SES面談の逆質問を通して得られる4つのメリット
SES面談で逆質問をすることで、以下のメリットを得られます。
それぞれのメリットについて解説します。
クライアントとのミスマッチを防げる
SESのアサイン面談にて逆質問をすると、クライアントとのミスマッチを防げるというメリットがあります。案件の内容や職場環境について確認することで、案件に入ってから誤解に気づくケースを減らすことができます。
たとえば、企業の雰囲気や求めている人材、1日のスケジュールや働き方などについて質問することで、自分に合った案件か判断が可能です。
クライアントとのミスマッチを防ぐための逆質問として、以下のような例文が挙げられます。
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・「重視している人柄はどのようなものですか?」
・「企業の雰囲気について教えてください」
アサイン面談にてこれらの質問をすることで、入社後に「想定していた雰囲気と違った」と後悔することを防げる可能性が上がります。
案件に対して関心の高さや熱意を伝えられる
クライアント先との面談は逆質問は、案件に対する関心の高さや意欲を示す機会になります。たとえば、案件の目標や課題、技術選定の理由や背景、案件に取り組む上で必要な知識やスキルについて質問することが有効です。
案件に対して関心の高さや熱意を伝えられる逆質問として、以下のようなものがあります。
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・「勉強しておいたほうが良いことがあれば教えてください」
・「アサインされるプロジェクトの課題や目標を教えてください」
アサイン面談でこれらの逆質問を行うことで、プロジェクトへの関心の高さや貢献したいという熱意を伝えられます。また、SESのスキル不足を解消するための方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SESエンジニアはスキル不足で退場させられる? 理由と対処法を解説
コミュニケーション能力を伝えられる
アサイン面談での逆質問のやり取りを通じて、自身のコミュニケーション能力をアピールすることができます。たとえば、相手の説明を踏まえた関連質問や専門用語を適切に使用した質問をすることで、実務でもコミュニケーションがスムーズに行えることを示せます。
特にSES案件では、客先での円滑なコミュニケーションが重視されるため、コミュニケーション能力のアピールは重要です。また、質問時の態度や言葉遣い、相手の回答に対する反応などもコミュニケーション能力の判断材料となります。
アサイン面談の前には、模擬面談を行うなど、十分に準備をして本番に臨みましょう。
自分の人柄や重視することを伝えられる
逆質問は、技術面だけでなく、自身の人柄や価値観を伝える機会としても活用できます。具体的には、自分がなぜここを重視しているのか・なぜこの質問をするのかを伝えることで、どういう思考をする人間なのかを伝えられます。
たとえば、以下のような質問が効果的です。
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・「チームで使用しているコミュニケーションツールはありますか?私は仕事をする上で、チームのコミュニケーションが最も大切だと考えているので、ご教示いただきたいです」
・「案件にアサインするにあたり、勉強しておいたほうが良いことはありますか?アサインしてすぐに戦力となりたいので、ご教示いただけますと幸いです」
また、上記例のように質問の切り口を工夫することで、自分が何を大切にしているのかを相手に理解してもらえます。アサイン面談での逆質問は、単なる情報収集だけでなく、自己アピールの機会として活用できます。
SES企業との相性を測る逆質問例2選
SES企業との相性を測る逆質問として、以下の2つが挙げられます。
それぞれの質問について解説します。
1日の業務の流れや主なタスクを教えてください
1日の業務の流れや主なタスクに関する質問は、業務内容や働き方を具体的にイメージするために重要です。また、業務の進め方や期待される役割を理解することで、自身のスキルや経験が活かせるかどうかを判断できます。
たとえば、朝会の有無やタスク管理の方法、チーム内でのコミュニケーション頻度、客先常駐時の勤務時間の融通性などについての質問がおすすめです。これらの情報は、その企業での働き方が自分に合っているかを判断する材料です。
さらに、プロジェクトマネジメントの方針や、チームの雰囲気についても理解を深めることができ、ミスマッチを防げます。SESの仕事内容を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SESの客先常駐はどんな仕事?メリット・デメリットやSIerとの違い
資格取得支援や研修制度の内容を教えてください
資格取得支援や研修制度の内容に関する質問は、企業がエンジニアの成長をどのようにサポートしているかを確認するために有効です。資格取得支援や研修制度の充実度は、企業でのキャリア形成の可能性を判断する重要な指標となります。
具体的には、資格取得時の受験料補助や社内研修の頻度、外部研修への参加機会などについて確認しましょう。学習意欲の高さをアピールできる質問でもあるため、必ず聞いておきたい逆質問の1つです。
熱量のアピールにつながる逆質問例3選
熱量のアピールにつながる逆質問としては、以下の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
案件で重視される評価基準を教えてください
案件で重視される評価基準に関する質問は、案件に対する真摯な姿勢と目標意識の高さを示せます。評価基準を確認することで、クライアントが求める人材像や期待値を理解し、応えようとする意欲を伝えられます。
加えて、この質問を通じて、自身のキャリアプランとの整合性を確認することもできるため、長期間の案件ほど確認しておきたい質問です。
過去の案件で解決に時間を要した問題や課題を教えてください
過去の案件で起きた困難な事例を聞くことで、案件特有の課題や注意点を理解し、課題に対する準備や対策を考える姿勢を示すことができます。また、質問への回答から、チーム内のコミュニケーションの問題や納期管理の難しさなども把握が可能です。
これらの情報から、自身の経験やスキルを活かせる場面を具体的にイメージすることも可能です。また、問題解決に向けた具体的な対策や改善策を回答することで、自身の問題解決能力をアピールすることもできます。
活躍している人の特徴を教えてください
活躍している人の特徴を聞くことで、案件での成功イメージを明確にしたいという向上心と、期待に応えようとする意欲を示すことができます。加えて、求められる人材像を具体的に理解し、自身の目標設定に活かすことが可能です。
また、活躍している人の特徴を知ることができ、自身の業務や今後のキャリアの形成に生かせます。仕事に対してモチベーションの高い人材、活躍することを前提に前向きに仕事をしてくれる人材だと認識してもらえるため、忘れずに質問しましょう。
技術に関する逆質問例2選
技術に関する逆質問として、以下の2つが挙げられます。
それぞれの質問について解説します。
案件で主に使用している技術スタックやツールを教えてください
案件で主に使用している技術スタックやツールに関する質問は、自身の経験やスキルが活かせるかどうかを判断するために効果的です。
また、質問の際には、単に技術名を聞くだけでなく、それぞれの技術の使用目的や選定理由についても確認するのがおすすめです。たとえば、特定のフレームワークを採用している理由や開発ツールの活用方法について掘り下げることで、プロジェクトの技術的な方向性も理解できます。
さらに、今後導入を検討している技術についても確認することで、将来的なスキルアップの機会についても把握することができます。
案件の進行管理や開発の進め方を教えてください
案件の進行管理や開発の進め方に関する質問は、プロジェクトの運営方針や開発プロセスを理解するために有効です。具体的には、開発手法(ウォーターフォールやアジャイルなど)やタスク管理の方法、品質管理の方針などについて把握できます。
また、チーム内でのコミュニケーション方法や、技術的な意思決定の進め方についても理解を深めることができます。これらの質問を通じて、プロジェクトの進め方が自身の経験や希望する働き方と合っているかの判断が可能です。
SES面談で逆質問をする際のポイント
SES面談で逆質問をする際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
それぞれのポイントについて解説します。
逆質問は担当者から促されたタイミングで行う
逆質問は、担当者から「質問はありますか?」と促されたタイミングで行うことが重要です。なぜなら、担当者が説明中に質問を差し挟むと、話を遮る形となり、印象が悪くなる可能性があるからです。
面談中に質問したいことが出てきても、相手の説明を遮らずにメモを取っておき、質問できるタイミングまで待ちましょう。
ただし、その場で確認が必要な内容や、話の流れ上で関連する質問がある場合は、「ここで1点確認させていただいてもよろしいでしょうか」と断った上で質問することも可能です。このように、相手の話の腰を折らない配慮を示すことで、コミュニケーション能力の高さもアピールできます。
調べて分かることは質問しない
逆質問をする場合、企業のWebサイトや求人情報、事前に提供された資料で確認できる内容については避けるべきです。調べて分かる内容を質問してしまうと、準備不足という印象を与えかねません。
公開されている情報では分からない具体的な内容や、より詳しい情報を求める質問をしましょう。たとえば、「御社のWebサイトで〇〇という取り組みを拝見しましたが、具体的にはどのように進められているのでしょうか」といった、事前調査を行った上での質問がおすすめです。
相手の立場を考慮して質問を選ぶ
面談担当者の立場や役職によって、答えられる質問の範囲が異なります。人事担当者には待遇や制度について、技術担当者には開発環境や技術的な内容について質問するなど、相手に応じた質問を選択することが重要です。
また、案件の機密情報に関わる質問は避け、一般的な業務内容や開発環境についての質問にとどめましょう。相手の立場を考慮した質問をすることで、ビジネスパーソンとしての柔軟性や協調性をアピールできます。
逆質問の数を最初に伝える
質問を始める前に「3点ほど質問させていただきたいのですが」のように、質問の数を事前に伝えることで、相手ファースト・結論ファーストな人材だとアピールできます。
また、質問の数を明確にすると自身の質問内容を整理しやすくなり、より的確な質問ができます。このように、時間配分を意識した質問数の設定は、ビジネスマナーとしても重要なポイントです。
ポジティブな質問をする
案件や企業に対してネガティブな印象を与える質問は避け、前向きな姿勢が伝わる質問を心がけましょう。たとえば、「残業は多いですか?」ではなく「業務の繁忙期はいつ頃でしょうか?」といった表現に変えることで、より建設的な質問となります。
また、「入社後に即戦力として働きたいのですが、事前に勉強しておいたほうが良いことはありますか?」のように、成長の機会を探る質問をすることで、積極的な姿勢をアピールできます。
質問する意図をセットで伝える
質問をする際は、なぜその質問をするのかという意図も合わせて伝えることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。たとえば、「今後のキャリアプランを考える上で参考にしたいのですが」といった前置きを添えることで、質問の背景が明確になります。
その結果、相手のことを考えた言動ができる人材だと思ってもらうことも可能です。面談前の質問を準備する段階で、意図もセットで考えておきましょう。
まとめ
本記事では、SES面談において、逆質問を行うメリットや効果的な逆質問例、質問する際のポイントを紹介しました。
SESの面談において、逆質問は、ミスマッチを防ぎ、熱意を伝えるために有効です。おすすめの逆質問には、案件で主に使用している技術スタックやツール、進行管理や開発の進め方などがあります。
また、逆質問する際は、適切なタイミングで、相手の立場にあったことを聞くのが重要です。
SESの案件面談の際の逆質問について悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
※本記事は2025年5月時点の情報を基に執筆しております