システムエンジニア(SE)はやめとけといわれる5つの理由と向いている人

最終更新日:2025年5月9日

「自分にシステムエンジニアの適性があるのかわからない」
「これからシステムエンジニアを目指したいが、未経験でもやっていけるのか不安」

こうした悩みを持つ方に向けて、本記事では「システムエンジニアはやめとけ」といわれる理由を紹介しつつ、システムエンジニアに向いている人の特徴や、転職を成功させる方法まで詳しく解説します。

システムエンジニアの仕事は確かに厳しい面がありますが、やりがいやメリットを多く感じられる職種でもあります。「システムエンジニアになっていいのか」を適切に判断できるよう、本記事を通してシステムエンジニアに関する理解を深めましょう。

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この記事のまとめ

  • 納期や残業による精神的・肉体的負担が大きいなどの理由から「やめとけ」といわれている
  • 技術トレンドの変化が早く、継続的な学習が求められる
  • 向き不向きが分かれやすく、事前の適性確認が重要となる

システムエンジニアはやめとけといわれる5つの理由

システムエンジニアは魅力的な職種の1つですが、下記のような理由で「やめとけ」といわれることも少なくありません。


その背景には、仕事の厳しさや業界特有の問題があります。本章では、システムエンジニアはやめとけといわれる5つの理由について解説します。

理由1:納期のプレッシャーが大きいため

システムエンジニアは常に納期に追われる仕事であり、プレッシャーが大きいと感じることがあります。

多くのプロジェクトはクライアントが指定する納期に基づいて進行し、納期を守るために開発のペースを上げなければならない局面が多く、工程に余裕がないまま突き進むケースも少なくありません。

また、システムトラブルが発生すれば即座に対応しなければならず、大きなプレッシャーがかかる状況になりがちです。

このような、時間的な制約にストレスを感じやすい場面があることから、やめとけといわれています。

理由2:技術の進化に合わせて学び続ける必要があるため

IT業界は技術が日々進化しています。そのため、システムエンジニアが市場価値を維持するためには最新の技術をキャッチアップし続ける必要があります。

数年前まで主流だったプログラミング言語が、今ではほとんど使われなくなることもあります。例えば、JavaScriptのフレームワークは数年ごとに新しいものが登場し、ReactやVue.js、Angularなど、トレンドは変化しています。

IT業界では学習を怠るとスキルが陳腐化し、市場価値が下がるリスクがあるため、学ぶことが苦にならない人でなければ、システムエンジニアを続けるのは難しいでしょう。

理由3:チーム開発のコミュニケーションコストが高いため

システムエンジニアの仕事は1人で完結するものではなく、チームでのコミュニケーションが重要です。

多くのプロジェクトでは、プログラマー、UI/UXデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな職種の人と連携する必要があります。

例えば、開発の途中でクライアントの要望が変わると、仕様を変更しなければなりません。この際、関係者と調整を行い、開発スケジュールや影響範囲を確認する必要があります。コミュニケーションが不足すると、ここで認識のズレが発生し、プロジェクトの遅延や失敗を招いてしまうでしょう。

このようなことから、チームでの協力が苦手な人や1人で黙々と作業したい人には、システムエンジニアの仕事は向いていないとされ、「やめとけ」といわれる理由になっています。

理由4:労働時間が長くなりがちなため

システムエンジニアの仕事は労働時間が長くなりやすく、ワークライフバランスを取りにくい場合があります。

プロジェクトの進捗が遅れると、スケジュールを取り戻すために長時間労働が発生しがちです。システムのリリース前は特に忙しく、深夜まで作業をすることも珍しくありません

ワークライフバランスを重視する人や、規則的な働き方をしたい人からすると「システムエンジニアはやめておこう」と感じる理由の1つになるかもしれません。

関連記事:システムエンジニア(SE)の残業は平均21時間!残業理由と対策も解説

理由5:労働時間と報酬のバランスが割に合わないため

システムエンジニアは労働時間と報酬のバランスが割に合わない場合もあります。

特に、若手のシステムエンジニアは、労働時間に対して給与が低めに設定されていることが多く、経験を積まないと高収入を得にくいでしょう。

レバテックキャリアに掲載されている求人から計算した、システムエンジニアの平均年収は約700万円程度(2025年3月時点)ですが、経験が浅いと400万円台からスタートすることもあります。
高収入を求めるなら、システムエンジニアとしてスキルを高め、フリーランスや上級職(PM・ITコンサル)へのキャリアアップが必要です。

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未経験からシステムエンジニアにはならないほうがいい?

システムエンジニアは、未経験からでも目指せる職種の1つですが、「未経験でシステムエンジニアになるのはやめたほうがいい」といわれることもあります。これは、以下に挙げるIT業界の厳しさや、求められるスキルのハードルなどが理由として挙げられます。


しかし、企業によっては未経験からでもサポートを受けながらシステムエンジニアとしてのキャリアを積めることもあります。前提として、自身がどのような企業や業界でどのようなシステムエンジニアになりたいのかによっても「未経験からの転職はやめた方がいい」かは、異なることを理解しておきましょう。

プログラミングの習得ハードルが高い

未経験からプログラミングを学ぶのは簡単ではなく、独学での習得には時間がかかるものです。

初心者がいきなり業務レベルのコードを書けるようになるには、相応の学習時間が必要です。

しかし、昨今では、OpenAI CodexCodeGPTなどのプログラミングを支援するAIツールの登場により、独学でも勉強しやすくなっています。実務ではフレームワークやデータベースの知識、API連携などのスキルも必要になるため、効率的に学習する必要があるでしょう。

実務経験なしでは、適切な職場を選びにくい

未経験の人は業界の実情を知らないことが多いため、自分に合う企業を選ぶことが難しいと感じる人も多いでしょう。

未経験歓迎を掲げる企業の中には、「研修制度あり」と求人に記載しているところもあります。しかし、実際には十分な研修はなく、基礎的なスキルが身につかないままプロジェクトに参画させられることもあります。スキルがない状態で現場に出されると、まともな業務ができずに「成長できない」「キャリアが詰む」原因になりやすく、仕事が楽しいと感じられない可能性があります

そのため、転職前には「SES・受託開発・自社開発」などの企業形態の違いをはじめ、企業研究を念入りに行い、自分に合った職場を選ぶことが重要です。

下記の記事では、企業研究のポイントを含めてシステムエンジニアとしてホワイト企業に転職する方法について解説していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:「システムエンジニアはブラック」は本当?理由と魅力を紹介

仕事のハードルが想像以上に高い

未経験者の場合、システムエンジニアの仕事を想像していたよりも大変だと感じ、早期に退職することも珍しくありません。

システムエンジニアの仕事は、単にプログラミングをするだけでなく、クライアントとの打ち合わせや要件定義、システム設計、テストなど幅広い業務を担当する必要があります。

イメージとのギャップを埋めるためにも「システムエンジニアの仕事はプログラミングだけではない」という点を理解し、事前に業務内容を詳しく調べておくことが大切です。システムエンジニアの仕事内容については、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:システムエンジニアとは?仕事内容や年収を分かりやすく解説

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やめておくべき?システムエンジニアに向いている人の特徴

「システムエンジニアはやめとけ」といわれている理由を見て、不安に感じた人もいるかもしれません。しかし、システムエンジニアに適性がある人にとっては、やりがいがあり成長できる職種です。

本章では、システムエンジニアに向いている人の特徴を4つ紹介します。これらの特徴を把握し、自身に適性があるかを判断するための参考にしてください。


関連記事:システムエンジニア(SE)に向いている人の6つの特徴・共通点とは?

論理的思考ができる人

システムエンジニアは論理的に物事を考え、問題を解決する力が求められます。

システム開発には、「この処理を実行するには、どのような手順が必要か?」 といった論理的な考え方が不可欠なためです。

例えば、「Webアプリの動作が遅い」という状況に直面した場合、原因として以下のような可能性を検討します。

  • ・サーバーの負荷が高い

    ・データベースの処理が遅い

    ・プログラムのロジックに無駄がある

あらゆる仮説を立てて問題を切り分け、順番に検証する作業が多いため、論理的思考が得意な人はシステムエンジニアに向いているといえます。

誰かと協力して物事を進めるのが好きな人

システムエンジニアの仕事はチームで進めることが多いため、協力して作業するのが得意な人が向いています。

開発プロジェクトでは、多数のポジションの人と連携をとりながら進めます。タスクを分担することも多いため、周囲と円滑にコミュニケーションを取れることが重要です。

例えば、新しい機能を開発する際には、次のようなやり取りが発生します。

  • ・クライアントの要望をヒアリング(この機能で何を実現したいのか?)

    ・デザイナーと画面の仕様を調整(このUIでユーザーが使いやすいか?)

    ・プログラマー同士で連携(このAPIをどのように実装するか?)

    ・テストエンジニアと連携してバグを修正

こうしたプロセスを他のメンバーと協力しながら進めることにやりがいを感じる人は、楽しく仕事を続けられるでしょう。

向上心が高く新しい技術を学ぶのが好きな人

システムエンジニアは常に新しい技術を学び続ける職種なため、向上心があり、新しいことを学ぶのが好きな人が向いています

IT業界は変化が激しく、数年ごとにトレンドが変わります。

例えば、下記のように数年前には主流だった技術が、現在では使われなくなることもあります。

【プログラミング言語のトレンド】
かつてWebアプリ開発で主流だったPHPは、近年ではPythonやGoに取って代わられつつある

【クラウド技術の普及】
AWSやGCPといったクラウド技術を使いこなせるシステムエンジニアの需要が増えている

こうした変化に適応し、自ら学ぶ姿勢がある人は、システムエンジニアとして長く活躍できるでしょう。

根気強く問題解決に取り組める人

システムエンジニアは、システム開発においてトラブルやバグに遭遇することが多いため、粘り強く解決策を探せる人が向いています

プログラムは、一度組んだだけで完璧に動くことはほとんどなく、何度も試行錯誤しながら修正する作業が発生します。

例えば、「プログラムが動かない」といったトラブルが発生した場合、次のようなプロセスで問題解決を進めます。

  • ・エラーメッセージを確認

    ・過去の事例を調べる

    ・コードのロジックを見直す

    ・仮説を立てて修正を試みる

    ・再テストを行い、期待通りに動くかを検証

このようなプロセスを何度も繰り返しながら根気強く対応できる人は、システムエンジニアに向いているといえます。

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システムエンジニアのやりがいやメリット

システムエンジニアの仕事は「やめとけ」といわれることもありますが、適性がある人にとってはやりがいやメリットがある職種です。本章では、システムエンジニアの魅力を下記の3つのポイントに分けて解説します。


これら以外にも、システムエンジニアのやりがいはたくさんあります。下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ読んでみてください。

関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選!大変なことも解説

問題を解決した際の達成感

システムエンジニアは、プログラムやシステムの問題を解決することで、大きな達成感を得られます

システム開発では、バグの修正やパフォーマンス改善など、「問題を解決すること」 が日常業務の一部です。このような課題に対して試行錯誤し、解決できたときの達成感は、システムエンジニアならではの醍醐味です。

例えば、システムの動作が遅いという問題が発生した場合、システムエンジニアはデータベースのクエリを最適化したり、コードの処理を改善したりして、パフォーマンスを向上させます。

問題解決後、システムがスムーズに動くようになると達成感を得られ、やりがいにつながります。

チームでプロジェクトを成功させる喜び

システムエンジニアには、チームで協力しながらプロジェクトを成功させる楽しさがあります。

チームで意見を出し合いながら1つのシステムを作り上げ、リリースが完了した際には「チームの努力が形になった」という喜びを感じることができます。

「チームで何かを作り上げるのが好きな人」や「成果が形に残る仕事をしたい人」にとって、システムエンジニアの仕事は魅力的に感じられるでしょう。

キャリアの選択肢が多い

システムエンジニアはIT業界における「ものづくり」の一連の流れを経験できるため、さまざまなキャリアで活かせます。経験を積めば、以下のようなキャリアパスを選ぶことが可能です。

専門職として技術を極める
高度なプログラミングスキルを身につけ、エンジニアとして市場価値を高める

プロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントに転向
マネジメントスキルを活かしてキャリアアップ

フリーランスとして独立
自由な働き方を実現し、高単価の案件を受注

キャリアの選択肢が幅広いシステムエンジニアは、「将来の可能性を広げたい人」にとってのメリットになるでしょう。

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システムエンジニアへの転職を成功させる方法

システムエンジニアに転職したいと考えている人にとって、「どのように転職活動を進めれば成功しやすいのか」は誰しもが抱える悩みでしょう。

転職を成功させるためには十分な準備が必要です。本章では、システムエンジニアへの転職を成功させるための具体的なステップを解説します。

転職の目的とキャリアプランを明確にする

まずは「なぜシステムエンジニアになりたいのか?」を明確にし、将来のキャリアプランを考えることが重要です。

前提として、システムエンジニアの業務内容は企業や職種によって大きく異なります。そのため、「とりあえずIT業界に入りたい」という曖昧な動機では、ミスマッチのある転職になり、早期離職のリスクが高まってしまいます。

「将来どのようなエンジニアになりたいのか?」から逆算して考えておくことで、必要なスキルや転職先の選択肢を明確にできます

  • ・「技術を極めたい」 → 自社開発企業やWeb系の企業を目指す

    ・「安定して働きたい」 → SIerや社内SEを目指す

    ・「フリーランスや副業も視野に入れたい」 → プログラミングスキルを重点的に学ぶ

求められるスキル・資格をチェック

次に、転職市場で求められるスキルを理解し、それに向けた準備をすることが大切です。

企業によって求めるスキルセットが異なるため、事前にチェックしておくことで、習得すべきスキルを絞ることができます。

  • ・未経験・初級者向け → HTML、CSS、JavaScript、SQLの基礎

    ・インフラ基盤の構築にも携わるなら → AWS、Linux、ネットワークの知識

    ・データベースを扱うことが多ければ → SQL、Python、データベース設計

また、転職の際に有利になる資格として、以下のものが挙げられます。

システムエンジニアにおすすめの資格については、下記の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介

求めるキャリアプランに必要なスキルを習得する

必要なスキルを明確にしたあとは、実務レベルのスキルを習得し、企業にアピールできるようにしましょう。

未経験からシステムエンジニアに転職する場合、企業側は「本当に実務で活躍できるのか?」を1つの基準としています。履歴書に書けるスキルがあったとしても、実際に何かを作った経験がないと評価されにくいため、ポートフォリオを作成し、スキルを証明することが大切です。

  • ・Webアプリを作成し、GitHubに公開する

    ・クラウド環境(AWSやGCP)でシステムを構築してみる

    ・オープンソースプロジェクトに参加する

これら以外にも、システムエンジニアに必要とされているスキルがあります。下記の記事ではスキルアップの方法まで解説しているため、ぜひ参考にしてください。

関連記事:SEに必要な7つのスキル!関連職種からスキルアップの方法まで紹介

転職市場の状況を把握する

転職活動を成功させるためには、システムエンジニアの転職市場や企業の採用動向を理解することが重要です。

「どの技術・職種の需要が高いのか? 」を把握しておくことで、より有利な転職活動ができます。また、「どのタイミングで転職するべきか?」も判断しやすくなるでしょう。

  • ・Web系エンジニアは常に高い需要がある

    ・クラウド(AWS・GCP)のスキルを持つ人材は市場価値が高い

    ・未経験者向けのITスクール経由の求人が増えている

転職市場の動向を把握し、どのスキルの需要が高いのかを理解することで、転職成功率を高めましょう。

転職エージェントを活用して転職活動を始める

未経験からシステムエンジニアに転職する場合は、転職エージェントを活用することで、より良い求人を見つけやすくなります。

書類の添削や面接対策などのサポートも受けられるため、未経験者にとっては特に有益です。

IT業界における転職には、IT業界に特化した転職エージェントのレバテックキャリアがおすすめです。

「将来に対して漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。

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まとめ

システムエンジニアは将来性のある職種ですが、「やめとけ」といわれる理由も多く存在します。代表的な理由には、納期の厳しさによるプレッシャー、技術進化の速さからくる学習負担、チーム開発に伴うコミュニケーションの難しさ、長時間労働と報酬のバランスの悪さなどがあります。

さらに、未経験者にとっては、習得すべきスキルの多さや、実務経験の乏しさから職場選びの難易度が高いことも課題です。ただし、適性がある人にとっては、やりがいやキャリアの広がりを感じられる魅力的な職種でもあります。

もし、これからのキャリアについて悩みを抱えている方は、IT業界に特化したレバテックキャリアにご相談ください。

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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