスの併用が効果的です。最近は、書籍はもちろんUdemyなど独学で学べるコンテンツが増えています。なお、独学は不明点が発生しても自力で解決する必要があり、モチベーション維持が難しいのが特徴です。そのため、時間や効率を重視するのであればスクールや講座の活用がおすすめです。
まとめ
LPICは、Linux技術者にとって信頼性の高い認定資格の1つであり、グローバルに通用する点が魅力です。LPIC-1から順に学ぶことで、Linuxサーバー運用の全体像が自然に理解できるようになります。
なお、LPIC-2以上を取得すればキャリアアップや転職にも有効です。また、LPIC-3は専門分野に特化したキャリア(セキュリティ、クラウド、仮想化)を目指す上で強力な武器になり得ます。ぜひこの機会にLPIC取得にチャレンジしましょう。