- SESエンジニアのキャリアプラン形成は必要?
- SESから実現できるキャリアプラン
- SESエンジニアとして理想のキャリアプランを立てる方法
- SES企業で理想のキャリアプランを実現する方法
- キャリアプランを実現しやすいSES企業の特徴
- SESに関するよくある質問
- まとめ
SESエンジニアのキャリアプラン形成は必要?
まず、前提として、SESからキャリアアップすることは可能です。なおかつ、SESエンジニアにとってキャリアプランの形成は重要と言えます。
なぜなら、SES業界は技術の進化が速く、市場のニーズも変化し続けているからです。計画的にキャリア形成をしないと、将来的な収入や市場価値の低下につながる可能性があります。
たとえば、特定の古い技術や言語のみを使用し続ける職場にいると、新しい技術への対応が難しくなってしまいます。また、マネジメント力などの付加価値を持たないポジションだと収入が頭打ちになる可能性が高いのも、キャリアプランを形成すべき理由のひとつです。
そのため、自身の強みや市場価値を分析し、3年後・5年後を見据えたキャリアプランを立てることが必要です。
SESから実現できるキャリアプラン
SESから実現できるキャリアプランとして、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれの詳細について解説します。
SESエンジニアとしてキャリアアップする
SESエンジニアとしてキャリアアップする道は、技術力と経験を積み重ねることで実現できます。経験を積むことで、より高度な案件や上流工程を含む案件を担当できるようになり、それに応じて収入も上昇していきます。
キャリアアップの具体的な方向性としては、フルスタックエンジニアを目指す道があります。フルスタックエンジニアとして成長する場合は、フロントエンドやバックエンド、インフラなど、幅広い技術スタックの習得が必要です。
フルスタックエンジニアになれば、さまざまな職種での活躍が可能で、キャリアプランの選択肢も広がります。
自社開発エンジニアに転職する
自社開発エンジニアへの転職は、SESエンジニアの中でも比較的人気の高いキャリアプランです。自社開発企業では、製品やサービスの企画段階から開発に携わることができ、長期的な視点でスキルを磨くことができます。
また、開発プロセス全体を理解できるため、より上流工程へのキャリアアップも視野に入れやすいのが特徴です。
特定のスペシャリスト職を目指し転職する
特定の技術分野に特化したスペシャリストを目指すキャリアプランも、おすすめの選択肢です。スペシャリストとして転職を成功させるためには、市場ニーズの高い技術領域を選択し、資格取得や実践的なスキルの習得を通じて専門性を高めることが重要です。
また、特定分野のスペシャリストになることで、転職だけでなくフリーランスや独立も視野に入れやすくなります。ただし、技術の進化が速いため、業界のトレンドを把握するためにも継続的な学習と情報収集が欠かせません。
マネジメント職(PM)を目指して転職する
SESエンジニアからマネジメント職(PM)への転職は、技術力とマネジメントスキルの両方を活かせるキャリアパスです。SESからPMを目指すには、業務を通して上流工程の経験を積みましょう。上流工程に携わるには、現在の案件内で積極的に上流工程に関わることから始めるのがおすすめですが、具体的な方法は、後ほど解説します。
また、PMポジションへの転職のメリットは、年収の上昇が見込めることと、より広い視野でプロジェクトに関われることです。さらに、複数のプロジェクトを統括するプログラムマネージャーや、事業部門の管理職といった上位職へのキャリアアップも期待できます。
PMとして転職するためには、プロジェクト管理の基礎知識やより高いコミュニケーション能力が求められます。そのため、PMP(Project Management Professional)などの資格取得や、小規模なチームリーダー経験を積むことが重要です。
SESエンジニアとして理想のキャリアプランを立てる方法
SESエンジニアとして理想のキャリアプランを立てる際には、以下の方法を実践してみてください。
それぞれの方法について解説します。
現状を把握する
キャリアプランを立てる第一歩は、自身の現状を客観的に分析することです。具体的には、職種や社内での立場、収入、待遇などを書き出して現状を把握します。
加えて、保有している資格や実務で使用している言語・フレームワーク、関わったプロジェクトの規模や役割、チームマネジメントの経験なども含めて整理しましょう。
また、現在の職場環境や待遇面での満足度、仕事とプライベートのバランスなども整理することで、より現実的なキャリアプランを立てることができます。
将来なりたい理想の姿を明確にする
現状把握ができたら、次は将来なりたい理想の姿を具体化しましょう。この段階では、3年後・5年後・10年後といった時間軸で、どのようなポジションや役割を目指すのかを明確にします。
たとえば、「3年後に技術のスペシャリストとしてAI開発のリーダーになりたい」「5年後にプロジェクトマネージャーとして大規模案件を統括したい」など、具体的なゴールを設定します。
また、年収や働き方といった待遇面での希望も含めて検討することで、より具体的な目標設定が可能です。
理想像を実現するために必要なアクションを考える
理想の姿が明確になったら、キャリアプランを実現するために必要なアクションプランを決めましょう。具体的には、スキルアップや資格取得、実務経験の積み方などの具体的な行動計画を立てます。
たとえば、特定の技術分野でスペシャリストを目指す場合、関連する資格の取得や個人開発での実践などのスケジュールを立てます。また、マネジメント職を目指す場合は、小規模なリーダー経験を積むことやPMPなどの資格取得の習得計画を立てましょう。
なお、アクションプランには具体的な期限を設定し、定期的に進捗を確認することが重要です。SES企業で理想のキャリアプランを実現するための詳しい方法は、次の章で解説します。
SES企業で理想のキャリアプランを実現する方法
SES企業で理想のキャリアプランを実現する方法は、主に以下の3つです。
それぞれの方法について解説します。
キャリアプランに必要なスキル・資格を取得する
キャリアプランの実現には、目標に応じたスキルの習得が必要です。また、必要に応じて資格の取得も検討しましょう。キャリアプランに応じた必要なスキルと資格は、以下のとおりです。
キャリアプラン | 必要な知識 ・スキル |
資格 |
---|---|---|
自社開発 エンジニア |
・自社サービスや業界への理解 ・使用言語やフレームワークの深い理解 ・アーキテクチャ設計の知識 ・要件定義/設計能力 ・アジャイル開発のスキル |
・応用情報技術者試験 ・システムアーキテクト試験 など |
特定分野の スペシャリスト職 |
【インフラエンジニアの場合】 ・ネットワーク技術 ・OSの知識・技術 ・仮想化・クラウドの知識 |
【インフラエンジニアの場合】 ・CCIE ・LPIC など |
マネジメント 職(PM) |
・リーダーシップ ・リスクマネジメントスキル ・問題解決能力 |
・PMP (Project Management Professional) ・プロジェクトマネージャ 試験(PM) など |
キャリアプランに必要なスキルやおすすめの資格については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
関連記事:
SESからSIerの転職には上流工程の経験が重要!必要スキルや資格を解説
インフラエンジニアのスペシャリストになるには
PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人の特徴を解説
上流工程の経験を積む
SES企業で今よりも上流の仕事をしたいなら、まず現在の案件内で積極的に上流工程に関わる機会を求めることが有効です。たとえば、要件定義のミーティングへの参加を申し出たり、設計書作成の補助を担当したりすることで、徐々に経験を積むことができます。
また、社内で上流工程を担当できる案件があれば、異動や案件変更を上司に相談することも検討しましょう。上流工程の経験は、将来的なPMやPLへのステップアップ、自社開発企業への転職時にも重要な武器となります。
SESが上流工程に携わるための方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SESでも上流工程に携われる!方法や企業選びのポイントを解説
転職して職場環境を変える
現在のSES企業でキャリアプランの実現が難しい場合は、転職も検討しましょう。より良い案件や待遇、キャリアアップの機会を提供してくれる企業への転職は、キャリアプラン実現の有効な手段となります。
転職を考える際は、単に給与や待遇だけでなく、その企業でのキャリアパスや成長機会についても詳しく調査することが重要です。たとえば、研修制度の充実度や案件の質、技術力向上のサポート体制などを確認します。
また、転職のタイミングも重要です。ある程度の実務経験と技術力を身につけた後に転職することで、より良い条件での転職が可能になります。転職市場の動向や自身の市場価値を見極めながら、戦略的に転職を検討することが望ましいです。
キャリアプランを実現しやすいSES企業の特徴
キャリアプランの実現には、企業の特徴や環境が重要な要素となります。具体的に、キャリアプランを実現しやすいSES企業には、以下のような特徴があります。
-
・教育体制が整っている
・案件選びの自由度が高い
第一に、充実した研修制度と自己啓発支援制度を持つ企業です。技術研修やビジネススキル研修が定期的に実施され、資格取得支援制度や学習費用の補助制度が整っている企業では、計画的なスキルアップが可能です。
第二に、案件の選択肢が豊富で、技術的なチャレンジができる企業はキャリアプランの実現が期待できます。さまざまな業界・規模の案件を持ち、新しい技術に触れる機会がある企業では、幅広い経験を積むことができます。
また、上流工程を含む案件や、マネジメント経験を積める案件なども用意されていることが理想的です。
SESに関するよくある質問
最後に、SESに関するよくある質問を解説します。
一つずつ見ていきましょう。
Q1. SESはやめとけと言われているのはなぜ?
SESはやめとけと言われている理由はさまざまですが、主に以下の4つが挙げられます。
-
・人間関係を再構築する必要があるため
・クライアント企業に一人で常駐の可能性があるため
・給料が上がりにくい傾向があるため
・案件に振り回され怒られることがある
それぞれの理由の詳細や解決法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SES(客先常駐)はつらい?やめとけと言われる4つの理由や解決法を紹介
Q2. SESの30代の年収相場は?
SESの30代の年収相場は、おおよそ500万円です。実際に、レバテックキャリアの求人を見てみると、500万円以上の求人が多くみられ、なかには1,000万円が上限の求人もあります。
SESの求人は、以下からご覧ください。
SESの求人・転職情報一覧>
Q3. SESのキャリアプランは面接でどのように伝えれば良いですか?
面接でキャリアプランを伝える際は、具体的な目標と実現のための行動計画を示すことが重要です。
たとえば、「現在のJavaでの開発経験を活かしながら、クラウド技術の専門性を高め、3年後にはクラウドアーキテクトとして案件を任されるようになりたい」といった形で、明確なビジョンを示しましょう。
まとめ
SESエンジニアのキャリアプラン形成には、明確な目標設定と計画的な行動が不可欠です。自身の現状を正確に把握し、市場のニーズや技術トレンドを考慮しながら、実現可能な目標を設定しましょう。
加えて、キャリアプランの実現には必要なスキルの習得や資格の取得、上流工程での経験蓄積、そして時には転職という選択肢も検討する必要があります。また、キャリアプランを実現しやすい環境を持つSES企業を選ぶことも、成功への重要な要素です。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております