AIエンジニアの勉強ロードマップ!初心者向けに何から学ぶかも解説!

最終更新日:2025年7月4日

「AIエンジニアになりたいが、どんな勉強をすればいいのだろうか?」
「独学でもAIエンジニアとして通用するスキルを身につけることはできるのか?」

AI技術の進化とともに、エンジニアとしてのキャリアに新たな可能性を求め、AI領域へのスキルシフトを考える方も多いでしょう。しかし、AIエンジニアに必要な知識やスキルセットは専門性が高く、どこから学べばよいのか、どの程度の知識が求められるのかといった不安もつきものです。

本記事では、現役エンジニアがAI分野へのステップアップを検討する際に役立つよう、AIエンジニアに必要な基礎知識、主な学習方法、継続のポイント、実務との関係、キャリアパスと差別化戦略などを体系的に解説します。

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この記事のまとめ

  • AIエンジニアは人工知能の基礎知識や数学・プログラミングの理解を固め、機械学習・深層学習の実装力を養う
  • ビジネス応用や業界ごとの活用事例を学ぶことで、実践的な視点が身につく
  • 自分に合った学習方法を選び、学習コミュニティやメンターの支援を活用すれば、効率的にスキルを伸ばすことが可能

AIエンジニアの学習を始める前に知っておくべきこと

AIエンジニアを目指す場合、以下の6つのスキルの習得がおすすめです。

スキル 概要
MLOps 機械学習の運用・
管理を行う知識
プログラミング
スキル(Python)
AI開発において中心的な言語。
ライブラリも豊富
数学的知識 線形代数、微分積分、確率統計など、
機械学習の理解に必要な基礎数学
機械学習・ディープ
ラーニングの知識
AIモデルの構築や訓練に
不可欠な技術
データベースの
運用スキル
大量のデータを扱う
ための知識
クラウドやITインフラ
の基本知識
AIシステムの実装や運用に
関連する技術

これらの知識を習得することで、AIエンジニアとして活躍できるようになるでしょう。

関連記事:機械学習エンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、将来性などを解説

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AIエンジニアの学習ロードマップ

AI領域の学習は広範囲に及ぶため、必要なスキルセットを取得するには、以下のように使えるスキルを最短で身につけるための学習戦略が不可欠です。

人工知能を学ぶための前提知識を身につける

AIエンジニアを目指すうえで、まず人工知能の基本概念や歴史的背景を理解することが重要です。

AIの理論や技術を学ぶ前に、その成り立ちや社会に与える影響を把握することで、学習の意義と方向性を正しく理解できるようになります。
特に以下の書籍は、前提知識の習得におすすめです。

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 』(松尾豊、角川EPUB選書)
2014年執筆であるため情報がやや古いが、AIの概要や歴史を深く知ることができます。

AI白書 2025 生成AIエディション』(東京大学 松尾・岩澤研究室)
AIの概要や活用方法をはじめ、安全性や法規制について知ることができ、これらを視野に入れたエンジニアリングが可能になります。
基礎知識と最新動向の両面からアプローチすることで、AI学習の土台をしっかりと築くことができます。

数学・統計・プログラミングスキルを身につける

AIの理解と実装には、数学・統計・プログラミングの基礎スキルが不可欠です。これらの知識がなければ、データの扱いやモデルの仕組みを理解・応用することが困難となり、AI開発の質が大きく損なわれます。

数学では線形代数・微分積分・確率統計などの基礎が必要であり、統計学の知識はデータの傾向分析やモデル評価に直結します。プログラミングではPythonが主流で、NumPyやPandasなどのライブラリを用いたデータ操作のスキルが求められます。

これらのスキルを体系的に学ぶことで、AIを構築・応用するための基盤が整い、次のステップにスムーズに進むことができます。

機械学習・深層学習を学ぶ

機械学習や深層学習の習得は、AIエンジニアとして実践力を高めるうえで要となるステップです。これらの技術はAIの中核を担っており、アルゴリズムやモデルの構築・運用に直接関わります。

scikit-learnを使った回帰・分類・クラスタリングといった基本アルゴリズムの実装から始め、深層学習ではTensorFlowやPyTorchを用いたニューラルネットワークの構築が重要です。

深層学習教科書 ディープラーニング G検定公式テキスト』などを活用し、理論と実践の両方をバランスよく学ぶことが推奨されます。理論理解と実装経験を積むことで、実務に活かせるAI開発スキルが身につくでしょう。

AIを活用したビジネス事例を学ぶ

AIの実践力を高めるには、ビジネス現場での活用事例を学ぶことが効果的です。実際にどのようにAIが業務課題の解決に使われているかを知ることで、自らのスキルをどのように活用できるかが明確になります。

GoogleやAmazon、Microsoftなどのクラウド事業者によるAI活用事例を調査したり、一般社団法人人工知能学会のセミナー一般社団法人情報処理学会の情処ウェビナーに参加することで、実践的なノウハウや応用事例に触れることができます。

現場での成功・失敗事例を学ぶことにより、AIスキルを現実の課題解決に結びつける力が身につくでしょう。

データの集計・可視化スキルを磨く

データ集計・可視化のスキルは、AIモデル構築の精度を左右する重要な技術です。可視化によりデータの全体像や傾向、異常を把握できるため、適切な前処理やモデリングが可能になります。

プログラミングスキルとして学んだPythonでは、Matplotlib、Seabornなどのライブラリを用いてヒストグラムや折れ線グラフなどを作成できるため、データの構造を直感的に理解できます。

視覚的な分析力を養うことで、説得力のあるAI開発やプレゼンテーションにもつながります

職種・業界別に知識を広げていく

AIエンジニアとして活躍するには、目指す職種や携わる業界に応じた専門知識を深める必要があります。AI技術は応用範囲が広いため、汎用的なスキルに加え、それぞれの分野でどのようにAIが使われているかを理解することが、実務で成果を出すうえで欠かせません。

職種別のAIの活用例は以下の通りです。

職種 活用例
研究者 AIのアルゴリズムや理論そのものの研究・開発を行い、技術の進化に貢献する
データサイエンティスト 統計解析や機械学習を用いて、ビジネス課題をデータで解決する
AIエンジニア 学習モデルを設計・実装し、AIを製品やサービスに組み込む開発を担当する
ビジネス(経営者、コンサル、企画) AI技術の価値やビジネスインパクトを見極め、導入判断や戦略立案、導入を推進する

さらに、業界ごとにAIの活用シーンは大きく異なります。例えば、製造業では画像認識を活用した異常検知や予防保全、医療分野では診断支援や医用画像解析、金融業界では与信判断や不正検知、小売・マーケティング業界ではレコメンドや需要予測など、業務課題に適した導入が行われています。

自分のキャリアビジョンに応じた専門性を身につけることで、AIエンジニアとしての市場価値と貢献力が大きく向上します。

関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説

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AIエンジニアになるための勉強法

AIエンジニアの知識を習得するには、以下の勉強法から自身に合う手法を取捨選択し、実行することが求められます。

書籍を見ながら自分で手を動かす

書籍を使った独学は、基礎からじっくり学びたい人に向いています。体系的に整理された内容をもとに、段階的に知識を積み上げることが可能です。

特におすすめの書籍は、以下の2つです。

【初心者向け】
『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(山口 達輝 、 松田 洋之)
機械学習やディープラーニングの基本を図解形式で解説しています。人工知能の基礎知識から始まり、教師あり・なし学習、ディープラーニングの基礎知識など、機械学習の主要なトピックを網羅している点が特徴です。数学的な専門知識がなくてもアルゴリズムの全体像を理解しやすく、コードに入る前の土台作りとして非常に有用です。

【上級者向け】
『データ収集からWebアプリ開発まで 実践で学ぶ機械学習活用ガイド』(吉崎亮介 、 山口純平 、 鹿野高史 、 小松博 、 佐藤芳樹)
データ収集からWebアプリ開発までのプロセスを実践的に学べる内容です。Pythonの基礎から始まり、機械学習システムの構築、教師あり学習アプリの開発、自然言語処理アプリの構築など、実践的なプロジェクトが紹介されています。理論にとどまらず、実務に近い形でプロジェクトベースの学習ができ、AIを実用的なサービスに落とし込むスキルが養われます。

スクールに通う

スクールに通って学ぶ場合、実務に即したカリキュラムのもと、専門家からの指導を受けながら効率よくスキルを習得できます。ただし、費用が高額になることや自分自身のペースで学べないことなどのデメリットもあります。スクールは短期間でのスキル習得を目指す人や、転職・副業を見据えた学習に最適です。

メリット デメリット
・カリキュラムが整備されており効率的
・講師やメンターからのサポートあり
・実務に近いプロジェクト経験が積める
・費用が高額になる傾向あり
・自分のペースとは合わない場合がある
・希望通りのスキルを学びにくい可能性がある
・実践的なスキルが身につきにくい可能性がある

オンライン講座・学習プラットフォームの活用

オンライン講座や学習プラットフォームを活用することで、体系的かつ効率的にAIの知識を習得できます

自分のペースで学習を進められるうえ、最新の技術や実践的なスキルを学べるコンテンツが豊富に提供されています。

例えば、CourseraUdemyでは、機械学習やディープラーニングに関するコースが多数用意されており、自分のペースで学習を進めることが可能です。

オンライン学習を取り入れることで、場所や時間にとらわれずにAIエンジニアとしてのスキルを磨きやすくなります。

勉強会やセミナーに参加する

勉強会やセミナーを通じて学ぶことで、参加者や講師との交流が生まれます。モチベーションの維持や最新情報の入手、アウトプットの場としても有用です。

KaggleSIGNATEなどのデータサイエンスコンペティションに参加することで、実践的なスキルを磨くことができるでしょう。

勉強会やセミナーに参加すると、他の学習者と交流がもてたり、独学では得られない視点を得たりすることができる一方、自分自身が必要な勉強会がなかなか見つけられないなどのデメリットもあります。

メリット デメリット
・他の学習者との交流が刺激になる
・最新トレンドや実務的な視点が得られる
・実践的スキルを磨くアウトプットの場になる
・イベントを見つけるのに手間がかかる
・初心者には難易度が高いものもある

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AIエンジニアの勉強を継続・加速させるためのコツと戦略

AIの勉強は長期戦になりやすく、特に仕事と並行しながら学び続けるには戦略が必要です。ここでは、学習継続のための実践的なコツと工夫を紹介します。

効率的な学習ロードマップの立て方

AIエンジニアを目指すうえでは、明確な目的と段階的な学習計画が不可欠です。AI技術は幅広く、機械学習、深層学習、数学、プログラミングなど多岐にわたるため、無計画な学習では挫折しやすい傾向があります。

学習の第一歩として学ぶ目的を明確にし、次にAIに関する知識・スキルの全体像を把握し、機械学習や深層学習の基礎、数学や統計学、Pythonの基礎を学ぶことが推奨されます。

目的を明確にし、段階的な学習計画を立てることで、効率的にAIエンジニアとしてのスキルを習得しやすくなります。

関連記事:AIの勉強方法は?勉強するメリットやロードマップを解説

学習コミュニティとメンターの活用

学習コミュニティやメンターの存在は、学習の質と継続性を高めるうえで有効です。他の参加者とのリアルタイムなフィードバックが得られる学習コミュニティやメンターの活用は、疑問や課題を即座に解決できるため、学習スピードの向上が期待できます。

例えば、QiitaZennでユーザー同士の交流を行う方法や、MENTAなどのメンターマッチングサービスによってメンターを探す方法などが挙げられます。

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AIエンジニアとしてのキャリアパスと差別化戦略

AIエンジニアとしてのキャリアを考える場合、自身の強みや目指す領域を明確にし、スキルの幅と深さをどう伸ばすかが重要です。ここでは、代表的なキャリアの方向性と差別化のための視点を紹介します。

AIエンジニアの主なキャリアパスを理解する

AIエンジニアは、技術職からマネジメント職、コンサルタント職など多様なキャリアパスを描ける可能性があります。AI技術の進展とともに、専門知識を活かした上流工程への関与や、プロジェクト全体のマネジメントを担う役割が求められるようになってきています。

また経済産業省の『生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024(P5) 』によると、日本における生成AI市場の需要額は2030年までに約1.8兆円の規模に拡大する見込みで、将来性も高いことがうかがえます。

需要の高いAIエンジニアとして技術力を基盤にしつつ、ビジネススキルやマネジメント能力を磨くことで、幅広いキャリアの選択肢を持つことができると考えられます。

関連記事:未経験でAIエンジニアに転職できる?20~40代の求人例や採用要件

差別化に有効な専門分野・技術領域を選ぶ

特定の業界知識や専門技術を深めることで、AIエンジニアとしての差別化につながる可能性があります。AI技術の汎用化が進む中、業界特有の課題に対応できる専門性も大切になるためです。

例えば、製造業や物流分野でAI技術と組み合わせた専門知識を持つことで、他のAIエンジニアとの差別化を図る場合を考えてみましょう。具体的には、画像認識技術を活用した品質検査の自動化や、過去の販売データをもとにした需要予測と在庫最適化などが挙げられます。

特定の業界や技術領域における深い知識と経験は、AIエンジニアとしての競争力を高める鍵となります。

年収アップ・転職成功に向けたポイント

実績の可視化と適切なタイミングでの転職活動が、年収アップや転職成功の可能性を高めます。

厚生労働省の『職業情報提供サイト job tag(AIエンジニア)』によると、国内におけるAIエンジニアの平均年収は約628.9万円であり、国税庁の『民間給与実態統計調査(P7、令和5年分の調査結果)』で発表されている国内平均年収約460万円を大きく上回っています。

これは、AIエンジニアに求められる専門性の高さと、企業側の人材獲得ニーズが強まっていることを示しています。

また、AIエンジニアの需要が高まる中で、企業は即戦力となる人材を求めており、具体的な成果やスキルを示すことが重要です。過去のAIモデル構築経験やデータ分析成果、機械学習プロジェクトの概要などをポートフォリオとして整理し、GitHubなどで公開することで、採用担当者にスキルセットを伝えることができます。

自身のスキルや実績を明確に示し、需要の高いタイミングで転職活動を行うことを心がけましょう。

関連記事:AIエンジニアの年収は?傾向や年収アップの方法を解説

まとめ

本記事では、AIエンジニアに必要なスキルセットから効果的な学習方法、継続のコツ、キャリアパスの描き方までを網羅的に解説しました。

特に重要なのは、単に技術を学ぶだけでなく、ビジネスへの応用や業界特有の知識を組み合わせて実務で使えるスキルに昇華させることです。また、コミュニティやメンターを活用し学び続けることで、継続的な成長が可能になります。

AIエンジニアとして活躍する未来を描くために、まずは自分に合った学習スタイルとロードマップを設計し、一歩ずつ着実にスキルを積み重ねていきましょう。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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