- アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる5つの理由
- アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる4つの瞬間
- やめておくべき?アプリケーションエンジニアが向いているか判断する指標
- アプリケーションエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる5つの理由

アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる主な理由には、以下の5つがあります。
それぞれの理由について詳しく解説するので参考にしてください。
求められる技術範囲が広くきつい
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる理由の1つは、求められる技術範囲の広さです。アプリケーションエンジニアの業務には、単なるコーディング技術だけでなく、OSやインフラ、システム設計のスキルなど幅広い技術が必要です。このように、幅広い技術を要求されることが、アプリケーションエンジニアにとって負担となる場合があります。
たとえば、Webアプリケーションを開発する場合、フロントエンドだけでなく、バックエンドやデータベース、さらにはインフラの知識まで求められることがあります。また、IT業界は技術の進化のスピードが速く、常に新しい言語やフレームワーク、ツールが登場するため、継続した学習が必要です。
この「幅広い技術を学び続けなければならない」という状況が、アプリケーションエンジニアの精神的な負担になっています。
コードレビューで指摘されるのが辛い
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる理由の1つは、コードレビューでの指摘による精神的な辛さです。アプリケーションエンジニアの業務では、自分の書いたコードを他者から批評されることがあります。
たとえば、チーム開発において先輩エンジニアや同僚からコードの問題点を指摘されると、自分の能力不足を感じてしまう場合があるでしょう。「このコードはもっと効率的に書けるよ」「このアルゴリズムは最適ではない」といった指摘は、建設的な意図であっても受け手側にとっては自信を失う要因になり得ます。また、オープンな場でのコードレビューの指摘は、ほかの社員にも見られることから、心理的プレッシャーを感じやすいです。
このようなコードレビューにおける指摘の辛さが、アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる原因になっています。
得意な領域以外の仕事がしんどい
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる理由の1つに、得意領域以外の仕事のしんどさが挙げられます。アプリケーション開発の現場では、必ずしも自分の得意分野を担当できるとは限りません。この「専門外の作業を強いられる」状況が、ストレスの原因となるのです。
たとえば、サーバーサイドエンジニアであってもフロントエンドのコーディングを求められる場合があります。また、バックエンドロジックが得意なエンジニアが、UIデザインやCSS調整に時間を取られるといった状況も少なくありません。
この「専門外作業のストレス」は、エンジニアとしてのモチベーション低下につながりやすいです。
開発やコーディングに対する細かい議論が面倒
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる理由に、開発やコーディングに対する細かい議論が面倒なことが挙げられます。技術的なこだわりは重要ですが、行き過ぎると生産性を低下させチーム内の摩擦を生む原因となる場合があります。
具体的には、以下のような項目について議論になりやすいです。
| 議論の 対象 |
議論の 内容例 |
ストレス 要因 |
|---|---|---|
| コード規約 | インデントはタブか空白か | 個人の好みによる相違 |
| 命名規則 | スネークケース/ケバブケースの どちらを採用するか |
既存コードとの一貫性 |
| パフォーマンス | 実行速度と可読性のどちらを優先するか | 優先順位の違い |
重要なアーキテクチャなどに関する議論は必要ですが、事業的に価値を感じられない議論が多くなると疲れを感じてしまう場合があります。このような「不毛な議論」に時間を費やすことへのフラストレーションが、やめとけといわれる理由の1つです。
開発物が正常に動作しているかが不安
開発物が正常に動作するかの不安も、アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる理由の1つです。開発したアプリケーションが本番環境で正しく動作するかという不安がストレスとなり精神的な疲労につながります。
たとえば、以下のような状況は特に不安を感じやすい場面です。
-
・システム改修後の初稼働時
