- ITエンジニア3年目でも転職は可能
- ITエンジニア3年目の転職は売り手市場
- 3年目ITエンジニアが転職を成功させるためにすべきこと
- ITエンジニア3年目で転職するメリット
- ITエンジニアの経験3年目で年収が上がりやすい人
- 新卒3年目のITエンジニアが転職の際に求められるスキル
- ITエンジニア3年目の転職でよくある質問
- まとめ
ITエンジニア3年目でも転職は可能
結論として、エンジニア3年目でも転職は可能です。なぜなら、エンジニア3年目の時期はある程度実務経験を積み、開発プロジェクトの全体像を把握できているからです。また、チーム開発での役割を理解し、独力での業務遂行も可能な段階にあります。
さらに、新人エンジニアへの指導や育成補助といった役割も担えるため、企業にとって即戦力として魅力的な存在となっています。
ITエンジニア3年目の転職は売り手市場
経済産業省の「IT人材育成の状況等について」によると、将来的に40~80万人の規模で不足が生じるとされています。これは、IT需要予測から推計されるIT人材需要との需給ギャップから2030年までのIT人材の不足数を推計し、労働集約業態のIT人材の低生産性を前提とした試算です。
このような深刻なIT人材不足を背景に、3年の実務経験を持つ即戦力のエンジニアへの需要は常に高い状態が続いています。
また、近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速により、従来の業種・業界を問わず、IT人材への需要が拡大しています。このため、より幅広い選択肢の中から、自身のキャリアプランに合った転職先を選ぶことが可能です。
関連記事:【最新】SEの将来性と市場需要!経済産業省のデータをもとに考察
3年目ITエンジニアが転職を成功させるためにすべきこと
3年目のITエンジニアが転職を成功させるためにすべきこととして、以下の3つが挙げられます。
転職を考えている方は、理想の職場に就職できるように、上記のポイントを押さえておきましょう。それぞれ解説します。
自身の市場価値を把握する
転職を成功させるうえでまず重要なのは、現在の自分の市場価値を正確に把握することです。これには、技術スキルの棚卸しが不可欠です。具体的には、習得している言語やフレームワーク、関わったプロジェクトの規模や役割、成果などを詳細にリストアップしましょう。
また、転職サイトやエージェントを通じて、同程度の経験年数を求めるエンジニアの求人情報や年収相場を調査することも重要です。特に注目すべき点は、求人企業が重視するスキルセットや、優遇される技術経験、求められる資格などです。求人内容を確認して、自身と合致しているか確認しましょう。
これらのアクションを取ることで、自身の市場価値を正確に把握でき、企業とのミスマッチを防げます。
キャリアプランを明確にする
転職を考える際は、待遇面や職場環境の改善だけでなく、長期的なキャリアプランを見据えることが重要です。なぜなら、キャリアプランが不明確なまま転職をすると、転職先でキャリアに悩む可能性があるからです。
具体的なアクションとしては、今後専門性を高めたい技術領域やチャレンジしたい業界、目指したいポジションなどを設定します。たとえば、フロントエンドエンジニアとしてのスペシャリストを目指すのか、またはマネジメント職へのキャリアチェンジを考えているのかといった自身の志向性を明確にします。
また、5年後、10年後のキャリアイメージを描き、そこに到達するために必要なスキルや経験を逆算して考えることで、より戦略的な転職活動が可能です。
転職活動に必要な準備を洗い出す
転職活動を効率的かつ効果的に進めるためには、必要な準備を洗い出すことも重要です。エンジニアの転職では、職務経歴書はもちろん、自身のスキルや実績をアピールするためのポートフォリオの作成が必要です。具体的には、GitHubに記載したソースコードやQiitaに投稿した技術記事、個人開発したプロダクトなど、技術力を具体的にアピールできる材料を整理します。
また、面接対策も重要です。エンジニアを対象にした面接では、ソフトウェアやハードウェア、ネットワークなどの基礎知識に加えて、システム設計の考え方、実務での問題解決事例などが問われます。自分のスキルや知識を証明するためにも、説明できるように準備しておきましょう。
以上の準備を怠らず、計画的に進めることで、希望する条件での転職実現に近づくことができます。ただし、焦って準備が不十分なまま活動を始めると、なかなか転職先が決まらなかったり、転職後にギャップを感じて後悔したりする場合があります。そのため、可能な限り余裕をもって準備を進めましょう。
ITエンジニア3年目で転職するメリット
ITエンジニア3年目で転職するメリットは、以下のとおりです。
それぞれ紹介するので、転職に踏み切れずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
実務経験をアピールしやすい
3年目のエンジニアは、具体的な実績や成果を示しやすい立場にあります。実務で複数のプロジェクトを経験し、実際のビジネス課題解決に携わってきた経験は、転職市場で高く評価されます。
特に、開発手法やツールの使用経験、チーム開発での役割、トラブルシューティングの実績など、実践的なスキルを証明できる材料は評価されやすいです。また、新人育成のサポートや小規模なプロジェクトのリーダー経験なども、付加価値として評価されやすい実績です。
さらに、この時期までに身につけた業界特有の知識や、社内システムの改善提案、顧客との折衝経験なども、即戦力としての価値を高める重要なアピールポイントとなります。
こうしたスキルや経験を正確に伝えるには、職務経歴書の書き方が重要です。職務経歴書の書き方に迷う方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SE(システムエンジニア)の職務経歴書サンプルと書き方を解説!
転職によるキャリアアップが期待できる
3年目のエンジニアは、現在の技術スタックを活かしながら、より高度な案件や大規模なプロジェクトにチャレンジできる機会が多く存在します。
また、フロントエンド・バックエンド・インフラなど、特定の領域への挑戦や、フルスタックエンジニアへの転向など、キャリアの方向性を柔軟に選択できます。マネジメントへのキャリアチェンジを考えている場合も、3年目の時期はまだ若手ということもあり、マネジメント職としての成長の余地があると評価され、歓迎されやすい段階です。
なお、レバテックキャリアは、IT業界に特化した転職支援サービスを提供するエージェントです。IT業界において10年以上の実績を持っており、キャリアの相談や現職の悩み相談が可能です。今後のキャリアについて相談したいと思った方は、ぜひ以下の記事から詳細を確認してみてください。
関連記事:レバテックキャリアは相談だけでも利用できる!キャリア相談会など働き方をサポート
年収アップが期待できる
IT業界での3年の実務経験は、年収交渉での大きな武器となります。特に、専門性の高い技術スタックや、大きなプロジェクト経験を持つエンジニアは、年収アップを実現できる可能性があるでしょう。
実際に、レバテックで調査した「IT人材の転職による年収の変化」のデータでも転職によって年収が増えた人が58.8%存在しています。さらに、100万円以上増えた人は21.8%、200万円以上増えた人は15.0%と、転職によって年収が上がる人が一定数存在することが分かっています。
ITエンジニアの転職による年収アップについては、以下の記事から詳細を確認してみてください。
関連記事:
【年収バグ】転職でITエンジニアの給料が上がる?昇給や収入アップの事情
レバテックIT人材白書2024
第二新卒としてポテンシャル採用してもらいやすい
新卒でエンジニアとして働き始めた場合は、まだ第二新卒として扱われる時期です。そのため、現在の技術力だけでなく、今後の成長性や可能性も含めて評価される可能性が高いと言えます。特に、大手企業や急成長中のスタートアップでは、若手エンジニアの育成に積極的な企業が多く、ポテンシャル採用の対象になりやすいです。
また、第二新卒の場合は柔軟な学習能力と適応力が期待され、現場環境や社内制度、文化への順応も比較的スムーズだと考えられるます。
加えて、第二新卒採用枠では、新卒採用に近い手厚い研修制度や教育プログラムが用意されていることも多く、より安定したキャリア形成がしやすいです。このような企業の育成体制を活用することで、さらなるスキルアップやキャリアの発展につなげることができます。
第二新卒向けの転職を成功させる方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【20代・第二新卒向け】レバテックキャリアで転職する方法、メリット
ITエンジニアの経験3年目で年収が上がりやすい人
ITエンジニアの経験3年目で年収が上がりやすい人の特徴として、以下の4つが挙げられます。
これらの特徴に当てはまる人は、企業から評価されやすく、転職による年収アップが期待できます。それぞれ解説します。
実務スキルが高い人
技術的な実力が伴っているエンジニアは、転職市場で高い評価を得やすいです。エンジニアにはさまざまスキルが求められますが、特に実務で使用する開発ツールやバージョン管理システムに精通し、チーム開発でのワークフローを円滑に進められる能力が重要です。
また、担当システムのアーキテクチャを理解し、改善提案ができる能力も必要です。品質の高いコードを書き、適切なレビューができることも重要な評価ポイントとなります。これらのスキルを持ち合わせていれば、即戦力として高く評価されやすくなります。
思考力が高く課題解決までが早い人
単に与えられた作業をこなすだけでなく、問題の本質を理解し、効率的な解決策を提示できる人材は、多くの企業で重宝されます。
特に重要なのは、技術的な課題とビジネス課題の両方を理解し、バランスの取れた解決策を提案できる能力です。システムの問題点を早期に発見し、将来的な拡張性やメンテナンス性を考慮した改善策を提案できる人材は、高い評価を得られます。
また、予期せぬトラブルや緊急の課題に対して、冷静に対応できる危機管理能力も高く評価されます。システムダウンや重大なバグの発生時に、適切な初期対応と恒久的な解決策を提示できる人材は、企業にとって価値のある存在となります。
コミュニケーション能力が高い人
技術力に加えて、高いコミュニケーション能力を持つエンジニアは、高く評価されます。チームメンバーや他部署との円滑な連携ができ、顧客に対して技術的な内容を分かりやすく説明できる能力は、現代のIT開発において必要不可欠なスキルです。
これらのソフトスキルは、チーム開発やプロジェクトマネジメントにおいて重要な要素となり、より責任のある立場への登用につながります。特に、リモートワークを導入している企業では、オンラインでのコミュニケーション能力がより重要視されています。
好奇心が旺盛で新しいスキルや知識習得が好きな人
技術革新の速いIT業界では、継続的な学習意欲を持つエンジニアが結果的に高く評価されます。なぜなら、最新の技術トレンドに関心を持ち、積極的にキャッチアップすることで、今後現場で活かせる技術が身につくからです。
これからエンジニアとして年収を上げていきたい方は、技術書籍や技術ブログを定期的に読み、知識を更新する習慣を身につけましょう。
また、業務についての不明点や気になるポイントがあれば、同僚や上司に相談し解消することで、スキルアップにつながります。
新卒3年目のITエンジニアが転職の際に求められるスキル
新卒3年目のITエンジニアが転職の際に求められるスキルはさまざまですが、主要なものとして以下の3つが挙げられます。
具体的にどのようなスキルが必要なのか紹介します。
一般的なビジネススキル
3年目のエンジニアには、技術力だけでなく、ビジネスパーソンとしての基本的なスキルが求められます。具体的には、スケジュール管理やタスク優先順位の判断、リソースの適切な配分といったプロジェクトマネジメントの基礎知識が求められます。
さらに、コスト意識を持ち、効率的な開発手法を選択できる能力も評価のポイントです。
加えて、ビジネス文書の作成能力も欠かせません。要件定義書や設計書、報告書など、正確で分かりやすい文書を作成できることは、チーム開発において重要なスキルです。特に、技術的な内容を非エンジニアにも理解できるように説明する能力は、高く評価されます。
実務的なITスキル
3年の実務経験で身につけるべきITキルは、職種や専門分野によって異なります。代表的なエンジニア職に必要なスキルは、以下の表のとおりです。
職種例 | 必要なスキル |
---|---|
プログラマー | ・プログラミングスキル ・コミュニケーションスキル ・ドキュメント作成スキル ・品質管理のスキル |
SE(システム エンジニア) |
・コミュニケーションスキル ・マネジメントスキル ・ヒアリングスキル ・ドキュメント作成スキル |
インフラ エンジニア |
・ネットワークの知識 ・サーバーの知識 ・コミュニケーションスキル |
Web エンジニア |
・プログラミングスキル ・サーバーの知識 ・ネットワークの知識 ・コミュニケーションスキル ・セキュリティの知識 |
フロント エンジニア |
・プログラミングスキル ・ネットワークの知識 ・コミュニケーションスキル ・セキュリティの知識 |
上記以外にも、新しい技術のキャッチアップや、既存システムの改善提案ができる技術的な視野の広さも評価されます。
ITエンジニアに必要なスキルの詳細や、おすすめの学習方法は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:IT技術者(ITエンジニア)に必要なスキルとは?
