SES(客先常駐)の現場を退場したい場合の対処法

最終更新日:2025年6月25日

「今のSESの現場から退場したいけど、どうすればいいの?」と、気になっていせんか?

結論として、SESの現場から退場することは可能です。ただし、円満に退場するためには、適切な手順とタイミングを踏むことが重要です。

この記事では、SESの現場を退場したい時の対処法や退場の手順、法的な留意点などを具体的に解説します。SES現場を退場したいという悩みを解消し、キャリアアップしていくためにぜひ最後まで読んでみてください。

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この記事のまとめ

  • SESの現場からの退場は可能だが、手順を踏んで進める必要がある
  • 退場理由を明確にし、上司や担当営業と建設的な話し合いを行う
  • 法的な留意点を確認し、円満な退場を心がけることが重要

SESの現場を退場することは可能

SESの現場からの退場は、一定の手続きを踏めば可能です。ここでいう「退場」とは、SES(システムエンジニアリングサービス)契約に基づき、エンジニアが常駐している派遣先の現場から離れることを指します。

退場に関する相談は、雇用契約を結んでいるSES企業の上司や担当営業が窓口となります。ただし、行動を起こす前に、SES企業と結んでいる雇用契約書の内容を必ず確認しましょう。契約期間中の退場に制限が設けられている場合があるためです。

SESの現場を退場したい時の対処法

SESの現場を退場したい場合、理由を明確にして解決策を探ることが重要です。まずは上司・担当営業に相談し、異動の可能性を探る方法があります。状況に応じてスキルアップやキャリアチェンジも視野に入れることもおすすめです。


以下で、具体的な内容を確認していきましょう。

理由を明確にして解決に向けてできることをする

退場を希望する理由を具体的に整理することが、問題解決の第一歩です。たとえば、業務内容への不満、労働環境の課題、人間関係のストレス、評価への不満などが考えられます。

理由が明確になったら、まずは自身でできる改善策を実践してみることが大切です。業務内容への不満であれば、効率化できる部分がないか検討したり、新しい提案を行ったりする対策が考えられます。人間関係の課題であれば、コミュニケーションの取り方を工夫することで改善できる可能性があります。

このような努力を行った上で、状況が改善されない場合は、次のステップとして上司や担当営業への相談を検討しましょう。自身での改善を試みた経緯があることで、相談時の説得力も増す可能性が考えられます。

まずは上司や担当営業に相談する

現状の不満や退場希望の理由を、上司や担当営業に具体的に伝えることが重要です。感情的な訴えは避け、客観的な事実と自身の要望を整理して伝えることが大切です。相談の際には、現状の課題を具体的に説明し、自身で取り組んだ改善策とその結果を共有します。その上で、希望する働き方や環境について明確に伝え、可能な解決策について一緒に検討することが建設的です。

また、異動や契約内容の見直しなど、具体的な要望がある場合は、率直に相談することをおすすめします。上司や担当営業は、エンジニアの状況を理解し、適切な解決策を見つけるサポートをする立場です。そのため、問題の解決やエンジニアの要望を叶えられるように取り組んでもらえる可能性があります。

また、異動を希望する際は、自身のスキルセットと希望する業務内容の整合性を確認し、新しい現場での役割や期待される成果について理解を深めることが大切です。

スキルアップする

自身のスキル不足が現場を退場したい理由の場合は、積極的にスキルアップを図ることが解決策となります。オンライン学習や技術書での学習、資格取得にチャレンジすることで、スキルアップにつながります。

また、現場で求められるスキルと自身の持つスキルにギャップがある場合は、上司や先輩エンジニアにアドバイスを求めることも効果的です。社内の研修制度や勉強会への参加も検討しましょう。技術力の向上は、現在の職場環境の改善だけでなく、将来のキャリアの選択肢を広げることにもつながります。

キャリアチェンジを検討する

退場が見込めない状態が長く続く場合は、転職を検討するという選択肢もあります。ただし、感情的な判断は避け、自身のスキルや経験を客観的に評価した上で、新たなキャリアプランを慎重に検討することが大切になります。

SESという働き方から、自社開発やSIerなど、異なる形態での就業を目指すのも一つの選択肢です。それぞれの働き方には特徴があり、たとえば自社開発では一つのプロダクトに深く関われる一方、SIerでは幅広いプロジェクトに携わることが可能です。

転職を具体的に考える際は、転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。市場動向や求人情報、転職に必要なスキルなど、専門的なアドバイスを得られます。また、自身の市場価値を客観的に把握し、より良い条件での転職を実現できる可能性が高まります。

転職活動を自分で進めるのが難しい場合は、レバテックキャリアなどの転職エージェントを活用するのもおすすめです。

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SESの現場を退場するタイミングと手順

SESの現場を退場する際は、適切なタイミングの見極めと、手順を踏んだ対応が重要です。退場を申し出るタイミング、会社への退場交渉、引継ぎ準備の3つのステップを意識して進めることで、スムーズな退場が実現できます。


以下で、詳しい内容を確認していきましょう。

退場を申し出るタイミング

退場の申し出は、所属企業の上司または担当営業に対して行います。一般的に、契約満了の1~3ヶ月前に申し出るのが望ましいとされていますが、具体的な期間については会社の規定を確認することが必要です。

プロジェクトのフェーズ完了後など、区切りの良い時期を選んで伝えることが重要です。これにより、プロジェクトへの影響を最小限に抑えることができます。また、早めに意思を伝えることで、会社側が後任者の手配や契約調整を行うための十分な時間を確保できます。現場と会社の双方に配慮した対応を心がけましょう。

関連記事:SESの最適な転職タイミングを解説!伝え方やトラブル回避の方法

所属会社への退場交渉

退場交渉は、上司や担当営業との面談を通じて進めます。面談では、現場を退場したいという明確な意思と、その具体的な理由を説明する必要があります。また、希望する退場時期を伝え、引き継ぎに関する協力姿勢も示すことが重要です。

交渉の際は、感情的にならず、客観的な事実に基づいて話を進めることを心がけましょう。会社によっては退職の申請書や異動希望書などの書類提出が必要な場合もあるため、必要な手続きについても確認が必要です。交渉を円滑に進めることで、その後の引継ぎ作業もスムーズになります。

引き継ぎ準備

引継ぎは、後任者が業務を十分に理解し、スムーズに移行できるよう計画的に進める必要があります。まずは担当業務の進捗状況を整理し、後任者への引継ぎ計画を作成します。この際、業務の優先順位や難易度を考慮し、段階的な引継ぎを検討することが必要です。
引継ぎ資料は、手順書や設計書、よくある質問とその回答(FAQ)など、必要な情報を漏れなく準備します。資料は後任者が理解しやすいよう、論理的に整理し、専門用語には適切な説明を加えることが重要です。また、引継ぎ期間中は後任者からの質問に丁寧に対応し、必要に応じて資料の補足や修正を行うことで、確実な業務の移行を実現できます。

SESの現場を退場する際の注意点

SESの現場を退場する際は、法的な側面と人間関係の両面に配慮が必要です。適切な手続きを踏み、円満な退場を実現することで、将来のキャリアにも良い影響を与えることができます。


以下で、具体的な内容について見ていきましょう。

退場に関する法的な留意点

退場に際しては、法的な観点からの注意が必要です。SESの準委任契約は、民法第651条1項において、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と定められています。しかし、民法第651条2項では、相手方に不利な時期に解除した場合、相手方の損害を賠償しなければならない旨が記載されています。これはSES企業側と派遣エンジニア側の双方に当てはまる事項です。

準委任契約は「業務の遂行や処理といった行為自体を目的」とした契約であるため、基本的に双方が自由に途中解約できます。ただし、準委任契約でも請負業務が含まれる「成果完成型」契約の場合は業務の完成を前提とした契約であるため、途中解約することによって委託先から損害賠償を請求される可能性があります。

引用:準委任契約は途中解約できる?業務委託契約解除のトラブルを予防、解決する方法を解説

そのため、労働条件通知書や派遣契約書の内容を事前にしっかりと確認し、自身の権利と義務を正確に把握することが重要です。契約書の内容や退場に関する規定について不明な点がある場合は、必ず所属するSES企業に確認を取りましょう。特に契約期間や退場手続きに関する規定は、慎重に確認する必要があります。

出典
e-GOV 法令検索「民法
Workship「準委任契約は途中解約できる?業務委託契約解除のトラブルを予防、解決する方法を解説」(2024年10月3日)

円満な退場を心がける

退場を決めた後も、最後まで責任感を持って業務に取り組む姿勢が重要です。これは、自分自身や所属する企業の評価を維持するだけでなく、今後のキャリアにも良い影響を与える可能性があります。
派遣先やSES企業への感謝の気持ちを伝えることも、円満な退場には欠かせません。これまでの業務機会の提供や、スキルアップの場を与えてくれたことへの謝意を示すことで、良好な関係を保つことができます。今後も何らかの形で関係者と接点を持つ可能性があることを意識して行動しましょう

関連記事:SES退職の手順と転職成功のポイント | よくある質問も解説

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まとめ

SESの現場からの退場は、適切な手順を踏めば可能です。退場を考えている場合は、まず理由を明確にし、自身でできる改善策を試してみることが重要です。それでも状況が改善されない場合は、上司や担当営業に相談し、スキルアップやキャリアチェンジなどの選択肢を検討しましょう。

退場する際は、タイミングと手順が重要です。一般的に契約満了の1~3ヶ月前に申し出を行い、プロジェクトの区切りの良い時期を選ぶことが望ましいです。また、後任者への引継ぎを丁寧に行うことで、スムーズな移行が実現できます。

法的な側面では、契約内容をしっかりと確認し、適切な手続きを踏むことが必要です。また、最後まで責任を持って業務に取り組み、感謝の気持ちを伝えるなど、円満な退場を心がけることで、良好な関係を築くことができます。退場は次のステップへの通過点です。建設的な対話と誠実な対応を心がけ、キャリアの新たな一歩を踏み出しましょう。

SESの現場を退場したいと考えている人は、この記事を参考に対処法と退場の手順を理解し、周囲に配慮しつつ、自身のキャリアアップを進めてください。

※本記事は2025年5月時点の情報を基に執筆しております

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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