・初めて担当した機能の本番投入時
・多数のユーザーが利用する重要なサービスのリリース時
この「正常に動くかどうかの不安」はアプリケーションエンジニアの心理的負担となっており、やめとけといわれる理由の1つです。
アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる4つの瞬間

アプリケーションエンジニアの仕事には、ほかの職業にはないやりがいもあります。ここでは、アプリケーションエンジニアが特に達成感や満足感を得られる4つの瞬間を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
作成したコードが想定どおり動作したとき
アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる瞬間は、作成したコードが想定どおり動作したときです。エンジニアとして成長を実感できる瞬間であり、それが次の挑戦への原動力となります。
たとえば、以下のような場面で喜びを感じられます。
-
・パフォーマンス改善のためにアルゴリズムを見直し、処理速度が劇的に向上したとき
・ユーザーからの難しい要望を実現するための機能を実装できたとき
この「自分の作ったものが動く」という体験はエンジニアリングの喜びであり、アプリケーションエンジニアのやりがいの1つといえます。
世の中に欠かせない仕事だと実感できたとき
アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる瞬間の1つが、自分の仕事が社会に価値をもたらしていると実感できたときです。自分が開発に携わったアプリが、実際に多くの人に使われたり、社会問題の解決に役立ったりしている口コミやニュースを見たときには、この上ない満足感が得られます。
具体的には以下のような状況が挙げられます。
-
・開発したECサイトで多くの取引が行われているのを見たとき
・医療系のシステム開発に携わり、医療現場の効率化に貢献できたとき
・自分が作ったモバイルアプリがストアでダウンロード数を伸ばしているとき
・災害時に自分が開発した情報共有システムが役立ったと知ったとき
このように社会的意義を感じられることが、アプリケーションエンジニアの大きなやりがいになっています。
自己成長を感じたとき
アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる瞬間には、自己成長を実感できたときが挙げられます。IT業界は技術の進化が速く、常に新しい知識やスキルを身につける必要があります。しかし、その分成長のスピードも速く、自分の能力向上を実感しやすい環境です。この「成長している自分」を感じられることが、多くのエンジニアにとって大きなモチベーションになっています。
特に、以下のような場面で成長を感じやすいです。
-
・以前は解決できなかった問題が解決できるようになったとき
・未経験の技術を習得して実務で活用できたとき
・以前より複雑なシステムの設計/実装を任されるようになったとき
このように、目に見える形での自分成長の実感が、アプリケーションエンジニアとしての大きなやりがいです。
クレジットに自分の名前が載ったとき
作品のクレジットに自分の名前が載ることも、アプリケーションエンジニアがやりがいを感じる瞬間の1つです。自分が開発に関わったプロダクトが形になると、達成感を得られます。
たとえば、以下のような状況でやりがいを感じやすいです。
-
・有名なOSSプロジェクトにプルリクエストがマージされたとき
・ゲームアプリのエンディングロールに名前が表示されたとき
・技術書籍やブログ記事で自分の開発した機能が紹介されたとき
クレジット表記は自分の努力と貢献が認められている証であり、アプリケーションエンジニアとしてのキャリアにおいても重要なポートフォリオになります。この「形に残る評価」が得られることも、アプリケーションエンジニアならではのやりがいの1つです。
やめておくべき?アプリケーションエンジニアが向いているか判断する指標
ここでは、アプリケーションエンジニアが向いているか判断するための4つの指標をご紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1つ目の指標は「働き方」
1つ目の指標は「働き方」です。アプリケーションエンジニアの仕事は、単純にコードを書くだけではなく、チームでの協働が不可欠な職種です。この「働き方」と自分の志向との相性は、長期的なキャリア満足度に密接に関わります。
近年ではリモートワークの普及により在宅できる職場も多いですが、その場合でもSlackやTeams、Zoomなどのツールを使ったコミュニケーションが必要です。また、定期的なオンライン会議やコードレビューなどにも参加する必要があることが一般的です。そのため、他者とのコミュニケーションを極力避けたい人や、自分のペースだけで仕事を進めたい人には、現代のアプリケーション開発の働き方は合わない可能性があります。
自分の働き方の好みとアプリケーションエンジニアの実際の働き方が一致しているかを考えることが、キャリア選択の重要な要素です。
リモートワークができるアプリケーションエンジニアの求人・転職情報>
2つ目の指標は「適性」
2つ目の指標は「適性」です。特に、プログラミングに対する興味や適性は、アプリケーションエンジニアとして長く活躍するために欠かせない要素になります。
アプリケーションエンジニアに向いている人の具体的な特徴は、以下のとおりです。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 必要に応じて新たな 技術を身につけられる |
新技術に興味関心がなくとも、 業務に必要であれば習得に向け取り組める姿勢 |
| 文書の読解力が高い | 仕様書やエラーメッセージなどを 読み解いて正しく理解する力 |
| コミュニケーションが 苦にならない |
チーム開発において適切な報告や相談、 調整などのやり取りができる力 |
| トラブル察知能力が高い | 障害や不具合の兆候にすぐ気づく力 |
| 顧客に直接感謝される機会が 少なくても問題ない |
利用者の反応が見えにくい中でもやりがいを 感じて取り組める姿勢 |
上記特徴がある方はアプリケーションエンジニアとしての適性があると考えられます。自分と照らし合わせて検討してみてください。しかし、これらの特性がないからといって、アプリケーションエンジニアという職種を諦める必要はありません。あくまでも参考として、判断材料の1つにしてみてください。
3つ目の指標は「年収」
3つ目の指標は「年収」です。キャリア選択において収入は重要な要素の1つです。アプリケーションエンジニアの収入水準が自分の期待や生活設計に合致しているかを検討しましょう。
レバテックキャリアの「アプリケーションエンジニアの平均年収・給料の統計」によると、アプリケーションエンジニアの平均年収は以下のとおりです。
| 平均年収 | 年収中央値 | |
|---|---|---|
| ITエンジニア全体 | 約504万円 | ー |
| アプリケーションエンジニア | 約441万円 | 約450万円 |
アプリケーションエンジニアの平均年収は441万円で、ITエンジニア全体の平均年収504万円と比較すると、63万円の差があります。ただし、年収は経験や技術力、勤務先企業によって変動します。特に、Web系企業やIT専業企業、外資系企業では、平均よりも高い報酬を提示していることが比較的多いです。
キャリアを検討する際は、アプリケーションエンジニアとしての収入見込みが自分の期待に合うかも重要な指標となります。
4つ目の指標は「将来性」
4つ目の指標は「将来性」です。アプリケーションエンジニアの将来性を客観的に分析することで、続けるべきか、転職するべきかの判断材料になります。
アプリケーションエンジニアの将来性は高いです。スマートフォンの普及や企業のDX推進により、アプリケーション開発の需要は高い水準を維持しています。また、AIやIoT、クラウドなどの技術を活用したIT投資も盛んなため、アプリケーションエンジニアの需要は今後も高まるといえるでしょう。
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アプリケーションエンジニアに関するよくある質問
アプリケーションエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Q1. アプリケーションエンジニアに向いている人の特徴を教えてください
アプリケーションエンジニアに求められる資質は、新技術への適応力や文書読解力、コミュニケーション能力です。また、問題発見能力が高く、直接的な評価にこだわらない人もアプリケーションエンジニアへの適性があるといえます。
Q2. アプリケーションエンジニアに必要な資格は何ですか?
アプリケーションエンジニアにおすすめの資格は、基本情報技術者試験やシステムアーキテクト試験、応用情報技術者試験などです。これらの資格取得は必須ではありませんが、専門知識の習得や技術力の証明となり、キャリアアップにつながる可能性があります。
アプリケーションエンジニアにおすすめの資格の詳細は「アプリケーションエンジニアにおすすめの資格10選!難易度も紹介」をご覧ください。
まとめ
この記事では、アプリケーションエンジニアが「やめとけ」といわれる5つの理由や、やりがいを感じる4つの瞬間、適性を判断するための4つの指標を詳しく解説しました。
アプリケーションエンジニアがやめとけといわれる要因としては、広い技術範囲が必要なことや、コードレビューでの心理的負担、得意でない領域の作業に伴うストレスなどが挙げられます。しかし同時に、コードが想定どおりに動く喜びや社会貢献の実感、自己成長の手応えなど、やりがいも存在します。
「やめるべきか続けるべきか」の判断は、働き方や適性、年収、将来性といった客観的な指標と、自分自身の価値観や優先順位を照らし合わせることが重要です。
この記事の内容を参考に、自分の強みを活かし、やりがいを感じられる最適なキャリア選択を考えるきっかけにしてください。
※本記事は2025年7月時点の情報を基に執筆しております