コミュニケーション能力
現代のIT開発において、コミュニケーション能力は技術力と同等に重要視されています。チーム開発が一般的な現在、メンバー間での円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの成功に直結します。特に、技術的な議論をチーム内で建設的に行える能力や、他部署との連携がスムーズに行える対話力が重要です。
また、顧客との折衝や要件定義の場面でも、コミュニケーション能力は不可欠です。技術的な制約や実現可能性について、分かりやすく説明し、適切な提案ができることが求められます。特に、リモートワークが普及し始めた現在では、オンラインでのコミュニケーション能力も重要な評価ポイントとなっています。
ITエンジニア3年目の転職でよくある質問
最後に、ITエンジニア3年目の転職でよくある質問を紹介します。
Q1. エンジニア3年目の年収相場は?
3年目のエンジニアの年収相場は、レバテックキャリアの求人で実務経験3年以上が必須条件である求人を見てみると、年収の相場は400万円以上です。
フロントエンド、バックエンド、インフラなど、特定の分野で高い専門性を持つエンジニアの場合、年収500万円以上も十分に視野に入ります。特にAI・機械学習、クラウドアーキテクチャ、ブロックチェーンなどの先端技術領域では、さらに高い年収が期待できます。
Q2. エンジニアが3年以内に辞める理由は?
3年以内での退職を決意する理由として多いのが、技術的な成長機会の不足です。古い技術スタックしか使用できない環境や、チャレンジングな案件が少ない環境では、エンジニアとしてのスキルアップに限界を感じることがあります。
また、給与面での不満も辞める理由の一つです。IT業界の急速な発展に伴い、エンジニアの市場価値は上昇傾向にあります。しかし、既存の給与体系では、その市場価値に見合った待遇を得られないケースが多々あります。
さらに、働き方や職場環境への不満も大きな理由です。特に長時間労働は、ワークライフバランスを重視する若手エンジニアにとって重大な転職理由となります。
Q3. エンジニア3年目の転職難易度はどれくらい?
現在のIT人材市場において、3年目エンジニアの転職難易度は比較的低いと言えます。なぜなら、IT人材の慢性的な不足により、経験者への需要が非常に高い状態が続いているからです。
特に、3年程度の実務経験を持つエンジニアは、即戦力として期待できる一方で、給与面では中堅エンジニアほどのコストがかからないため、多くの企業が採用に積極的です。
また、3年目という時期は、柔軟な学習能力と適応力を持っていると評価される時期にあります。新しい環境や技術への対応が比較的容易だと考えられるため、企業側も採用のリスクが低いと判断します。
一方で、特定の技術や環境にのみ特化した経験しかない場合や、基本的なスキルが不足している場合は、希望する条件での転職が難しくなる可能性もあります。転職を考える際は、まず自身のスキルセットを客観的に評価し、必要に応じて不足している部分を補強することが重要です。
まとめ
ITエンジニアの3年目という時期は、キャリアの転換点として重要な意味を持ちます。この時期の転職は、次のステップへの重要な機会となり得ます。
実務経験3年を経た時点では、基本的な開発スキルと実践的なビジネス経験を備えており、即戦力として企業から評価されやすい立場です。特に、技術力とコミュニケーション能力のバランスが取れていれば、転職市場での価値は一層高まります。
また、IT人材の需要が高まり続ける現在の市場環境では、3年目エンジニアは比較的有利な立場で転職活動を進めることが可能です。年収面でも、スキルセットや経験に応じて、現在の待遇からの増加が期待できます。転職を検討している方は、本記事で解説した内容を参考に転職活動を始めましょう。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております