SESエンジニアでコールセンター常駐に派遣されたら?電話対応のリスクやキャリア

この記事のまとめ
SES企業の中には売上優先のためにコールセンターへ常駐させるケースがある
コールセンター常駐では、開発スキルの習得や年収アップにつながりにくいリスクがある
自分のキャリアを守るためには、事前の情報収集や企業の見極めが重要
コールセンターに配属された場合でも経験を活かして次のキャリアへつなげる道がある
この記事の監修者
レバテックキャリア編集部
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実はコールセンター配属には、SES企業側の営業方針やビジネス構造が深く関係しています。ここでは、なぜSESエンジニアがコールセンターに派遣されるのか、その背景を5つの視点から解説します。
SES企業がコールセンター案件を優先して顧客企業に提案するのは、営業難易度が低く、受注につながりやすいためです。
コールセンター業務はマニュアルベースで未経験者でも提案しやすく、顧客企業からも受け入れられやすい特徴があります。
一方で、IDCの「2024年 国内デジタルビジネス支援サービス需要調査」では、「IT業務の内製化(企画・設計など上流工程)に取り組む企業」は75%にのぼり、企業は即戦力人材を重視し、未経験者の受け入れには慎重な傾向が見られます。こうした中、マニュアル対応が可能なコールセンター業務は、若手や未経験者を抱えるSES企業を中心に、現実的な選択肢となっています。

SES企業がコールセンター案件を積極的に取るのは、短期的な売上と利益を確保しやすいためです。
エンジニアが稼働すればするほど売上が発生するSESビジネスモデルにおいて、待機状態のエンジニアの空白期間(=売上ゼロ)を減らすことが重要となります。その点、コールセンター案件は即時にアサインしやすく、待機状態のエンジニアをすぐに現場に投入できるため、SES企業にとっては魅力的です。
SESは準委任契約であるため、エンジニアが常駐して稼働している時間に応じて報酬が発生する仕組みです。したがって、エンジニアの待機時間を最小限に抑えることは、収益維持に直結します。
こうした背景から、SES企業は利益を優先し、即時稼働可能な案件を選ぶ傾向があります。
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SES企業には取引先との関係維持も重要であるため、エンジニア本人の希望や適性よりも、配属先企業の要望が優先されるケースがあります。
例えば、顧客企業から「誰でもよいから人を出してほしい」といった要望があった場合、SES企業としては関係継続のために人材を確保し、即座に対応せざるを得ません。このような状況は、比較的配属しやすいコールセンター業務において発生することが多くなります。
もちろん、すべてのSES企業がこうした対応をしているわけではありませんが、現場では、エンジニア本人の希望や適性よりも、取引先との関係性が優先される場面があるのも実情です。
コールセンター常駐は、SES企業にとって実地訓練の場として都合がよく、研修コストを抑える手段として活用されることがあります。
未経験人材をいきなり開発現場に投入するのはリスクが高いため、まずは実務スキルを問われにくいコールセンター業務を通じて、社会人マナーや現場対応力を身につけさせようとする意図があります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が行った民間企業を対象とした「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(企業調査、労働者調査)(P1)」によると、教育訓練・研修を実施した企業は34.2%にとどまり、多くの民間企業で人材育成に十分なリソースを割けていないことが明らかになっています。

こうした背景から、SES企業でも人材育成が不十分なケースが多く、スキル習得よりも現場に慣れることを優先し、コールセンター常駐を初期教育の手段として位置づけている実態があると考えられます。
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SES企業の中には、個人のキャリアより自社の売上を優先し、エンジニアの適性や将来を十分に考慮せずアサインするケースもあります。
なぜなら、多くのSES企業ではキャリア相談や教育体制が十分に整っておらず、個人の成長よりも企業の稼働都合が優先されやすい構造にあるからです。
SESは準委任契約であるため「今、常駐できる人材」が価値として扱われやすく、技術力の向上や将来性といった観点が後回しにされがちです。本来、SES企業にはエンジニアのキャリア支援を行う責任がありますが、現場対応や営業優先の体制の中、そこまで手が回っていない企業も多いのが実情です。
そもそもSESというビジネスモデル自体が「個人のキャリア」よりも「企業の稼働都合」を優先しがちな構造であり、キャリア支援が機能しにくいという仕組み上の課題もあります。
このような環境下で成長していくためには、エンジニアが主体的に学び続け、自らのキャリアを見据えて相談や方向性の明確化に取り組む姿勢が欠かせません。
関連記事:【体験談】SESはやめとけといわれる7つの理由!未経験はよくない?
SESエンジニアがコールセンターに常駐し続けることには、キャリア形成の面でリスクが伴います。コールセンター業務は、ビジネスマナーや顧客対応のスキルを身につける場として一定の価値はあるものの、エンジニアとしてのスキルアップやキャリア形成を目的とする場合には、慎重に判断すべき働き方です。
具体的には、以下の3つのリスクが考えられます。
コールセンター業務では、設計・構築・開発といった専門的なITスキルを磨く機会がほとんどないのが実情です。業務の多くは、マニュアルに沿った一次対応や電話・メールでの顧客サポートであり、技術を深掘りする余地は極めて少ないといえるでしょう。
技術者としての市場価値を高めたいと考えている場合、コールセンターへの長期的な常駐はキャリアの停滞につながるおそれがあります。
コールセンター業務は専門性が低いとみなされがちで、昇給や単価アップにつながりにくいため、給与が伸びにくい傾向があります。
SESエンジニアにおいて高単価がつくのは「設計・構築・運用」などの専門スキルを要する領域であり、業務の難易度や希少性が評価に直結します。一方、コールセンター業務は属人性が低く「誰でも代替可能」と判断されやすいため、報酬に反映されづらいという現状があります。
実際に、レバテックキャリアに掲載されている求人を見ると、コールセンター業務を含むヘルプデスクとインフラエンジニアの平均年収には約30万円の差があり、インフラエンジニアの方が高い傾向にあります。
| 職種 | 平均 年収 |
年収 中央値 |
月収・ 給料 |
賞与 |
|---|---|---|---|---|
| ヘルプデスク | 419万円 | 450万円 | 26万円 | 52万円 |
| インフラ エンジニア |
443万円 | 450万円 | 28万円 | 55万円 |
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コールセンター常駐では、日々の業務がトラブル受付やFAQ対応などに偏りがちです。結果として、設計・構築・実装といった技術的スキルを活用する時間はほとんどなく、他のエンジニアとのスキル差が広がり、転職市場や案件選択の幅が狭まるリスクも出てきます。
このように、技術スキルの習得・収入向上・キャリア形成のいずれにおいても、コールセンター常駐は中長期的な視点では不利に働く可能性が高いのです。
もちろん短期間であれば社会人基礎力の向上に役立つ場面もありますが、将来どんなエンジニアになりたいかを見据えて早めに方向性を定め、スキルを磨ける環境へのステップアップを検討することが大切です。
関連記事:SESがブラックといわれる理由を解説!やばい企業の特徴も紹介
「入社したら開発案件に関われると思っていたのに、実際はコールセンターだった」という声は、SES業界でよく聞かれる“案件ガチャ”の典型例です。しかしこのような配属は、入社前の行動次第である程度は回避できます。
ここでは、コールセンター案件にアサインされないためにできる2つの具体策を紹介します。
関連記事:SESの案件ガチャって何?ハズレ案件の特徴や回避方法も解説
コールセンターへの配属を避けたいのであれば、入社前に企業や案件の実態を自分で調べておくことが不可欠です。
SES業界では「案件ありき」で配属が決まるケースが多く、事前に配属予定先や企業のアサイン傾向を知っておくことで、希望と現実のミスマッチを防ぎやすくなります。
例えば、OpenWorkや転職会議などの口コミサイトで企業を検索すると、「開発案件と聞いていたが実際はコールセンターだった」「研修がないまま現場に出された」といったリアルな口コミを閲覧できます。こうした情報は、企業選びにおいて有用な判断材料の1つとなります。
与えられる情報をただ受け取るだけでなく、自ら能動的に調べて判断する姿勢が、コールセンター配属のリスクを回避するうえで重要です。
SES業界に詳しい人に相談することで、表面化しにくい配属実態や企業の見極め方を知ることができます。
自分だけでは気づきにくい配属傾向や、求人情報ではわからない内部事情を把握するには、現役エンジニアやIT転職支援の専門家から直接話を聞くのが有効です。
例えば、IT特化型の転職エージェントであるレバテックキャリアでは、紹介先企業の配属実績や離職率などの詳細な情報を持っており、求職者のキャリア志向に応じた企業選びをサポートしています。
「誰に相談するか」という判断は、将来のキャリアを大きく左右します。SES業界の構造を理解している第三者に相談することで、希望しないコールセンター常駐といったリスクを回避しやすくなります。
関連記事:レバテックキャリアは相談だけでも利用できる!キャリア相談会など働き方をサポート
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未経験でSESに入社し、希望していなかったコールセンター業務に配属されたとしても、諦める必要はありません。キャリアを軌道修正するためには、現場で働きながら次のステップへ進む準備を早めに始めることが重要です。
ここでは、未経験で望まない配属になった場合の対処法を紹介します。
SES契約においては、案件の途中で現場を抜けることは状況によって可能です。SES契約の多くは「準委任契約」であり、3ヶ月〜6ヶ月単位、あるいは1年単位で契約更新されるのが一般的です。この契約更新のタイミングでは、エンジニア本人の意思や会社側の事業状況を踏まえて、現場変更が行われることがあります。
そのため、一度配属されたらずっと同じ現場にとどまり続けるというわけではなく、配属された現場が合わないと感じた場合、契約更新を上手に活用することで異動や再アサインの可能性もあります。
関連記事:
SESの案件を抜けたい時の対処法!穏便なのは更新タイミングでの離脱?
