- AIエンジニアはオワコンではなく将来性と需要のある職種
- AIエンジニアはオワコンと言われる3つの理由
- オワコンになりうるAIエンジニアの特徴
- AIエンジニアはオワコンではない!活躍する人の特徴
- AIエンジニアがオワコンと言われている今すべきこと
- AIエンジニアへの転職に関するよくある質問
- まとめ
AIエンジニアはオワコンではなく将来性と需要のある職種
AIエンジニアはオワコンではなく、むしろ将来性と需要が高まり続けている職種と言えます。このように考えられるのは、以下の理由があるためです。
ここでは、それぞれの理由について解説します。
生成AI市場は拡大傾向にある
AIエンジニアがオワコンではない理由として、生成AI市場の拡大が挙げられます。生成AI市場は、2022年11月にChatGPTが公開されて以降、急速な成長を見せています。
実際に、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した「生成AI市場の世界需要額⾒通し」によると、日本における生成AI市場は、2030年までに年平均47.2%増で成長する見込みです。
さらに、 McKinsey&Companyの「生成AIがもたらす潜在的な経済効果」によると、分析対象とした63件の生成AIユースケース全体で「年間2.6〜4.4兆ドル相当もの価値をもたらす可能性がある」とされています。
このように、生成AI市場は拡大傾向であることから、AIエンジニアはオワコンどころか、これからさらに需要が高まる職種と言えるのです。
2030年にはAI人材が12.4万人不足すると予測される
AIエンジニアの将来性を裏付ける事実として、日本国内における深刻なAI人材不足が挙げられます。経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」によれば、AI需要の伸びが平均の場合、2030年には日本国内でAI人材が12.4万人不足すると予測されています。
人材不足が予測される中、今からAIエンジニアのスキルを習得しておけば、将来的に需要のある仕事に就くことが可能です。このように、AIエンジニアはオワコンどころか、むしろ今後10年以上にわたって需要が続く可能性が高い職種なのです。
AIエンジニアはオワコンと言われる3つの理由
AIエンジニアは、前述したような理由から、将来性と需要がある仕事です。それにも関わらず、AIエンジニアはオワコンと言われることがあります。「AIエンジニアはオワコン」と言われてしまう理由は、主に以下の3つです。
それぞれの理由について解説します。
AIに仕事を奪われる可能性があるため
AIエンジニアがオワコンと言われる理由は、AI自身によって仕事を奪われる可能性があるからです。AI技術の進化により、コーディングや設計などのAIエンジニアが担当していた作業の一部が自動化されつつあります。
たとえば、CopilotやCodeWhispererといったAIツールは、プログラマーが書くコードを予測し、自動的に提案してくれます。さらに、Google DeepMindが開発したAlphaCodeのようなシステムは、簡単なプログラミングコンテスト程度のタスクであれば人間並みに実行することが可能です。
これらのツールは年々精度を高めており、基本的なコーディング作業の多くを代替できるようになってきました。技術の発展が続けば、業務内の定型的な部分はAIに置き換えられる可能性が高いため、AIエンジニアはオワコンと言われているのです。
求められるスキルの変化や高度化が急速に進むため
AIエンジニアがオワコンと言われる理由の2つ目は、求められるスキルの変化や高度化のスピードが極めて速く進むためです。AIの世界では、新しい技術やフレームワークが次々と登場し、数か月前の最先端技術がすぐに古くなってしまうこともあります。
AIの変化に追いつくためには、常に新しい論文やニュースを読んだり、業務時間外で自主的に学んだりする必要があります。このように知識のアップデートに対する負担により、中長期的に見るとAIエンジニア市場が二極化する可能性があるのです。
その結果、最先端の知識を持つ少数の専門家とそうでない多数のエンジニアのあいだで、待遇や仕事の質に差が生じつつあることは否めません。
高度な技術がなくてもAI開発が可能なツールが開発されるため
AIエンジニアがオワコンと言われる3つ目の理由は、高度な技術知識がなくてもAIシステムを開発できるノーコードやローコードのツールが急速に発展しているからです。
たとえば、GoogleのAutoMLやMicrosoftのAzure Machine Learningなどが登場し、複雑なコーディングを行わなくても機械学習モデルを構築できるようになりました。
