- Webプログラマーはやめとけといわれる4つの理由
- Webプログラマーに向いている人
- 未経験からWebプログラマーはやめておくべき?
- Webプログラマーの年収相場
- Webプログラマーの将来性
- Webプログラマーが市場価値を高める方法
- まとめ
Webプログラマーはやめとけといわれる4つの理由
Webプログラマーという職業は、IT業界の中でも人気の高い職種の1つです。しかし、実際の現場では多くの課題や困難に直面することがあり、「やめとけ」といわれることも少なくありません。ここでは、Webプログラマーが「やめとけ」といわれる主な理由を4つ紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
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納期に追われ残業が多くなりがちだから
Webプログラマーが「やめとけ」といわれる理由の1つは、残業が多くなりがちなことが挙げられます。これは、クライアントとの契約で定められた期日までに成果物を提出する必要があるためです。
残業が多くなりがちな主な要因は、以下のとおりです。
・クライアントからの追加要望への対応
・予期せぬバグや不具合の修正
・ほかのチームメンバーの進捗の遅れをカバー
特に、複数のプロジェクトを並行して進める場合は、納期が重なることで業務が立て込み、休日出勤や深夜残業が必要になることがあります。このような働き方が続くと、心身の健康を損なうリスクが高まることから、Webプログラマーは「やめとけ」といわれているのです。
柔軟な対応が必要な場面が多いから
柔軟な対応が必要な場面が多いことも、Webプログラマーは「やめとけ」といわれる理由の1つです。Webプログラマーには、状況に応じた柔軟な対応力が求められます。これは、開発現場特有の不確実性や変化に対応する必要があるためです。
特に、開発手法としてアジャイル開発を採用している現場では、短いサイクルで開発が進み、開発中に仕様が変更されることが一般的です。柔軟な対応が必要な場面が多く、ウォーターフォール型の開発に慣れている人にとっては大変に感じることがあるため、Webプログラマーは「やめとけ」といわれています。
技術の陳腐化が早く継続的なスキルアップが必要だから
継続的なスキルアップが必要なことも、Webプログラマーは「やめとけ」といわれる理由の1つです。Web業界では技術の進化が速いため、Webプログラマーとして第一線で活躍し続けるには、学習し続ける必要があります。
たとえば、以前主流だったjQueryはあまり使われなくなり、代わりにReactやVue.jsといったモダンなフレームワークのスキルが必要とされるようになりました。また、バックエンドでもNode.jsやNext.jsなどの新しい技術が広まり、クラウドやセキュリティの知識が必要になる場面もあります。
このような変化に追従するには、隙間時間や休日を活用した学習やセミナーへの参加など、継続的な努力が必要です。技術の習得に時間を割けない人や、新しい技術への適応が苦手な人にとっては苦痛に感じる可能性があるため、Webプログラマーは「やめとけ」といわれています。
AIに仕事を奪われるかもしれない懸念があるから
Webプログラマーが「やめとけ」といわれる理由の1つに、AIに仕事を奪われるかもしれないという懸念があることが挙げられます。近年のAI技術の発展により、Webプログラマーの仕事の一部がAIに置き換わる可能性が指摘されています。実際に、コード生成AIの性能は日々向上しており、基本的なプログラミング作業の自動化が進んでいるのが現状です。
たとえば、定型的なコーディング作業やバグの検出と修正、コードの最適化など、従来人間が業務として行っていた作業の多くがAIによって代替される可能性があります。
Web開発において主にコーディングを担当するWebプログラマーの需要は今後低くなるかもしれないという懸念から、Webプログラマーは「やめとけ」といわれています。
Webプログラマーに向いている人
Webプログラマーには、技術的なスキルだけでなく、さまざまな資質が必要です。以下では、Webプログラマーに向いている人の特徴を5つ紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
論理的に考えるのが好きな人
論理的思考力は、Webプログラマーにとって必要不可欠な能力です。プログラミングは本質的に、論理的な処理の組み合わせで成り立っているためです。
たとえば、以下のような場面で論理的思考力が必要とされます。
-
・複雑な処理を小さな単位に分解する
・データの流れを整理して設計する
・エラーが発生した際に原因箇所を特定する
・効率的なアルゴリズムを選択する
論理的思考があれば、プログラムの構造を理解しやすく、効率的なコードを書くことができます。したがって、物事を論理的に考えるのが好きな人はWebプログラマーの適性があるといえます。
ユーザー目線を持てる人
ユーザー視点に立って考えられる人は、Webプログラマーに向いているといえます。「どう見えるか」「どう操作されるか」を想像できると、より良いUIやUXを意識した開発ができるからです。
たとえば、フォーム入力時のバリデーションでは、単にエラーを表示するだけでなく、ユーザーが何をすべきか理解できるメッセージを表示することが重要です。
このような細かな配慮が、使いやすいWebサービスを作り出すことにつながるため、ユーザー目線を持てる人は、Webプログラマーに向いています。
問題やトラブルに気がつける人
問題発見能力の高い人は、Webプログラマーとしての適性があるといえます。システムの異常や潜在的な問題を早期に発見することで、深刻なトラブルを未然に防げます。
たとえば、普段より処理速度が遅い、アクセスログに不審な記録がある、特定の操作でエラーが発生しやすいなど、わずかな変化に気づけることが重要です。
したがって、些細なことにも注意を払い、潜在的な問題点を見つけ出すのが得意な人は、Webプログラマーの仕事に向いています。
スキルアップに意欲的な人
Web業界は技術の進化が速いので、Webプログラマーには継続的な学習意欲を持つ人が向いています。新しい技術やツールが次々と登場する環境で、常に自己成長を目指す姿勢が必要です。
たとえば、開発スタイルとしてはGitを用いたチーム開発やCI/CDの導入が一般的になりつつあるため、Webプログラマーにも順応が求められます。また、高品質なWeb制作が可能なノーコード・ローコードのツールも登場しているため、従来のHTMLやCSSの知識のみだと競争力が下がってしまう可能性があります。
Webプログラマーとして活躍するためには、技術の進化に対する好奇心と、継続的な学習を楽しめる姿勢を持つことが重要です。新しい知識を吸収することに喜びを感じられる人は、Webプログラマーの適性があるといえます。
コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人はWebプログラマーに向いています。コミュニケーション能力は、Webプログラマーにとって重要なスキルです。チーム開発が標準となっている現在、他職種との円滑な協働が必要不可欠になっています。
Webプログラマーは、開発中は進捗状況を適切に共有し、技術的な提案や相談を行うことが重要です。問題が発生した際には、状況を正確に報告し、解決策を提案できる能力も必要です。
また、デザイナーの意図を理解してコーディングする場面や、プロジェクトマネージャーに技術的な制約を説明する機会など、日常的にコミュニケーションが必要となります。
このように、技術力だけでなくコミュニケーション能力も重視される現代のWeb開発では、他者と効果的に対話できる人材が求められています。チームでの協働に積極的で、円滑なコミュニケーションを取れる人は、Webプログラマーに向いているといえるでしょう。
未経験からWebプログラマーはやめておくべき?
未経験からWebプログラマーを目指すことは十分に可能です。むしろ、IT業界でキャリアをスタートする際の入口として、おすすめの職種といえます。
Webプログラマーが未経験者におすすめの理由としては、以下のとおりです。
-
・求人が豊富
・体系的な学習環境の充実
・実務経験を積みやすい環境
ただし、専門職としての知識やスキルは必須となるため、しっかりとした準備が必要です。
未経験からWebプログラマーを目指すための詳しい手順は「未経験でWebプログラマーになるには?仕事内容や必要スキルも紹介」を参考にしてください。
Webプログラマーの年収相場
Webプログラマーの年収相場は、担当領域により多少の違いがあります。ここでは、レバテックキャリアの求人情報に基づき算出したフロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの具体的な年収相場について、以下の表のとおり紹介します。
平均年収 | 中央値 | 平均月収 | |
---|---|---|---|
フロントエンド エンジニア |
478万円 | 450万円 | 30万円 |
サーバーサイド エンジニア |
466万円 | 450万円 | 29万円 |
これらの数字から、Webプログラマーの年収のボリュームゾーンは450万円前後であることが分かります。ただし、この金額は経験年数やスキル、企業規模などによって上下する可能性があります。
Webプログラマーの年収は一概に決まるものではありませんが、スキルアップすることで、より高い年収を目指すことが可能です。
フロントエンドエンジニアの年収の詳細については「フロントエンドエンジニアの平均年収・給料の統計」を、サーバーサイドエンジニアの年収の詳細については「サーバーサイドエンジニアの平均年収・給料の統計」をご覧ください。
フロントエンドエンジニアの求人・転職情報>
サーバーサイドエンジニアの求人・転職情報>
Webプログラマーの将来性
Webプログラマーの将来性は依然として高いですが、単にコーディングスキルがあるだけでは通用しなくなる可能性があります。高度なプログラミングスキルを必要としない開発ツールが現れており、今後ますますその技術が発展すると見込まれるからです。
たとえば、AIによるコードの自動生成や、ノーコード・ローコードツールの普及により、簡単なWebサイト開発やシステム開発は非エンジニアでも取り組みやすくなりました。
そのため、これからは「基礎的なコーディングスキル」だけでは市場価値を維持できなくなる可能性があります。
Webエンジニアの将来性については「Webエンジニアの将来性は?活躍し続けるためのスキルも解説」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
Webプログラマーが市場価値を高める方法
Webプログラマーとしての市場価値を高め、長期的にキャリアを築くためには、ほかのエンジニアとの差別化が不可欠です。ここでは、具体的な市場価値向上の方法を3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
先端技術の知識とスキルをアップデートする
Webプログラマーが市場価値を維持・向上させるには、最新技術のキャッチアップが必須です。技術の陳腐化は仕事の幅を狭め、年収にも影響を与える可能性があります。
たとえば、フロントエンド開発では、従来のjQueryからモダンなJavaScriptフレームワークへの移行が進んでいます。また、クラウドサービスの普及により、AWSやGCPなどのクラウド技術の理解も重要性を増しているのが現状です。
最新情報をキャッチアップするための主な方法は以下のとおりです。
-
・技術ブログを定期的に読む
・技術カンファレンスへ参加する
・オープンソースプロジェクトへ参加する
・オンライン学習プラットフォームを活用する
これらの方法を組み合わせ、継続的にトレンドをキャッチアップし、Webプログラマーとしての市場価値を維持・向上させていくことをおすすめします。
需要の高い技術を習得する
需要の高い技術を習得することは、Webプログラマーが市場価値を高めるために必要です。そのため、市場のニーズを的確に捉えて、習得する技術を検討することをおすすめします。
需要の高さは、求人数や案件数の多さを確認することで分かります。2023年12月時点のレバテックのプログラミング言語別求人数調査によると、プログラミング言語別の求人数は以下のとおりとなっています。
1位 | Java | 1418件 (BtoB:1219件、BtoC:199件) |
2位 | PHP | 494件 (ソーシャルゲーム:37件、 ソーシャルゲーム以外:457件) |
3位 | JavaScript | 406件 (フロント:326件、サーバ:80件) |
4位 | Ruby | 326件 |
5位 | Python | 261件 |
この結果を見ると、求人数はJavaが圧倒的に多いです。Javaの求人数は、2位のPHPと比べても約2.8倍もの差をつけているため、高い需要があることが分かります。
ただし、技術の需要は時代とともに移り変わるため、市場の動向を定期的に調査することが大切です。特にWebプログラマーにとって、需要の高い技術を見極め、習得することは市場価値を高める上で重要なポイントとなります。
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マネジメントスキルを身につける
Webプログラマーが市場価値を高めるためには、技術力に加えて、マネジメントスキルを身につけることもポイントです。現代のWeb開発ではチームでの協働が標準となっています。マネジメントスキルがあるWebプログラマーは組織全体の成果に貢献できるため、企業からの高い評価を得やすいです。
マネジメントスキルにも幅広い種類がありますが、Webプログラマーが習得すべき主なスキルは、以下のとおりです。
プロジェクト 管理能力 |
・スケジュール管理 ・タスク分配 ・リスク管理 ・進捗管理 |
コミュニケーション 能力 |
・折衝力/調整力 ・チーム内での情報共有 ・技術的な説明力 |
リーダーシップ | ・チームビルディング ・メンバーの育成 ・モチベーション管理 ・問題解決能力 |
これらのスキルを身につけることで、単なるプログラマーではなく、チームの中核として活躍できる人材となり、結果として市場価値の向上につながります。
まとめ
この記事では、Webプログラマーが「やめとけ」といわれる理由を詳しく解説しました。さらに、Webプログラマーに向いている人の特徴や未経験から転職できる可能性、年収相場、将来性、市場価値を高める方法などもあわせて説明しました。
Webプログラマーが「やめとけ」といわれる理由として、変化に対応できる柔軟さや継続的なスキルアップの必要性、残業の多さ、AIにより仕事を奪われる懸念があります。
しかし、適性のある人や未経験の人にとっては、魅力的なキャリア選択肢の1つです。この記事を参考に、自身の特性や目標に照らし合わせて、Webプログラマーという職種が自分に適しているか検討してみてください。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております