グロースハッカーに求められるスキルとは|向いている人の特徴も解説

最終更新日:2023年10月6日

グロースハッカーとは、会社や製品、サービスなどの成長(グロース)を加速させる、新しいマーケティング責任者です。あまり耳馴染みのない新たな業務のため、通常のマーケティング業務に必要なスキルの他に、身につけておくとよいものは多彩に存在します。

グロースハッカーは開発に携わる可能性もある職種です。そのため、HTML/CSSといった基礎的なプログラミング知識や、分析能力、Google Analytics、IllustratorやPhotoshopなどのスキルも身につけておくと、更に円滑で深みのある仕事ができます。

グロースハッカーの働き方に興味がある人に向け、グロースハッカーに必要なスキルや仕事内容などを解説していきます。

この記事のまとめ

  • グロースハッカーはGrowth(成長)とhacker(技術的知識を利用して課題を解決する人)を組み合わせた造語
  • グロースハッカーには技術的なスキルとマーケティングのスキルの両方が求められるが、日本ではマーケティング寄りのスキルの方が汎用性が高くて重宝される傾向がある
  • グロースハッカーは視野の広さと分析を掘り下げていく考え方の両方が求められ、どちらかに偏っていない方が好ましい

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グロースハッカーとは

グロースハッカー(Growth hacker)とは、Growth(成長)とhacker(技術的知識を持ち課題を解決する人)を組み合わせた言葉であり、グロースハックによって企業や製品、サービスにおけるマーケティング上の課題を解決して成長を加速させる人のことです。

グロースハックは主にITを活用して行うマーケティング業務のことであり、予算や期間なども流動的であり、誰にも成果がわからない前例のない手法を生み出したり、サービス開発に自ら関わったりと、その自由な取り組み方が特徴です。

グロースハッカーは、直接開発に関わることもあるため、基礎的なプログラミング知識は必須であるといえるでしょう。しかし、プログラマーに必要な専門知識を全て身につける必要はなく、HTML/CSS等のスキルを習得することで、自身の裁量によってコードを触ることができます。

グロースハッカーの仕事内容

グロースハッカーの仕事内容は、マーケティングに関わる業務全般です。たとえばWebサイトの最適化のためにSEO分析などを行いますが、分析して終わりではありません。分析結果を踏まえてサイトの改善やユーザーへのアプローチなども行います。

グロースハッカーは一般的なマーケターと呼ばれる職種に比べると、分析業務も分析結果をサービスに反映させる業務も深い傾向があります。

グロースハッカーの年収相場

レバテックキャリアの求人では、グロースハッカーの年収相場は800万円程度です。しかし年収の幅は広く、高いスキルが求められる案件では2,000万円を超えるものもあります。他のIT関連職種と比較しても、かなり高めの年収相場と言えるでしょう。

「グロースハッカー」と「マーケター」の違い

グロースハッカーとマーケターは類似職種です。業務内容に重複する点は多いでしょう。しかし、マーケターよりもグロースハッカーの方が業務内容が深い傾向があります。ときにはプログラミングでツール開発を行い、分析や改善に役立てます。

マーケターはサービスや製品を売り込むことを目標にしているため、いわば目先の利益を追求します。一方で、グロースハッカーは目先の売り込みよりも今後売れるためにはどのように改善していくべきかという根本的な部分を目標にしています。

グロースハッカーに必要なスキル一覧

グロースハッカーは企業の成長や規模拡大に大きな影響を与える存在であり、誰でも務まるというわけではありません。より高い効果を求めるには相応のスキルが必要です。

その中でも代表的なスキルをご紹介していきます。

統計学

統計学とは、特定のデータから性質や傾向を読み取ったり、これからどのような進展をしていくのか察知することです。昨今では、さまざまなデータからビジネスや経営上の決定を下す「データドリブンマーケティング」が主流となっており、統計学はその基本ともいわれています。

SQL

SQLは、データベース言語(問い合わせ言語)の一つであり、GoogleAnslyticsなどの分析ツールでは得られない情報の分析に使用します。

たとえば、SNS運用の際に人々の更新頻度や画像のアップ数、SNSの利用時間などの情報収集が可能となるのです。

A/Bテスト

A/Bテストとは、Aパターン、Bパターンの2つのパターンをそれぞれ試作してどちらの方が効果が出ているのかを分析するときに使用されます。

たとえば、インターネット上のバナー広告で写真やテキスト、文章をAパターンとBパターンで変え、どちらの方がより消費者の興味を引いてクリックを多く獲得できているかなどを分析します。

GoogleAnslyticsなどの分析ツール

GoogleAnslyticsやGoogle SearchConsoleはGoogleが提供している分析ツールであり、無料で使用できます。

主にWebサイトの分析に使用され、特定の期間内にサイトへ訪れた消費者の数や流入経路、サイトの滞在時間、サイト内でのアクションなどさまざまなデータ分析が可能です。

Webサイトを活用したマーケティングでは必要不可欠なツールともいえ、グロースハッカーにとっても重要なスキルです。

スクレイピング

スクレイピングとは、自動的に特定のWebサイトから収集した情報を加工したうえで抽出させるプログラムのことです。しかし、スクレイピングを行う際はいくつかの注意点があり、特に以下の3点に注意しましょう。


  • ・収集先のWebサイトからアクセスを拒否されることがある

    ・収集先のWebサイトがHTMLを変更してした際はプログラミングの修正が必要

    ・そもそもスクレイピングを禁止しているWebサイトもある

プログラミング

グロースハッカーは分析内容に合わせて既存のツールのプログラムを一部書き換えたり、ツールの仕様を把握するためにある程度コードを読めることなどが必要です。ゼロからアプリケーションを開発するようなプログラミングスキルは使わない場合が多いですが、高いスキルがあればより良いです。

どのようなプログラミングスキルが必要になるかはプロジェクトによって異なるので、その都度必要なプログラミングスキルを身に付ける姿勢も重要です。

マーケティング

グロースハッカーはマーケターと業務内容が重複している部分も多いため、マーケティングスキルが必要です。マーケティングスキルは幅広いですが、ツールによる機械的な分析スキル、サービスを見てユーザーニーズを把握する直観的な分析スキルなどが必要です。分析結果はサービスに落とし込む必要があるので、当然プロジェクトを進める実行力なども重要になります。

グロースハッカーの業務は技術的なスキルも役立つ

データサイエンティストが枯渇している日本国内では、国際的競争力を得るためにもデータサイエンティストの育成を積極的に行うよう行政が声がけをしています。そのため、大きなデータを誰にでも理解できるようにするために必要なものとして、エクセルによるモデリングがあります。

消費者がどのように自社のサービスを利用しているか知りたい場合にも、エクセルにあるピボットテーブルに入れるだけで、より深い発見へつなげられるのです。また、グロースハッカーは改修、改善など、低コストでハイリターンになるものをすぐに見積もり、開発者に指示を出すことがあるため、技術力にもある程度精通している必要があります。

最低限知っておきたいHTML/CSS等の他にも、HTMLやJavaScript、UX Design、Google Analytics,、IllustratorやPhotoshopなどの知識を身につけておくのも良いでしょう。

グロースハッカーに向いている人の特徴

先述したように、グロースハッカーの業務は誰でもできるというわけではなく、向いている人・向いていない人がいます。それでは、どのような人がグロースハッカーに向いているのか、主な特徴をご紹介していきます。

改善を推進する主体性がある

グロースハッカーは企業にとって大きな影響を与える存在であり、積極的に改善点の分析や技術者への指示が必要となります。

そのため、人から指示をされた方が良いという人よりも、自身が主体となって物事の改善を推進できる人の方が向いているでしょう。

泥臭さをいとわない

グロースハッカーは企業の成長や発展に貢献する業務であるため、一見華がある業務と思われがちです。しかし、その裏には地道な業務の積み重ねが必要であり、地味さや泥臭さが求められます。

そのため、地道な作業が苦手という方よりも、成果のためには地道さや泥臭さもいとわないという型の方が向いているのです。

幅広い知識のインプットに興味がある

先述したように、グロースハッカーはさまざまなツールの活用やマーケティングにおける幅広い知識のインプットが必要となります。

特にIT業界は発展速度が速く、数年のうちに目まぐるしく変化することでインプットしなければいけない知識が日々増えていきます。そのため、新しい知識や情報のインプットに興味がある人の方が向いているでしょう。

グロースハッカーになるには

多くの企業が成長や発展を目指しており、グロースハッカーの需要は高まっています。しかし、自身に合った企業を見つけるのは簡単なことではありません。

中には「何を基準に企業を選ぶべきか」「企業ごとの特徴がわからない」という方もいるでしょう。そんなときは、レバテックキャリアのアドバイザーがあなたのお悩みやご要望をもとに適切な企業を一緒に選んでいきますので、一度お気軽にご相談ください。

未経験からグロースハッカーになるのは難しいため、WebマーケターやWebエンジニアを経るのが一般的です。Webマーケターが技術を身に付けるか、Webエンジニアがマーケティングスキルを身に付けるとグロースハッカーに必要なスキルをある程度網羅できます。

そのため、現状のスキルや今後のキャリアプランによって優先的に独学で身に付けるべきスキルは変わってきます。

グロースハッカーに役立つ資格

グロースハッカーに役立つ資格は複数あります。グロースハッカーの業務範囲が幅広いためです。ここでは、難易度が高く、その分高い評価も得られる資格を挙げます。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験はプロジェクトマネジメントに特化した難関資格です。独立行政法人情報処理推進機構が実施している国家資格のうちの一つです。プロジェクトマネージャ試験の受験前に応用情報技術者試験に合格しているのが一般的で、応用情報技術者試験に合格すると午前試験が免除されます。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験も独立行政法人情報処理推進機構が実施している難関資格です。システムの基本設計、もしくは基本設計よりも上流工程の設計の概念を問うような問題が出題されます。システムアーキテクト試験も応用情報技術者試験に合格していると午前試験が免除されます。

グロースハッカーによくある質問

グロースハッカーに関するよくある質問と回答を紹介します。

Q1. グロースハッカーとはどういった意味ですか?

グロースハッカーは、Growth(成長)とhacker(技術的知識を利用して課題を解決する人)を組み合わせた造語です。技術的な知識も活用してマーケティングを行い、企業の販売に関する根本的な課題を解決し、利益の出る仕組みを作ることを目的とします。

Q2. グロースハッカーとマーケターの違いは何ですか?

グロースハッカーとマーケターの違いは、グロースハッカーの方が技術を活用する面が多く、また分析も課題解決も深掘りする傾向があります。マーケターが目先の販売を目的とするのに対し、グロースハッカーは販売の仕組み効率化などより根本的な部分に焦点を当てているためです。

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