これらのプラットフォームでは、GUI操作やドラッグ&ドロップでモデルを作成でき、プログラミングの知識が限られている人でもAIシステムを開発できます。ノーコード・ローコードで開発できるツールの普及により、AIシステム開発の敷居が下がっていることから、AIエンジニアはオワコンという声もあります。
オワコンになりうるAIエンジニアの特徴
オワコンになりうるAIエンジニアの特徴は、以下のとおりです。
それぞれの特徴について解説します。
新しい情報のキャッチアップが苦手な人
AIエンジニアとしてオワコンになりやすい人の特徴として、新しい情報のキャッチアップが苦手なことが挙げられます。AI分野は技術革新の速さが顕著です。たとえば、新しいアルゴリズムが登場したり、フレームワークが改良されたりなど、日々変化しています。
こうした変化に対応できないエンジニアは、時代遅れのスキルセットしか持たないことになり、市場価値が低下していきます。そのため、AIエンジニアとして活躍し続けるには、常に最新の動向を把握し、新しい技術を学び続けることが求められます。
機械学習アルゴリズムの理解や実装に関わる数学が苦手な人
機械学習アルゴリズムの背景にある数学的原理の理解が浅かったり、数学そのものが苦手な人は、AIエンジニアとしてオワコンになりやすいです。
AI開発の現場では、ライブラリやフレームワークを使えば表面的には実装できますが、モデルの挙動を理解するには、深い数学的知識が必要です。
具体的に必要な数学的知識としては、線形代数や微積分、確率統計などがあります。これらの知識がなければ、モデルの性能向上や最適化、エラーの修正が困難になります。そのため、数学の知識がないもしくは苦手な人は、AIエンジニアとして活躍しづらいのです。
プログラミングに苦手意識がある人
プログラミングに苦手意識がある人も、AIエンジニアとしてオワコンになりやすいです。エンジニアの一部には、自分でコードを書くのが苦手でネット上のコードや生成AIに頼る人がいます。
しかし、ネットやAIという補助に慣れてしまうと、自分の力だけでコードを書かなくなりスキルが停滞してしまいます。なおかつ、生成AIが作るコードが正しくないこともあるため、修正するためのプログラミングのスキルや関心がないと、AIエンジニアとしては生き残れません。
AIエンジニアはオワコンではない!活躍する人の特徴
AIエンジニアとして活躍する人の特徴は、以下の3つです。
それぞれの特徴について解説します。
AIに関する複雑な技術文章を読み解く読解力がある人
AI業界で活躍するエンジニアは、複雑な技術文章を読み解く高い読解力を兼ね備えています。AI分野では、常に新しい技術やアルゴリズムが発表され、いち早く理解し実装できる能力が重要です。しかし、AIに関する発表は、数学的記述や専門用語が多用され、初見では理解が難しいことがあります。
こうした文献を根気強く読み解き、本質を把握する力があれば、常に最先端の知識を維持することができます。
また、読解力の高いエンジニアは、ドキュメントの少ない新しいツールやライブラリを早期に習得、活用できるため、市場の一歩先を行くことが可能です。AIが複雑になればなるほど、こうした読解力の価値は高まると言えます。
技術の進歩が速いAI分野の最新情報を自律的に学べる人
AI業界で活躍するためには、技術の進歩が速いAI分野において、最新情報を自律的に学び続けることが求められます。AI技術は急速に発展しており、新しい技術やツールが常に発表されています。
このような環境で、誰かに言われるのを待つのではなく、自らアンテナを張って学び続ける姿勢が成功のカギです。なお、自律的に学べる人は、次のような習慣を身につけています。
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・主要なAI研究機関(OpenAI、Google DeepMindなど)の発表を定期的にチェックする
・X(旧:Twitter)などのSNSでAI研究者のアカウントをフォローする
・オンラインコースやチュートリアルを活用して新技術を試す
たとえば、OpenAIがGPT-4を発表した際、いち早くその技術仕様を理解して業務に活かせるエンジニアは、社内からの評価も高まります。技術の変化に対応するだけでなく、学習を楽しむマインドセットがあれば、AIが進化するにつれて自分のスキルも進化させることが可能です。
異なる専門分野のメンバーと円滑なコミュニケーションが取れる人
AI業界で活躍するためには、異なる専門分野のメンバーと円滑なコミュニケーションを取る能力が必要です。AIエンジニアの仕事は一人で完結はせず、チームで活躍することが多い職種です。社内のほかのエンジニアや専門職ではないメンバーと円滑にコミュニケーションを取る必要があります。
場合によっては、専門知識のないクライアントに技術的な制約などを分かりやすく説明しなければなりません。たとえば、医療用のAIを開発する場合、医師や看護師などの技術者ではないクライアントに理解できるように説明する能力が求められます。
AIツールの発展により、コーディング作業の一部が自動化されても、このような「ソフトスキル」は簡単に代替されず、重要性は増していくと言えます。
AIエンジニアがオワコンと言われている今すべきこと
AIエンジニアがオワコンと言われている今すべきことは、以下の2つです。
それぞれ解説します。
AIエンジニアに必要なスキルを身につけて専門性を高める
AIエンジニアの業務は、高い専門性が要求され、業務範囲も広いことが特徴です。AIエンジニアとして活躍するためには、必要なスキルや知識を今のうちに身につけておきましょう。具体的には、まずは以下のスキルや知識の習得に向けた学習に取り組みましょう。
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・PythonやR言語などのコーディングスキル
・機械学習やディープラーニングの基礎知識
・クラウドサービスの知識
・論理的思考力
・データベースやSQLの知識
AIエンジニアに必要なスキルや学習方法は、「未経験でAIエンジニアになるには?必要なスキルや役立つ資格を紹介」「AIの勉強方法は?勉強するメリットやロードマップを解説」を参考にしてください。
自身のキャリアプランとアクションプランを明確にする
AIエンジニアとして成功するためには、技術スキルの習得と並行して、キャリアプランとアクションプランを明確にすることが重要です。
キャリアプランを作成する際は、短期(1年以内)、中期(1〜3年)、長期(3〜5年)の目標を設定しましょう。AIは広範な分野であるため、自分が特に興味を持ち、専門性を発揮できる領域を見つけることが大切です。
また、キャリアプランは定期的に見直し、技術トレンドや自分の興味の変化に合わせて調整しましょう。AI分野は変化が速いため、柔軟性を持ちつつも、一貫した方向性を維持することがポイントです。
明確なキャリアプランがあれば、AIエンジニアがオワコンになるという不安に左右されることなく、自身の市場価値を高めるためのアクションを継続的に取ることが可能です。
AIエンジニアへの転職に関するよくある質問
AIエンジニアへの転職でよくある質問を解説します。
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Q1. AIエンジニアの平均年収は?
それぞれ見ていきましょう。
Q1. AIエンジニアの平均年収は?
職業情報提供サイトjobtagによると、AIエンジニアの平均年収は、628.9万円です。また、2025年6月時点でのレバテックキャリアの最新求人を見てみると、想定年収は400万円〜1,500万円と幅広いです。
AIエンジニアの年収の詳細や求人は、以下をご覧ください。
関連記事:AIエンジニアの年収は?傾向や年収アップの方法を解説
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Q2. 未経験からAIエンジニアになるには?
ITエンジニアの経験がない方がAIエンジニアを目指す場合、アナリストや研究職としての実務経験があれば、AIエンジニア候補と見なされる可能性があります。
ただし、機械学習のアルゴリズムの実装やデータ分析の経験がない場合、エンジニアスキルが不足しているため、スクールを活用するなどしてスキルを磨く必要があります。
未経験からAIエンジニアを目指す方法について詳しく知りたい方は、「未経験でAIエンジニアに転職できる?20〜40代の求人例や採用要件」を参考にしてください。
まとめ
この記事では、AIエンジニアがオワコンと言われてしまう理由や、将来性、活躍する人の特徴などについて解説してきました。
AIエンジニアは、市場の拡大や人材不足などの理由から、決してオワコンではなく、将来性の高い職種です。しかし、AIに仕事を奪われる可能性があったり、求められるスキルの変化や高度化が急速に進んでいたりするという理由から、オワコンと言われることがあります。
これからAIエンジニアを目指す方は、長期間に渡って活躍するためにも、自身のキャリアプランとアクションプランを明確にしてから、必要なスキルを身につけましょう。
※本記事は2025年6月時点の情報を基に執筆しております