- SESの経歴詐称とは?
- 経歴詐称がもたらすリスク
- 経歴詐称がばれたらどうなる?
- 経歴詐称は自分がつらくなるだけ
- SES企業による経歴詐称の法的リスクを知る
- SES企業による経歴詐称を回避するためのポイント3選
- 入社後に経歴詐称を強要された際の対策
- SESの経歴詐称に関するよくある質問
- まとめ
SESの経歴詐称とは?
SES業界における経歴詐称とは、エンジニアの実務経験やスキルを事実よりも良く見せて、案件にアサインされやすくする不正行為のことです。
SESでは、顧客が求めるスキルセットを満たさないと契約が難しいため、下記のようにスキルシートを偽って提案する企業も存在します。
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・未経験者を「経験者」として記載する
・研修期間を「実務経験」として換算する
・学習経験しかない技術を「実務で使用」と記載する
例えば、Java未経験者に「Java案件で半年実務あり」と書かれた経歴書を渡し、現場に送り込むケース。こうした行為は、エンジニア本人にとっても大きなリスクです。
このような経歴詐称は企業と本人の信頼を損ねる深刻な問題であり、決して軽視すべきではありません。
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経歴詐称がもたらすリスク

「少し盛っておけば案件にアサインされる」と軽く考えられがちな経歴詐称ですが、実際にはSES企業・エンジニア・顧客それぞれに深刻なリスクが潜んでいます。ここでは、下記の不利益について具体的に解説します。
損害賠償を求められる
SES契約では、SES企業が提供する「人材のスキル水準」も契約条件の一部です。経歴詐称で顧客に損害が出た場合、SES企業、場合によってはエンジニア個人にも賠償責任が発生する可能性があります。
実際、経験者として常駐したエンジニアが業務に対応できなかったため顧客側がプロジェクトを中断し、契約違反として違約金を請求した事例※もあります。
このように、経歴詐称はモラル違反であるだけでなく、法的責任や金銭的なリスクを伴う重大な問題です。
※参考:経歴詐称強いたSES企業経営者が二審も敗訴、「逸失利益」認定改め賠償額1.5倍に
顧客企業からの信頼を失い、契約を打ち切られる
顧客は、提示された経歴に基づいて業務を任せられるかどうかを判断します。そのため、詐称が発覚すれば「契約違反」とみなされ、継続的な取引が困難になります。
当該案件が打ち切られるだけでなく、その顧客との再取引が事実上不可能になるケースもあります。
経歴詐称は顧客企業からの信頼を失い、他の案件にも悪影響を及ぼしかねません。
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新規案件獲得が困難になる
顧客企業や元請けからの信用を失うと、案件紹介のルートが細くなり、エンジニアがアサインされる機会も減っていきます。
特に大手SIerやエンドユーザー企業は取引先のコンプライアンス体制に敏感であり、一度でも経歴詐称などの不正が発覚した企業とは再契約を避けるケースが少なくありません。さらに、経歴詐称を企業ぐるみで行っていたことが判明した場合、厚生労働省や労働局から「業務停止命令」や「業務改善命令」などの行政処分を受ける可能性があります。
これはSES企業の評判低下にとどまらず、事業継続そのものを脅かすリスクです。
顧客企業視点ではプロジェクト全体の進行に遅れが生じる
顧客企業が想定しているスキルが備わっていない場合、担当工程の品質低下や進捗の遅延を招きます。これは顧客企業にとって深刻な損失となります。
一人の経歴詐称が関係者全体の信頼とスケジュールに影響するため、顧客企業側も警戒を強めています。
経歴詐称がばれたらどうなる?
エンジニアがSES企業にスキルシートの経歴詐称を強いられた際、「ばれないだろう」と許容してしまうと、以下のような取り返しのつかない事態を招くことがあります。
プロジェクトから外される/退場させられる
経歴詐称が発覚すると、即座にプロジェクトから外される、いわゆる「現場退場」となることがあります。
顧客に「話が違う」と判断されれば、エンジニアに悪意がなくても「契約を打ち切られる」事態につながります。
その場合、同じ現場に戻ることはほぼ不可能であり、当該企業の他のエンジニアもアサインできなくなるなど、SES企業全体の信頼も失墜します。
懲戒解雇や損害賠償、経歴の傷が残る
重大な詐称はエンジニア個人のキャリアにも大きな傷を残します。
企業の指示であっても本人が同意していた場合、懲戒処分の対象になる可能性があります。ごくまれではありますが、民事的責任として求償請求されるケースもあり得ます。
「詐称すればなんとかなる」という考えは危険で、得られるものより失うものの方が圧倒的に大きいということを忘れてはいけません。
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経歴詐称は自分がつらくなるだけ
「会社に言われたから仕方なく」と詐称に踏み切ると、待っているのは不安と停滞です。ここでは、詐称がもたらす下記のような心身への負担やキャリアへの影響について解説します。
常にばれる不安にさらされる
実際のスキルと期待値が乖離していれば、質問に答えられない、ツールが使えないなど些細なことで詐称が発覚するリスクがあります。
例えば、未経験なのに「経験1年」とされて配属されると、朝会【定例ミーティング】で発言できない、基本操作でつまずくなど、知識不足が露呈しやすくなります。その結果、安心して働けず、「ばれる恐怖」を感じて常にストレスにさらされる可能性があります。
評価が下がり、案件紹介も減る
スキルに見合わない現場に配属されると、周囲からの評価はどんどん下がっていきます。
設計の意図がわからない、ドキュメントの読み方を知らないといった状態が続けば、周囲のメンバーも「信頼できない」と判断せざるを得ないためです。
評価が下がることで以降の案件紹介も減り、キャリアに負のループが生まれかねません。
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成長機会を逃し、キャリアが停滞する
本来であれば、少しずつ技術を学び、適切なサポート環境のもとで成長すべきところを、いきなり高難易度の案件に投入されると「わからないことすらわからない」状態になり、学習意欲を削がれてしまいます。
周囲の目が気になり、質問もできなくなる状態を招き、結果、経験を積むどころか何も得られないまま、次の現場でも同じように苦しむという悪循環に陥ります。
「経験を積めるなら多少の詐称は……」という考えは危険で、実際はスキルも評価も得られず、キャリアが停滞してしまいます。
SES企業による経歴詐称の法的リスクを知る
SES企業がエンジニアの経歴を故意に偽って営業活動を行うことは、法的にも重大なリスクを伴います。
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【主なリスク】
・契約違反(民法第415条「債務不履行」・民法第1条第2項)
準委任契約において、提示スキルに見合う業務が提供されない場合は債務不履行とみなされる。
・刑事責任(刑法第246条「詐欺罪」)
顧客に損害を与えた場合、詐欺罪が成立し刑事責任を問われる可能性がある。
・労働関連法違反(労働者派遣法や職業安定法)
労働者派遣法や職業安定法に抵触した場合、厚生労働省や労働局から業務停止命令や業務改善命令などの行政処分を受けるリスクがある。
このような処分が下されると、企業の信頼と経営に深刻なダメージを与える結果となりかねません。関与を強いられたとしても、懲戒処分やキャリアへの悪影響など、エンジニア自身にも実害が及ぶ可能性があるため、早めの対応が不可欠です。
SES企業による経歴詐称を回避するためのポイント3選
「入ってみたら経歴詐称が当たり前の職場だった」といった企業選びの失敗を防ぐためには、応募前/入社前の見極めが何より重要です。ここでは、エンジニアが詐称リスクのある企業を見抜くための3つのチェックポイントを紹介します。
1. 求人票や募集要項の違和感を見逃さない
「未経験歓迎・即戦力募集」のような矛盾した文言や、「研修あり」と書かれているにもかかわらず研修内容が不透明な求人には注意が必要です。実態のない名ばかり研修しか行われず、十分な基礎が身についていないまま現場に放り出されるケースがあるためです。
特に「顧客先に1人で派遣される案件」は詐称の温床になりやすいため注意が必要です。
少しでも気になる点があれば、面接や面談の場で「実際の研修内容」「現場配属前のサポート体制」「現場のアサイン方法」などを具体的に質問することが重要です。
いわゆるブラックといわれるSES企業の特徴については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SESがブラックといわれる理由を解説!やばい企業の特徴も紹介
2. クチコミサイトや退職者の声を確認
社員や退職者の声は、実際の職場環境や営業体制、教育体制を知るための貴重な情報源です。
