- ネットワークエンジニアが「やめとけ」といわれる6つの理由
- ネットワークエンジニアが必要とされる理由
- きついといわれるネットワークエンジニアのやりがい
- やめておくべき?ネットワークエンジニアに向いている人
- ネットワークエンジニアへの転職を成功させる方法
- まとめ
ネットワークエンジニアが「やめとけ」といわれる6つの理由
ネットワークエンジニアの主な仕事は、企業のネットワークを設計・構築したり、運用・保守することです。さまざまな業務を担っているネットワークエンジニアがやめとけといわれる理由を6つ紹介します。
理由1:障害対応による夜勤や休日対応が発生する
企業のネットワークは24時間365日稼働させる必要があり、ネットワーク障害はいつ発生するのか予測できません。ネットワークトラブルが発生した際に、迅速かつ的確に対応するのがネットワークエンジニアです。
障害対応が長引けば、夜通しの作業や休日対応を強いられることもあります。
理由2:トラブル発生時のプレッシャーが大きい
ネットワークエンジニアには迅速かつ的確な対応が求められ、その責任は非常に大きいといえます。
ネットワーク障害が発生すると、企業の業務停止や大規模なサービス停止につながる可能性があります。特に原因特定が難航するケースや復旧作業が長引く場合は、焦りやストレスを感じやすくなるでしょう。
理由3:キャリアアップしないと収入が上がりにくいことがある
レバテックキャリアに掲載されているネットワークエンジニアの平均年収(2025年3月時点)は以下のとおりです。
職種 | 平均年収 | 中央値 | 想定年収 |
---|---|---|---|
ネットワーク エンジニア |
581万 | 575万 | 294~1200万 |
想定年収は294〜1200万となっており、業務内容によって年収幅が大きいのが特徴です。トラブル対応や定型業務などがメインの業務となっている場合、給与の大幅な向上は期待しにくいでしょう。
一方、設計・構築業務であれば、高度な技術が求められるため収入アップにつながりやすくなります。
理由4:資格取得のハードルが高い
ネットワークエンジニアの業務に関連した資格には、難易度が高いものが多く見られます。
その一例がシスコシステムズ社が提供するシスコ技術者認定の1つであるCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)です。CCIEはITスキル標準でレベル4となっています。
IPA(情報処理推進機構)が公開している「デジタル人材の育成」によると、レベル4は「プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル」と定義されています。
CCIEを取得するには、高度な専門知識と実務能力、課題解決力が必須です。長期間の学習と豊富な実務経験が求められるため、資格取得のハードルは非常に高いといえるでしょう。CCIEについては下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:CCIEの難易度は高い?試験対策や取得者の将来性を解説
なお、ネットワークエンジニアの業務は「資格を取得しなくてもできる」と思っている方も多い一方で、キャリアアップや給与向上を目指すためには資格取得がアピールポイントになります。
しかし、資格を取得するためには多くの勉強時間が必要です。業務と並行して学習を続けるのは容易ではなく、資格取得にかかる負担や難易度の高さからネットワークエンジニアはやめとけといわれています。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格は、下記の記事で紹介しています。
関連記事:ネットワークエンジニアにおすすめの資格一覧!難易度や取得順番も紹介
理由5:ルーティンワーク化しやすく専門スキルが身につきにくいことがある
ネットワークエンジニアとして運用保守業務のみを担当する場合、ルーティンワークが中心になりやすい傾向があります。
例えば、ネットワーク監視や障害対応といった業務はマニュアル化されているケースが多く、専門知識を活かす機会が限られるため、スキルアップを感じられなかったり楽しいと感じられなかったりするでしょう。
ネットワークエンジニアの仕事内容については、下記の記事で詳しく解説していますので、是非読んでみてください。
関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容から年収までわかりやすく解説
理由6:クラウドや自動化の進化により、ネットワークの手動構築が減少している
近年、AWSやAzureといったクラウドサービスが普及したことにより、物理的なネットワーク機器を使わずにネットワーク環境を構築できるようになりました。
一方で、手動構築は減少したものの、ネットワークの設計や改善提案などにリソースを割けるようになっています。
このような業務内容の変化に適応できないと、ネットワークエンジニアとしてのキャリアが停滞してしまうリスクがあります。
関連記事:「ネットワークエンジニアはやめとけ」といわれる理由は?その対策も解説
ネットワークエンジニアが必要とされる理由
「ネットワークエンジニアはやめとけ」といわれることはあるものの、ネットワークエンジニアは下記のような理由で必要とされており、やりがいを感じやすい職種です。
それぞれの理由について解説します。
クラウドが普及してもネットワーク基盤は必要なため
ネットワークの安定性や効率性を確保するために、ネットワークエンジニアの役割はますます重要になっています。
近年、クラウド環境を利用する企業が増えており、データセンター同士やクラウド間の通信量が増大しています。総務省の「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は77.7%となっており、8割近い企業がクラウドサービスを利用している状況です。

クラウドサービスを利用する際は、データの送受信やシステム連携が欠かせないため、高品質なネットワーク基盤が構築できるネットワークエンジニアが必要です。
5GやIoTの発展により、需要がさらに拡大する可能性があるため
昨今の5GやIoTの発展により、ネットワークエンジニアにはより高度な技術の設計・運用スキルが求められており、今後も需要が拡大する可能性があります。
総務省の「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会 5G普及のためのインフラ整備推進ワーキンググループ報告書」によると、全国の5G人口カバー率は2023年3月末で96.6%となっており、ほぼ全国的に5G環境が整備されている状況です。
また、IoT(Internet of Things)の普及により、ネットワークに接続されるデバイスが飛躍的に増加しています。総務省の「令和6年版 情報通信白書 | データ集」によると、世界のIoTデバイス数は2025年に462.9億台、2026年には514.4億台に推移することが予測されています。
きついといわれるネットワークエンジニアのやりがい
きついといわれがちなネットワークエンジニアの仕事ですが、実際には多くのやりがいを持って働けるのが魅力です。例えば以下の4点がやりがいとして挙げられます。
社会インフラを支える使命感を持って働ける
ネットワークエンジニアは、安定した通信環境を提供することで社会に貢献できます。
現代社会では、オンラインサービスやクラウドコンピューティング、IoT機器などが日常生活やビジネスの基盤となっています。これらを円滑に動かすためにはネットワークの安定性が欠かせません。
例えば、災害時やシステム障害が発生した際にネットワークを迅速に復旧させることで、人々の生活や企業の業務を守ることが可能です。
チームで協力しながら大規模なプロジェクトに携わることができる
ネットワークエンジニアの仕事は、個人で完結するものではなく、チームで対応するのが一般的です。チーム一丸となってシステムを支え、協力しながらプロジェクトを成功させることで、大きな達成感を得られるでしょう。
チームメンバーと協力し、大規模なプロジェクトに携わることができることもネットワークエンジニアのやりがいの1つです。
未経験からでもチャレンジしやすい
未経験からネットワークエンジニアになった場合、最初は運用・保守業務からスタートし、段階的にスキルアップを図れる点がメリットです。
実務経験を積んだり、資格を取得したりすることで設計・構築などの上流工程へ携わるチャンスも得やすくなります。
キャリアアップの選択肢が多い
ネットワークエンジニアは、クラウドやセキュリティの知識を習得することで、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアなどを目指すことが可能です。
「ネットワークエンジニアのキャリアパスを知りたい」という人は、下記の記事を読んでみることをおすすめします。
関連記事:ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアになることは可能?
やめておくべき?ネットワークエンジニアに向いている人
どんな職種でも向き不向きがあり、適性があるかを判断する必要があります。ネットワークエンジニアに向いている人の特徴は以下のとおりです。
地道な作業が苦にならない人
ネットワークエンジニアには、地道な作業が苦にならない人や、細かな確認作業をコツコツとこなせる人が向いているといえるでしょう。
例えば、ネットワークの設計や構築では、ルーターやスイッチの設定を一つひとつ丁寧に行わなければなりません。ネットワークの運用・保守においても、システムログの確認やネットワーク監視を日々欠かさず実施することが求められます。
最新技術に対して好奇心旺盛な人
ネットワークの技術は日々進化しており、ネットワークエンジニアは常に技術を習得し続けることが求められます。
例えば、新しいネットワークプロトコルが登場したら自身で検証環境を作って試す人や、技術系のニュースサイトやフォーラムを毎日チェックして情報収集する人などが挙げられます。
論理的思考力がある人
ネットワークの設計やトラブルシューティングにおいては、問題を的確に切り分け、原因を特定するための論理的なアプローチが欠かせません。
例えば、通信障害が発生した場合、どの層で問題が生じているのかを順序立てて検証し、段階的に原因を特定する必要があります。
ネットワークエンジニアへの転職を成功させる方法
ネットワークエンジニアへの転職を成功させるには、下記の4つを実践するのがおすすめです。
転職の目的とキャリアプランを明確にする
ネットワークエンジニアとして転職を成功させるためには、まず「なぜ転職をするのか?」という目的を明確にすることが重要です。目的を明確にすることで、転職活動の方向性が定まります。
例えば「設計・構築の道へ進みたい」「クラウドエンジニアとしてキャリアを築きたい」「セキュリティ分野を極めたい」など、具体的な目標を設定することで、必要なスキルや資格を把握できます。
関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス!キャリアアップの要点も解説
求めるキャリアプランに必要なスキル・資格を習得する
次に、自身が実現したいキャリアプランに必要なスキル・資格を習得しましょう。
例えば、ネットワークエンジニアとして設計・構築業務に携わりたい場合、CCNA(Cisco Certified Network Associate) やCCNP(Cisco Certified Network Professional) といった資格を取得するのがおすすめです。クラウドエンジニアを目指す場合には、AWS認定資格の取得などがおすすめです。
関連記事:ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法
転職市場の状況を把握する
ネットワークエンジニアの転職市場は、技術の進化に伴い大きく変化しており、特にクラウド環境やセキュリティ対策に対応できる人材が求められています。
具体的に注目すべき市場動向と、その市場において求められる人材は以下の3点です。
市場動向 | 求められて いる人材 |
---|---|
クラウド技術のニーズ拡大 | AWSやAzure、GCP(Google Cloud Platform) などに精通したエンジニア |
セキュリティの強化 | ゼロトラストセキュリティの 導入を担えるエンジニア |
ネットワークの自動化 | AnsibleやTerraformなどの自動化 ツールに精通しているエンジニア |
転職エージェントを活用して転職活動を始める
転職活動をスムーズに進めるためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
レバテックキャリアは最新の技術情報や業界動向に精通しており、希望条件に合った求人を提案できます。
自力での転職活動に不安がある方や、効率よく希望条件に合った求人を見つけたい方は、ぜひご活用ください。
まとめ
ネットワークエンジニアの仕事は、障害対応による夜勤や休日対応が発生することがあり、特にトラブル発生時のプレッシャーが大きいものです。そのため、やめとけといわれるケースがよくあります。
しかし、クラウド環境の整備やセキュリティ対策が重視される中で、ネットワーク基盤を支えるネットワークエンジニアは引き続き重要な役割を担うでしょう。
レバテックキャリアに登録すれば、ネットワークエンジニアの求人を効率的に探せます。最新の求人情報をチェックしながら、ネットワークエンジニアへの転職を検討してください。