SESを辞めたい時の対処法と退職手順!1ヶ月前で辞められる?
望まないコールセンター配属であっても、更新時期をうまく活用し、社内調整と自己努力によって現場を変えることは可能です。以下のような手順を踏むことで、現場を変えるための具体的なアクションが取れるようになります。
1.更新のタイミングを確認する
2.更新時に抜けられるように、上司や営業担当に相談する
3.次の現場の面談を受ける
4.業務の引継ぎを行う
各ステップの詳しい進め方については、以下の関連記事で解説していますので、あわせて確認してみてください。
関連記事:SESエンジニアが合わない現場を変えたい時の手順や案件を抜ける方法
コールセンターでの経験を経て次のステップに進めたとしても、「この先どうキャリアを築けばいいのかわからない」と悩む人は多くいます。常駐を抜けた後は「どんなエンジニアになりたいか」を明確にし、自分の志向に合ったキャリアパスを選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な4つの方向性を紹介します。
SESエンジニアのキャリアには、技術力を深めるスペシャリストや、マネジメントや要件定義を担うゼネラリストなどさまざまなルートがあります。技術力を伸ばしたいと考えている人は、インフラエンジニアとして「運用→構築→設計」へとステップアップする道があります。
その際は、Linuxサーバの知識やネットワーク設計に関する資格(例:LPIC、CCNA)を取得すると、開発ではなくインフラ領域において専門性を高める選択肢が見えてきます。コールセンターで得た対人スキルや現場経験も、将来の選択肢に活かすことができます。
プログラミングスキルを活かして開発者としてのキャリアを築きたいと考えている人には、自社開発企業への転職を目指す道もあります。
自社開発企業では、設計から運用・改善提案に至るまで一貫してプロジェクトに関わることができ、より深いレベルでのスキル定着と成長が期待できます。
たとえ実務経験が浅くても、ポートフォリオやGitHubへのコード公開、勉強会参加などを通じて学習意欲や技術への関心を示せば、未経験OKの開発ポジションに挑戦するチャンスも十分にあります。
マネジメント志向がある人は、リーダー業務やプロジェクト管理の経験を積むことで、将来的にPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)といった管理職を目指すこともできます。
コールセンター業務で培った調整力やコミュニケーション能力は、チームをまとめたり関係者と連携を取ったりする場面で活かされ、管理系ポジションにおいて非常に重宝されます。
特定分野のスペシャリストを目指して、セキュリティ、クラウド、AIなどの先端領域に進む道もあります。これらの分野は深刻な人材不足が続いており、独学や資格取得を通じてスキルを高めていけば、中長期的に高い市場価値を持つエンジニアを目指すことができます。
いずれの進路を選ぶにしても、重要なのは「今の自分には何ができるか」ではなく「将来どうなりたいか」という視点を軸にキャリアを考えることです。
コールセンターからの脱却はあくまで通過点であり、エンジニアとしての可能性を広げるスタートラインに過ぎません。自分の志向や価値観に合った進路を見極めながら、一歩ずつ着実に前進していきましょう。
関連記事:SESのキャリアプランの描き方!理想のキャリアを実現する方法とは?
SESエンジニアとしてコールセンターに常駐する働き方には、スキルやキャリア形成の面で多くの不安がつきまといます。重要なのは、自分のキャリアに主体的に向き合い、現状に課題があるなら早めに動き出すことです。
「どのような選択肢があるのかわからない」「自分に合うキャリアが見えてこない」という人は、IT業界に特化した転職エージェントサービスであるレバテックキャリアへの相談を検討してみてください。
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