特に「スキルを偽って案件に出された」「相談しても取り合ってくれない」などの投稿が目立つ企業は注意しましょう。
OpenWorkや転職会議などのクチコミサイトでは、「○○というSES企業は経歴詐称を前提に営業してくる」といった内部告発的な書き込みもまれに見受けられます。一方で、丁寧な面談やスキルシートの精査をする企業、教育制度が整っている企業は詐称リスクが低い傾向にあります。
求人票よりもクチコミの方が本音に近いため、複数サイトで調査することをおすすめします。
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3. 面接時の違和感や情報の不自然さに注意
面接でのやり取りは、その企業の価値観を表す鏡と言えます。
「未経験でも書き方次第でいける」「スキルはあとで身につければいい」といった発言があれば、それは詐称を前提にしている可能性が高いでしょう。
また、面接後に職務経歴書の内容を勝手に変更されるケースもあります。「この内容で提案してもいいよね?」と確認された場合も警戒すべきです。
曖昧な説明や押しつけがましい姿勢が見えたら、毅然と辞退しましょう。
入社後に経歴詐称を強要された際の対策
「入社後に“経験3年と書いてくれ”と言われた」といった事例は、他人事ではありません。では、そんなときどうすればいいのか、拒否の仕方、相談窓口の活用法、そして最終的な転職判断まで、自分を守るための具体的な対策を解説します。
拒否する際は断るべき合理的な理由を明確にし、記録に残す
経歴詐称を強要されたときは、曖昧に流さず「できない」とはっきり断ることが、自分のキャリアを守ることにつながります。
曖昧な態度をとると「了承した」とみなされてしまい、のちのトラブルの責任を押し付けられるおそれがあるためです。
断る際は感情的にならず、「そのような虚偽記載はトラブルの原因になる」「法的なリスクがある」といった合理的な理由を伝えましょう。口頭だけのやりとりにせず、メールやチャットのログを残しておくことが自己防衛になります。
例えば「未経験を1年経験と書いてくれ」と言われた際、「法的に問題があると認識していますので対応できません」とメールで返信しておけば、のちに証拠として活用できます。
会社内の相談窓口や労基署などへ相談する
上司に相談しても改善されず、むしろ圧力を受けるような場合は、労働基準監督署や「労働条件相談ほっとライン」など、公的機関に相談しましょう。
経歴詐称が企業ぐるみで行われている場合、一人で解決するのは困難であるためです。
仕事の悩みを一人で抱え込む必要はありません。相談すべき相手を間違えなければ、解決への道は開けるはずです。
早めの転職を検討する
企業体質に問題があると感じたら、無理に耐え続けるよりも、早期に転職を検討することが合理的です。
ITエンジニア専門の転職支援サービス「レバテックキャリア」では、SESから自社開発・受託開発・社内SEへのキャリアチェンジを実現した事例が多数あります。自分のスキルを正当に評価してもらえる企業で働くことで、将来への不安が解消されたという声も多く寄せられています。
下記の記事には、レバテックキャリアで転職をした体験談が紹介されています。同じような体験をした人のリアルな話が紹介されているので、転職を検討している人は参考にしてみてください。
関連記事:
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SESの経歴詐称に関するよくある質問
SESの現場では、経歴詐称にまつわるトラブルや葛藤が後を絶ちません。ここでは、実際に多くのエンジニアが感じている疑問や不安について回答します。
Q1. 顧客は経歴詐称にいつ気づくのか
多くの場合、現場での業務対応を通じて詐称は露見します。例えば「JavaでWebアプリを一通り開発できる」と記載していたにもかかわらず、開発環境の立ち上げやGitの使い方でつまずけば、即座にばれるリスクが高まります。
プロジェクトに配属されてから最初の一週間が見極め期間です。詐称は想像以上にばれやすいと認識しておきましょう。
Q2. 経歴詐称を断ったらどうなるのか
正当な理由を伝えれば、不当な扱いは回避できます。
経歴詐称を拒否することは、法的にも正しい行動です。もしも断ったことで案件から外されたり、社内で不利益を受けたりすることがあれば、それは企業側の問題であるため、断ることに臆病になる【断ることを躊躇する】必要はありません。
とはいえ、断るには勇気が必要です。感情的なトラブルを防ぎ、自己防衛をするためにも、証拠(メール・チャットログ)を残しておきましょう。
このように自分を守る手段はあるため、理不尽に従う必要はありません。
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まとめ
SES業界では、「未経験でも経歴を盛れば案件に入りやすい」といった空気が一部に存在しています。しかしこの記事で見てきた通り、経歴詐称は想像以上にリスクが大きく、割に合わない選択です。
詐称をせず、スキルを正当に評価してくれる職場を選ぶことが、長期的な成長と安心につながります。
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